11月4日、6つの国と地域がアジアナンバーワンをかけて争う第9回BFA U-15アジア選手権(志太スタジアム/静岡県伊豆市)の4日目が行われた。前日に大会3連覇中のチャイニーズタイペイに対して3対0で快勝を挙げた侍ジャパンU-15代表は、パキスタンに15対2の5回コールド勝ちを収め、4大会ぶりの優勝まであと1勝とした。
新打順が機能し大量得点
打線の軸となるべき選手たちの活躍が大勝に導いた。
侍ジャパンU-15代表は初回、2番から1番に上がった功刀史也外野手(南アルプス市立白根巨摩中)が三塁打で出塁すると、1死後に、1番から3番に下がった内山壮真捕手(私立星稜中)がレフトフェンスを越える先制の2ラン本塁打を放って試合の主導権を握った。
その裏に1点を返されたものの、2回には山田将義外野手(私立駿台学園中)と濵田世投手(私立高知中)のタイムリーや相手ミスで一挙5点を追加した。その後も得点を重ね、5回には功刀がセンターオーバーの長打を放つと、俊足を飛ばして一気に生還するランニング本塁打を放ち、ダメ押しした。
投手陣は宮本拓実投手(私立仙台育英学園秀光中等教育学校)と濵田が1失点ずつを喫したが、4回・5回を山城航太郎投手(福岡市立高宮中)が回転の良いストレート(最速137km/h)とスライダーで無安打4奪三振の内容で締めて、5回コールド勝ちを成立させた。
伊藤将啓監督(習志野市立第一中)は大一番の勝利から一夜明けた試合内容に「選手たちに気の緩みがありました」と苦言を呈しながらも、「内山が1番では出塁しようと思うがあまり、当てに行くスイングになってしまっていたので3番に置きました。また功刀が何番でも打つことが分かりました」と、この日試した新打順の手応えを語った。
そして、5日の韓国戦(13時30分開始予定)に向けて、「相手は初球から振ってくるパワー野球なので1球目から大切にしていきたいです」と、4大会ぶりの優勝がかかる一戦への展望を語った。
アジアナンバーワンに王手をかけた侍ジャパンU-15代表。プレッシャーのかかる中で、選手たちがどんな躍動を見せるのか楽しみだ。
選手コメント
内山壮真捕手(星稜中)
「スイングの形を崩してしまっていましたが、今日はいい形で振り抜くことができました。次はこのチームで戦う最後の試合なので、全員の力で勝ち切りアジアナンバーワンになりたいです」
功刀史也外野手(白根巨摩中)
「(今日も4安打と好調が続き)リラックスして、来た球を当て逃げせず振り抜くことを意識しています。次は大事な一戦になります。今日は試合内容が悪かったので、気持ちを切り替えてチーム一丸で優勝したいです」
山城航太郎投手(高宮中)
「1回から準備していました。このような国際舞台で多くの三振が取れたのは今後の自信になります。韓国戦はたとえ出るチャンスが無くても気持ちを落とさず、声かけや良い雰囲気作りを心がけていきたいです」