7月9日、第41回日米大学野球選手権大会(米国現地時間7月12日開幕)に向けた侍ジャパン大学日本代表の直前合宿最終日。米国への出発を明日に控え、神奈川県川崎市の東芝グラウンドで最後の実戦を戦い勝利で終えた。
投手陣が2~9回を無失点に抑える
この日は社会人の強豪・東芝との対戦。侍ジャパン大学代表の先発のマウンドには、最速153km/h右腕の栗林良吏投手(名城大)が上がった。しかし、1回裏にいきなり連打と四球で無死満塁のピンチを招くと、渡辺佳明内野手(明治大)の失策で先制を許す。さらに内野ゴロの間にも失点しこの回2失点を喫した。だが、その後と2回にもピンチを招いたが、なんとか凌いで、失点を最小限に抑えた。
すると、後続の投手陣は都市対抗野球開幕を間近に控える東芝を相手に、森下暢仁投手(明治大)、青島凌也投手(東海大)、松本航投手(日体大)が2イニングずつを無失点に抑え、順調な仕上がりぶりをそれぞれアピールした。
打線は4回、主将の竹村春樹内野手(明治大)がセーフティーバントで相手のミスを誘い一気に二塁へ。このチャンスに善波達也監督から4番起用を明言されている楠本泰史外野手(東北福祉大)がライト前へタイムリーを放って1点を返した。
1点ビハインドの9回には辰巳涼介外野手(立命館大)と宮本丈内野手(奈良学園大)の連打で1死二、三塁のチャンスを作ると、相手投手の暴投で同点に追いつく。さらに途中出場していた吉田高彰捕手(上武大)が三塁線を破る二塁打を放って勝ち越しに成功した。
このリードを9回裏からマウンドに上がった最速146km/hのサイドハンド右腕・津森宥紀投手(東北福祉大)が3人をピシャリと抑え、9回を3対2のスコアで終えた。
また、この日も10回には双方とも無死一、二塁から攻撃をスタートさせるタイブレーク方式の想定で試合を継続した。ここでは10回表の攻撃で岩見雅紀外野手(慶應義塾大)が相手右翼手の頭上を越える豪快な二塁打で2得点を奪った。
10回裏にもマウンドに上がった津森は、犠打で送られ1死二、三塁となった場面で自身の暴投により1点を失うが落ち着きを保ち、後続の打者を三振と外野フライに抑え試合終了。侍ジャパン大学代表が合計スコア5対3で勝利を果たした。
監督・選手コメント
侍ジャパン大学代表・善波達也監督
「試合前半はミスもあったが、投球・打球とも質が上がってきているように感じました。竹村のバントであったり、上手くいかない時にもなんとかしようという姿勢も出てきました。最後の実戦をそのようにして勝てたのは大きいです。長時間の移動や試合で何が起こったとしても、勝利に執着心を持って戦っていきたいです」
津森宥紀投手(東北福祉大)
「抑えは福祉大でもやっています。国際大会となるとより緊張すると思いますが、高低をしっかり使って持ち味であるストレートで押していきたいです」
吉田高彰捕手(上武大)
「(7日の練習試合は代走のみの出場)久々の試合だったので、いいところで決勝打を打てて良かったです。日米大学野球の中で、配球や選手の意識の持ち方など様々なことを吸収していきたいです」