さる9月2日~7日の6日間、香港で行われた「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」を全勝で勝ち抜き、初代女王の称号を手にした侍ジャパン女子代表が9月8日帰国。成田空港にて優勝記者会見を行った。
今回の侍ジャパン女子代表は若手選手の育成、競技力向上および強化を目的とし、18歳以下の選手で編成。大会では初戦の韓国戦で11対0とコールド勝ちを収め勢いに乗ると、その後、チャイニーズ・タイペイに6対1、パキスタンに17対0。そして地元・香港との接戦を2対0で制し優勝を確定。最終戦のインドにも17対0で勝利し、5戦全勝優勝を決めた。
記者会見には侍ジャパン女子代表・橘田恵監督をはじめ、主将でベストナイン(遊撃手部門)を受賞した吉井温愛(履正社高3年)、大会MVPとベストナイン(指名打者部門)を獲得した緒方佑華(折尾愛真高3年)、最優秀防御率とベストナイン(投手部門)姫野真由(花咲徳栄高3年)、捕手として最優秀守備選手に選出された金満梨々那(開志学園高3年)の計5名が登壇。
日本代表史上初の女性監督としてチームを率いた橘田監督が「ワールドカップ5連覇中ということでアジアでは簡単に勝てるだろうという国内の期待もある中、優勝できてほっとしています。高校生の元気と笑顔に助けられた大会になりました」と優勝の喜びを口にすると、吉井主将は「初めての国際大会で慣れない環境ではあったんですけど、日本らしい野球で優勝できてよかったです」と晴れやかな笑顔を見せた。
また、大会MVPの緒方は「インドやパキスタンなどは、まだまだ女子野球が普及していない中、野球を心から楽しむ姿を見て、野球の素晴らしさを実感しました」と国際大会で得た収穫を語り、無失点の投球でチームを引っ張った姫野は「最優秀防御率を取れたのは野手の方にアウトを取ってもらったおかげなので、野手の方々に感謝したいです。」と語った後、現在WBSC U-18ワールドカップを戦っている花咲徳栄高の侍ジャパンU-18代表・清水 達也(花咲徳栄3年)について「負けてられないなと思って、力に変えて頑張りました」と感謝の言葉を述べた。
さらに好リードが光った金満は「ピッチャーを引っ張っていくのが課題だったんですけど、うまく引っ張っていけたというのは優勝に貢献できてよかったと思います」と語った。
その後、橘田監督は「今回の大会はアジアの女子野球の普及にも何か貢献したいという思いで挑んだ大会です」と初代女王獲得と同時に果たすべき目標を明かした上で、その成果として「10年ほど前にインドのチームを見たときと比べると確実にレベルは上がってきています。その中で、日本の選手たちに伝えたのはスパイクやユニフォームが当たり前にある日本に比べると、他の国は環境が全く違うということ。実際に今回の大会に出場して、日本人選手は大変恵まれているということを彼女たちも実感したと思います」と説明した。
「来年のワールドカップも迫ってきています。今回のメンバーから1人でも多くフル代表に入る努力をしてほしいです」と最後は、今大会メンバーに改めて期待を寄せた指揮官。来年には現在5連覇中のWBSC女子野球ワールドカップが控える侍ジャパン女子代表は、現代表の解散と同時に新たなサバイバルレースと、女子野球をさらに世間へ普及させる6連覇への準備に入る。