選手の保護者代わりでもある野口敦弘氏
「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)に出場している侍ジャパンU-18代表。小枝守監督以下、コーチ陣3人は、優勝した昨年のアジア選手権(台湾・台中)と同じ顔触れ。総務の野口敦弘氏(福岡県高野連理事長、56歳)も2年連続で高校日本代表チームの"マネジャー"を務め、選手を束ねるスタッフの信頼関係も強固である。
「選手たちが気持ち良く、最高のパフォーマンスを発揮するための環境づくりを心掛けています。日本の高校野球を代表するにあたり、その振る舞いについても指導しています」
東筑高、長崎大を卒業後、国語科の教諭として福岡へ戻った。若松高(監督)を経て、東筑高(部長)では責任教師として2度の甲子園を経験。八幡高(部長)時代に福岡県高野連の運営に携わるようになり、事務局のある八幡工高へ異動後、2010年から同連盟理事長を務めている。来年夏の選手権100回大会は過去最多56校が出場。福岡は史上初めて2代表(南北)が出場することとなり、野口理事長の仕事も、さらに多忙となりそうだ。
さて、今回は2年連続の"大役"である。
「異例のことだと聞いています。前回の経験を生かしてほしいということから、指名していただいたと思っています。グラウンドのことは指導者にすべてお任せしていますので、それ以外の部分、私は20人の生徒を引率する修学旅行の担任の先生みたいなものです」
野口総務は道具の管理を担当しており、カナダへ到着時、荷物の一部が届かなかった際にはさすがに慌てた。だが、生徒に動揺が起きないよう、冷静に対処していた。試合中は記録員としてスコアをつけ、試合後は国際大会で行われる「ドーピングコントロール」に対応。「未成年なので、保護者代わりとして付いていくことになっています」。
担任の先生としての苦労はないのか?
「皆、優等生です。キャプテンの清宮(幸太郎、早実)がリーダーシップを発揮し、そのほかのメンバーも代表としての自覚を持っており、手のかかる選手はいません」
8月22日の国内合宿集合から、カナダ入り後も睡眠不足が絶えない。すでに時差ボケも解消されているはずだが、責任の重さから寝付けない日々が続いている。"修学旅行"が解散する9月12日の帰国まで、"引率教員"は、気を張り詰めてその職務に当たっていく。
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2017年9月1日~9月11日
オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
開催地
カナダ サンダー・ベイ
参加国
グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア
グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ