千葉県柏市にあるJR東日本野球部柏野球場に51名の選手が集結した「侍ジャパン社会人代表第一次選考合宿選考合宿」3日目。今年10月2日(月)~8日(日)に台湾で8つの国と地域が参加して開催される「第28回BFAアジア選手権」参加枠24名選考への第一関門として、この日も午前中から17人ずつに野手を分けての紅白戦を行った。
この日は攻撃面で「バントをせずに、機動力や強攻でチャンスを拡大する戦い方にチャレンジしていく」侍ジャパン社会人代表・石井章夫監督のコンセプトを体現する場面が多くみられることに。特に8対0と快勝したAチームの攻撃は理想的といってよいものだった。
まずは2回表、ヒットの北村祥治(トヨタ自動車)が二盗を決め、藤岡裕大選手(トヨタ自動車)の先制打に貢献。3回表にはライト前ヒットの長谷川拓真(JR東日本)が二盗・三盗を連続して決め、山田敏貴(JX-ENEOS)がタイムリーで応えた。
さらに6回表には無死一・二塁から堀米潤平(東芝)と藤岡裕大(トヨタ自動車)がダブルスチールを決めてチャンスを拡大。菅野剛士(日立製作所)の内野ゴロと暴投で2点を追加する抜け目のなさを見せた。
Aチームは投手陣も先発・蔭地野正起(ニチダイ)が味方の好守にも助けられ、3回無失点。二番手・宮谷陽介投手(東京ガス)も三者連続三振を奪うなど、こちらも3イニングを零封。7回から登板した谷川昌希投手(九州三菱自動車)も無失点で切り抜け完封リレーに花を添えた。
紅白戦を終えた石井監督は「昨日はあまり取れなかった併殺が取れましたし、選手は皆、精一杯のプレーをしてくれました」と満足げ。一方、バッテリーを担当する杉浦正則コーチは「国際大会はストレートが重要になってくるので、バッティングカウントでストレートを投げてもらいました。打たれてしまった場面もありましたが、今日はそれでいいので、これからストレートの質を高めていってほしい」と次なる課題をあげている。
午後は選手の疲労を考慮し紅白戦は中止。シートノックなどの練習で汗を流した。シートノックなどでは渡邉貴美男(JX-ENEOS)や原田拓実(日本生命)といった前回大会の口惜しさを知る選手たちが大きな声でアピールし、そこに呼応して各選手が軽快な動きを見せる好循環が発生。
また「宿舎に帰ってからも、コーチと各打者が話し合いをしながらバッティングの修正を行ってきたので、その確認をしたい」(石井監督)フリーバッティングでも、順番を待っている打者に対しコーチが指導する光景が、そこかしこで見られた。
かくして「このところ上体が前に出ていたので、下半身から始動して打つように指導されました。この合宿は素晴らしい選手のプレーを間近で見れますし話も聞けるので、自分にとって良いきっかけにしたいです」と話した谷田成吾(JX-ENEOS)を含め、全51選手が充実した3日間を過ごし、にチームとしての形も見えてきている「侍ジャパン社会人代表」。第一次選考合宿最終日となる6月25日(日)には社会人の強豪・JR東日本とのオープン戦でさらにチームの結束力を高めていく。