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選ばれた20人の精鋭たち 副団長・日下篤氏の実力を見極める「目」

2017年9月9日

「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)に出場している侍ジャパンU-18代表。今回、日の丸を背負って戦っているのは、全国に約16万人いる高校球児から選ばれた20人の「精鋭」たちである。

 メンバー選考は、日本高等学校野球連盟の技術・振興委員会を中心とする12人の委員が担当した。同委員長である日下篤氏は今回の高校日本代表チームの副団長として、チームに帯同。試合中はスタンドで、その戦いぶりを真剣な眼差しで見守っていた。日下副団長はかつて育英高(兵庫)を率いた元監督だ。1993年夏の甲子園では金属バットながらパワーに頼らず、バント戦術を多用する緻密な野球で、全国制覇へ導いた。すでに、選手選考に関わるようになってから15年あまり。高校生の実力を見極める〝目〟は確かである。
「いつの年も選手を選ぶのは本当に難しい。これがベストと思って、信じるしかない」
 侍ジャパンU-18代表・小枝守監督(元拓大紅陵監督で1992年夏の甲子園準優勝)は技術・振興委員会の副委員長。昨年から高校日本代表を率い、チームを指揮する監督の意向を反映させた選考が可能となった。つまり、「現場主義」のチーム編成が実現している。

 今年は「選考過程」が大きく変わった。昨年までは3月の春のセンバツ大会終了時に「第一次候補選手」を発表していたが、春季大会まで引き延ばし、6月16日に30人が第一次候補としてノミネート。この30人から20人を絞り込むのではなく、夏の地方大会、甲子園ともう一度、候補選手を視察し、最終20人を決定した。春の甲子園で戦った32校だけでは、シーズンインの時期という背景もあり、真の実力を見極めるのが難しかった。センバツ準優勝で今大会は不動の三番・安田尚憲(履正社)は一次選考からは漏れていたが、夏の結果を受けて代表入りした一人だ。

 センバツ後は再度、全国47都道府県から有力選手の資料を収集。その〝典型〟が、今春までに全国舞台に縁がなかった中村奨成(広陵)である。「小枝監督にぜひ、見に行ってください、とお願いしたんです。肩と足は抜群の技術だった」(日下副団長)。監督が直接、視察する。結果的に自身初の甲子園となった今夏の大ブレークするわけだから、〝先見の明〟があったということだ。捕手は昨年に続き2人制。故障が伴うポジションで本来は3人が望ましいところだが、メンバー20人という制約がある中でリスクを承知の上で、他のポジションに「1枠」を回した背景がある。

 野手は打撃だけではなく、足と守りが重要視され、複数ポジションも求められる。そして、投手はここ一番で勝負できる変化球、特にタテ変化持っていることが一つの選考基準。ここでポイントに上がるのは「ゲームで使えるか?」(日下副団長)ということ。「『好投手』、つまり『素材型』では、今大会の10日間で9試合の勝負は勝ち上がるのは難しいんです。現状での『総合力』を見極めました」。

 一昨年のW杯は清宮幸太郎(早実)が1年生で唯一選出されたが、昨年のアジア選手権は全員3年生。「新チームのこともあるので、学校の意向が優先となる」(日下副団長)。こうした事情をクリアさせ、今年は藤原恭大(大阪桐蔭)、小園海斗(報徳学園)の2年生2人が代表入り。大会中から不動の一、二番コンビを形成し大活躍した。2017年のベストメンバーにおいては、下級生の力なくして考えられなかった。「ほかにもピックアップしていた2年生は、たくさんいる。2017年の評価が18年にもつながる」。来年はアジア選手権(開催地未定)が予定されており、「U-18世代」の情報量は年々、アップデートされていく。

第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ

大会概要 出場選手 放送予定

大会期間

2017年9月1日~9月11日

オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)

スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)

3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)

開催地

カナダ サンダー・ベイ

参加国

グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア

グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ

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