9月4日、侍ジャパン女子代表が香港・晒草湾遊楽場で「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」の第3戦をパキスタンと戦い、17対0で4回コールド勝ち。計18安打を放ち大勝で開幕3連勝とした。
日本時間10時に開始予定だった試合は、明け方から降る雨により18時に開始。第1試合から第3試合へと変更、さらには一度中止のアナウンスがある中での試合だったが、選手たちは疲れを見せず元気はつらつ、大きな声を出し笑顔でプレーした。
橘田恵監督が「硬くなっていた」と説明する初回、侍ジャパン女子代表はパキスタン先発のM.BASHARATを打ち崩せず、三者凡退に終わる。しかし2回以降は本来のバッティングを取り戻し、見事打線が繋がった。
2回、この日4番に入った姫野真由(花咲徳栄)がヒットで出塁すると、杉本みな(蒲田女子)のセンターへのツーベースで一気にホーム生還し先制。続く緒方佑華(折尾愛真)もタイムリーを放つなどこの回5得点で試合を優位に進める。
3回は6連打を含む7安打で8点、4回には4点を奪い、計18安打17得点の猛打で試合を決定付けた。
試合時間の変更もあり、調整の難しい中マウンドにあがった先発の左腕・田中志緒梨(埼玉栄)は1回、先頭打者の詰まったゴロをうまく処理する。「難しいゴロだったが、うまく捌いてくれたので安心して見ることができた」と橘田監督。その後も一人の走者も許さず2回を完璧に抑えた。3回は小田嶋真美(横浜隼人)、最後は今井巴菜(神村学園)が登板し、許したヒットは1安打のみ。完封リレーで4回コールド勝ちをおさめた。
試合後には両チームの選手が一緒にトスバッティングをおこない交流を深めるシーンも。最後は交互に輪になり、笑顔で声を掛け合いながら試合後のストレッチをこなし、グラウンドを後にした。
この日の勝利で開幕から3戦全勝とした侍ジャパン女子代表。次戦は9月5日(火)日本時間13時より香港と対戦。地元の声援に怯むことなく、全勝での初代女王を狙いにいく。
監督・選手コメント
橘田恵監督
「1試合目が3試合目に変更になるというのは、なかなか経験できないこと。次回以降のワールドカップに向けて、選手たちも私自身も貴重な経験ができました。初回は少し硬かったですが、シンプルに点を取っていくというところで、期待通りに打ってくれました。明日に繋がっていければと思います。(明日の試合は)これまでよりも香港が上手くなっているので、今日のような勝ち方はできない。気を引き締めてしっかり戦いたいと思います」
田中志緒梨(埼玉栄)
「雨で大幅に遅れたのですが、集中を切らさないことを心がけました。アウトコースのストレートを中心に投げ、空振りが取れたのでよかったです。一度中止の発表があり、これが国際大会なんだなと思いましたが、どんなタイミングでも投げられるように想定していたので良かったです」
緒方佑華(折尾愛真)
「ファーストストライクから思い切って振っていけました。合宿中に肩を痛めたことはショックでしたが、受けとめて前向きにやっていきます。明日以降も自分の役目を果たして、あと2試合をしっかり戦っていきたいと思います」