7月12日、「第45回 日米大学野球選手権大会」(7月13日まで北海道、新潟、東京で5試合開催)の第4戦がHARD OFF ECO スタジアム新潟で行われた。
前日に3連勝で3大会連続21回目の優勝を決めていた侍ジャパン大学代表は、アメリカ大学代表を6対5で下して4連勝を飾った。






優勝の行方は前日に決したが、堀井哲也監督が「相手に敬意を表して全力でプレーします」、アンディー・スタンキウィクス監督も「あと2試合、プライドをかけて戦う」と試合後に語っていたように、両代表とも意欲高く勝利を目指し、せめぎ合った。
先制したのは侍ジャパン大学代表。初回、身長191センチ左腕のイーサン・クラインシュミット(オレゴン州立大)から小田康一郎(青山学院大)の投手強襲安打と2四球で2死満塁のチャンスを作る。ここで今大会初先発初出場の谷端将伍(日本大)がクラインシュミットの変化球を上手くレフト前に運び2者が生還。先制に成功した。
さらに2回、前日にチームの全打点となる2打点を挙げていた松下歩叶(法政大)が148キロのストレートを弾き返して打球はレフトスタンドへ。「2アウトだったので長打を狙い、ストレートに上手く反応できました。打った瞬間に手応えがありました」と振り返る一打で、3点目を挙げた。
その裏、アメリカ大学代表も反撃。齊藤汰直(亜細亜大)から2四球でチャンスをもらい、エース・リース(ミシシッピ州立大)がライト前に運んで1点を返すと、ライダー・ヘルフリック(アーカンソー大)がセンターへの犠牲フライを放って1点差に詰め寄った。
それでも直後の3回表に、四球で出た平川蓮(仙台大)が盗塁を決めると、谷端が148キロのストレートをセンター前へ弾き返して1点を追加。5回にも谷端と繁永晟(中央大)の連打でチャンスを作ると、前嶋藍(亜細亜大)のレフト前タイムリーと緒方漣(國學院大)のショートゴロの間に2点を奪い、点差を4点に広げた。
投げては5回途中から登板した3番手の櫻井頼之介(東北福祉大)が「100点、200点をあげたい」と堀井監督が称えたように、153キロのストレートで空振り三振を奪うなど7回まで2安打無失点に抑え、流れを渡さなかった。





しかし終盤にアメリカ大学代表が粘る。8回に宮城誇南(早稲田大)から2四球とタイラー・ベル(ケンタッキー大)の安打で1死満塁のチャンスを作ると、クリス・レンバート(オーバーン大)がレフトへ2点タイムリーを放ち2点差に迫った。それでもこのピンチで宮城が代打のロッチ・チョロウスキー(UCLA)をレフトフライに抑えると、その後四球を出すが、ここで今大会3試合目の登板となった佐藤幻瑛(仙台大)が登板。自己最速を更新する最速159キロのストレートで4番のドリュー・ビューレス(ジョージア工科大)を空振り三振に抑えた。
また、9回も佐藤は死球やリースの二塁打でピンチを招くが、失点は犠牲フライによる1点のみ。最後はヘルフリックから153キロのストレートで空振り三振を奪って試合を締め、6対5と競り勝った。
これで侍ジャパン大学代表が4連勝。13日17時から明治神宮野球場で行われる第5戦は、2004年の第33回大会以来となる完全優勝をかけて戦うこととなった。
監督・選手コメント
堀井哲也監督
「アメリカ大学代表の打者が振れていたので苦しい試合になりましたが、投手がよく投げ切ってくれました。(初先発の選手たちが活躍し)もともとの力の差は無く、バランスや打順の兼ね合いで外れていただけでしたし、相手先発投手が左腕だったので思いきってスタメンを代えました。最終戦は学生野球の聖地での試合。全員の力で良い形で締めくくりたいです」
谷端将伍(日本大)
「1打席目は高めの球だけを狙ってフルスイングしようと思っていました。3戦目まで出場機会が無く悔しかったのですが、いつでも出てヒットを打てる準備をしていました。すごく緊張しましたが、みんなが声をかけてくれて緊張がほぐれました」
櫻井頼之介(東北福祉大)
「堀井監督から2点まではOKと言われていて楽に投げられました。ストレートの質が良かったですし、スライダーもいつも通り良かったです。まだ甘く入る球もあったので修正していきたいです」
佐藤幻瑛(仙台大)
「8回は気持ちで押し切りました。9回は自分でランナーを出したので、なんとしても抑えようと思いました。ピンチを作りましたが勝つことができて良かったです。(自己最速の159キロは)メチャクチャ嬉しいです。昨日今日とバランスの良いフォームで投げることができていています」
アンディー・スタンキウィクス監督
「4試合続けて負けて、すごくフラストレーションが溜まっています。日本はすごく鍛錬されて、コーチングもしっかりなされたチームです。(レンバートのみが打率3割を超えているが)大きい当たりを狙っていては日本の投手は打てません。レンバートは大きい当たりを狙わず、クリーンヒットを狙うことに集中できています」
クリス・レンバート(オーバーン大)
「チームとして結果が出ていませんが、これが本当の力ではない。(唯一、チームで打率が3割を超えているが)いつも通りの準備をしているまでです。それ以上でも以下でもありません」
第45回 日米大学野球選手権大会
大会期間
2025年7月8日~7月13日
試合日程
7月8日(火)18:00 日本 6 - 1 アメリカ
7月9日(水)18:00 アメリカ 1 - 8 日本
7月11日(金)17:00 日本 2 - 0 アメリカ
7月12日(土)12:00 アメリカ 5 - 6 日本
7月13日(日)17:00 日本 - アメリカ
開催球場
エスコンフィールドHOKKAIDO
HARD OFF ECO スタジアム新潟
明治神宮野球場