11月3日、6つの国と地域がアジアナンバーワンをかけて争う第9回BFA U-15アジア選手権(志太スタジアム/静岡県伊豆市)の3日目が行われた。大会3連覇中のチャイニーズ・タイペイに対し、侍ジャパンU-15代表の投打が噛み合い3対0で快勝。全勝をキープし、4大会ぶりの優勝に向けて大きな1勝となった。
神里が攻守に躍動
両国先発投手は、チャイニーズ・タイペイが191cm右腕・李晨薰投手、侍ジャパンU-15代表が第34回全日本少年軟式野球大会準優勝右腕・荻原吟哉投手(私立星稜中)のエース対決となった。
「最初は緊張しました」と荻原が振り返るように、先頭打者に四球を与えてしまう。さらに2ボールとなったところで伊藤将啓監督(習志野市立第一中)がマウンドに向かった。ここで荻原が「“ビビってんの?”と言われて楽になりました」と笑って振り返るように、2番打者にはバント安打を許したが、後続の打者を抑えて無失点でしのいだ。
さらに2回も内野安打で先頭打者を出したが、内山壮真捕手(私立星稜中)の牽制球により走者を刺して難を逃れた。
するとその裏、伊藤監督が「ベルトの上は手を出さないようにと伝えていました」と言うように、李の長身から投げ下ろす最速147km/hのストレートなどを各打者が上手く見極めて3四球を選ぶ。
ここで神里陸内野手(南風原町立南星中)がフルカウントから「三振は無しで、絶対に転がそうと思っていました」と、センター前にしぶとく運び2点の先制に成功した。
さらにこの後、神里は守備でも美技を連発。6回には中堅手の功刀史也外野手(南アルプス市立白根巨摩中)が俊足を飛ばして、センター前に落ちそうな打球をダイビングキャッチ。好守に5回から登板の左腕・根本悠楓投手(白老町立白翔中)も2イニングを無安打救援で応えた。
そして6回、代わった張鴻傑投手から2四球でチャンスを作ると、伊藤監督は代打の切り札・宮本拓実投手(私立仙台育英学園秀光中等教育学校)を起用。ここで宮本が左中間を破る二塁打で期待に応え、貴重なダメ押し点を奪った。
最終回は、守護神・寺西成騎投手(能美市立根上中)が3人で抑え、3対0で快勝。侍ジャパンU-15代表が開幕3連勝を飾った。
監督・選手コメント
伊藤将啓監督
「強敵だが先制すればなんとかなると思っていたので、先制点が大きかったです。宮本の代打や投手の継投も期待通りになりました。ウォーミングアップから濵田世(私立高知中)が盛り上げてくれました。出ている9人だけでなく、全員で戦うことができています」
荻原吟哉投手(星稜中)
「持ち味の制球力を生かすことができました。星稜中でも厳しい場面で投げていたので、その経験が生きました。あと2試合総力戦で勝って、アジアナンバーワンになりたいです」
神里陸内野手(南風原町立南星中)
「2日間あまり活躍できていなかったので、活躍できて良かったです。守備は一歩目や打球判断、前に出ることを大事にやってきて、家では父にノックを打ってもらったりしました。残り2試合も今日みたいに、しぶとく食らいついていきたいです」
宮本拓実投手(仙台育英学園秀光中)
「チャンスの場面で代打起用すると言われていたので、繋いでいこうと思いました。ストライクゾーンはベンチで見て、見極めることができていました。持ち味の逆方向への打撃ができて良かったです。体力的にもキツイですが、残り2試合でも自分たちで高め合っていきたいです」
寺西成騎投手(能美市立根上中)
「アウト3つは取れましたが、まだ体が前に突っ込みすぎてしまっているので、修正して低めに球を集めていきたいです。今日勝てて嬉しいですが、残り2試合も相手をねじ伏せていきたいです」