7月15日、第40回日米大学野球の第3戦が東京都の明治神宮野球場で行われた。第1戦を2-1、第2戦を1-0と続けて投手戦を制した侍ジャパン大学代表だったが、第3戦は打線が佐藤拓也外野手(立教大)の3安打のみと沈黙し、0-1で大学米国代表に初白星を献上した。
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
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優勝の行方は第4戦に持ち越し
第3戦の舞台となったのは、学生野球の聖地と呼ばれる明治神宮野球場。その場所を主戦場とする東京六大学リーグで、今春完投勝利2つを挙げた左腕・宮台康平投手(東京大)が先発のマウンドに上がった。
だが、横井人輝監督が「相当緊張していました」と振り返るように宮台がストライクをなかなか奪えず2四球でピンチを迎える。特に変化球の制球が定まらず苦労していたが、ストレートを待つ相手打者を相手にストレートで空振り三振を奪い、ピンチを脱した。続く2回は二塁打こそ許すも3三振を奪った。
ところが、3回先頭のティージェー・フリードル外野手(ネバダ大)にバントヒットを決められて出塁を許す。すると、続くジェレン・ケンドール外野手(バンダービルト大)の打席で盗塁を許し無死二塁のピンチを招き、ここでケンドールがレフト線へ運ぶ二塁打を放ち、大学米国代表が先制する。
その後、宮台はレフトフライとこの日5個目の三振を奪って2死を取るも、ここでマウンドをサイドハンド右腕の水野滉也投手(東海大北海道キャンパス)に譲った。その水野は3四死球こそ与えたものの3回を無安打に抑える好投を見せた。また、3番手の左腕・濱口遥大投手(神奈川大)も2安打こそ許すも6奪三振と要所を締め、右腕・吉川峻也投手(関西大)も得意のシンカーでワンポイント登板の役目をきっちりと果たした。
だが、打線は初回に佐藤拓也外野手(立教大)の左中間を破る二塁打で、幸先の良いスタートを切ったものの、これまで2戦は野手として出場していた左腕・ブレンダン・マッケイ投手(ルイスビル大)と5回からマウンドに上がったアレックス・レンジ投手(ルイジアナ州立大)の前に打線が沈黙した。
9回に、抑えとしてマウンドに上がったタイラー・ジョンソン投手(サウスキャロライナ大)から佐藤が二塁打を放つも、後続は続かず。結果として侍ジャパン大学代表の安打は佐藤の3安打のみに終わり、0-1で完封負けを喫した。
侍ジャパン大学代表の優勝が持ち越された第4戦は、16日の18時30分から静岡草薙球場で行われる。先発にはこの日3番手として3回を無失点に抑えた濱口の起用を横井監督は明言。「第4戦の先発はもともとの予定通り。今日は彼が“投げたい”と言ったので投げさせました。明日は彼に託して、第5戦は総力戦で行きます」と横井監督は期待を込めた。

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コメント
侍ジャパン大学代表・横井人輝監督
「投手陣が1点に抑えてくれただけに非常に悔しいです。宮台は打者一巡か投げても5回くらいまでと考えていたので役割は果たしてくれました。ここまでの3試合通じて、盗塁のサインが出ても選手が初球から走れず、今日はエンドランの空振りもありました。その点は大きな課題です」
侍ジャパン大学代表・宮台康平投手(東京大)
「調子は良かったのですが、先発の役割を果たせませんでした。ストレートで空振りが奪えたのは収穫でしたが、ドラッグバント1つと盗塁3つを決められてしまったので、まだ日の丸を背負う投手の総合力はありませんでした。実力不足です」
大学米国代表・ジョージ・ホートン監督
「ここまでの2試合と同じく投手戦で1つのプレーが明暗を分けました。今日はそれが我々の側にあったということでしょう。(好調が続く)投手陣には、完璧を求めずにアグレッシブに守りを信じて投げるように伝えています。打線は明日以降も足を使ってワンチャンスを生かしていきたいです」
第40回 日米大学野球選手権大会
大会概要
出場選手
全日本大学野球連盟 公式サイト(外部サイト)
大会結果
第1戦 7月12日(火) 日本 2 - 1 アメリカ
第2戦 7月13日(水) アメリカ 0 - 1 日本
第3戦 7月15日(金) 日本 0 - 1 アメリカ
第4戦 7月16日(土) アメリカ 10 - 2 日本
第5戦 7月17日(日) 日本 5x - 4 アメリカ
大会期間
2016年7月12日~17日(※予備日7月18日)
会場
7月12日(火)、13日(水)ハードオフエコスタジアム新潟(新潟)
7月15日(金)明治神宮野球場(東京)
7月16日(土)、17日(日)草薙球場(静岡)
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