日本開催の2年前、侍ジャパンは1stラウンド、スーパーラウンドを経てアメリカとの決勝へ進出したが、無念の準優勝に終わった
「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」の大会システムを紹介していきたい。今大会は12カ国・地域が参加する。グループA(カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア)、グループB(日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ)に分かれ、総当たりのオープニングラウンドを行う。ここで上位3チームがスーパーラウンドへ進出する。
なお、9回で決着がつかなかった場合は10回からタイブレークとなる。今大会は「選択打順」ではなく「継続打順」が採用され、一死一、二塁から開始する。例えば、9回が八番で終わった際は、10回は二塁走者が七番、一塁走者が八番、先頭打者は九番となる。
オープニングランド5試合を終えて、仮に2チームが同率(勝敗が並ぶ)となった場合は、下記の条件を優先して順位を決めていく。
1 直接対戦成績
2 「TQB」が大きいチーム
3 「ER-TQB」が大きいチーム
4 直接対戦の打率
5 コイントス
「TQB(チームクオリティーバランス)」とは得失点差率を意味し
(得点/攻撃イニング)-(失点/守備イニング)で算出して優劣を決める。
また、「ER-TQB」とは
(相手自責点による得点/攻撃イニング)-(自責点/守備イニング)で算出して優劣を決める。
なお、3チーム以上が並んだ場合はTQB比較で1番成績が悪いチームがまず落とされ、次の段階で、ひとつ前の条件(直接対決の結果)に戻って比べられる。仮に4チームが並んだ場合、4チームのTQB比較で一番成績が良かったチームであっても、そのまま1位とはならない。TQB比較で一番悪い1チームが落ちて3チームになった際、一番良かったチームが他の2チームに負けていたら、2番目に落ちる対象チームとなってしまう(オープニングラウンドならば3位通過、スーパーラウンドならば4位)。
ここで注意しておかなければならないのは、イニング数の認識である。仮に9回に一死も奪えずにサヨナラ負けを喫した場合は、記録上は「8回0/3」であるから、守備イニングは「8」でカウントされる。今年3月のWBCは「失点率(失点/守備イニング」ではあったが、9回の1イニングをイニング数に加算するという失点率の解釈で一度はメキシコのプレーオフ進出が発表されたが覆ったこともあり、ルールの周知が求められる。
さて、「スーパーラウンド」はファーストラウンド進出3チームの対戦成績がそのまま持ち越される。仮にグループBで日本、アメリカ、キューバが進出したとする。日本は5連勝であった場合は敗退したメキシコ、オランダ、南アフリカとの2勝を除き、「3勝0敗で進出」という計算。スーパーラウンドではグループAの上位3チームと対戦。6試合合計の勝敗により、上位2チームが決勝、3、4位チームが銅メダルをかけて3位決定戦へ進む。
スーパーラウンドでも同率となった場合は先述の大会規約により、上位2チーム、3位決定戦進出2チームを決める。日本が金メダルを狙う上では、オープニングラウンドで最低でも2位以内(2勝1敗以上)には入っておく必要がありそうだ。
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2017年9月1日~9月11日
オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
開催地
カナダ サンダー・ベイ
参加国
グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア
グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ