2018年、アメリカ開催の日米大学野球選手権大会などへの参加を予定する「侍ジャパン大学代表」の候補生50選手が集った「大学日本代表候補強化合宿」最終日が、12月4日(月)午前中、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで行われた。
この日は、ウォーミングアップ・キャッチボール・シートノック後に早速6イニング制の紅白戦を実施した。ここでは4投手が3イニングずつマウンドに上がり、今合宿に召集された全18投手が登板。この間、他の投手は交代で室内ブルペンに入り、紅白戦での反省を投球に活かした。
一方の野手陣はこれまでの2日間から一転、凍てつくような寒さの中でも、2日間同様にグラウンド上でホットなポジション争いを展開。2回表に無死一・二塁から渡邊佳明(明治大3年・内野手)、吉田高彰(上武大3年・捕手)の連続適時打で3点を奪った紅組が3対0で勝利を収めた試合結果以上に、彼ら個々が3日間を通じて示した意欲的な姿勢は、2018年の「侍ジャパン大学代表」を含む大学球界の飛躍を確信させるものだった。
試合直後には、選考委員の1人である全日本大学野球連盟監督会・善波達也会長(明治大監督)が50人を集めて訓示。「今回の合宿で経験した刺激を春以降に活かしてほしい。そして代表候補として『目配り・気配り』を持って行動にもプライドを持ってほしい」という言葉の1つ1つに、選手たちは大きく頷いていた。
最後は合宿中に体幹トレーニングなども指導した日本体育大トレーナー研究会2名によるクールダウンによって、すべてのメニューを完了。「お二人のおかげでこの合宿が成り立ったと思っています。本当にありがとうございました」と話した渡邊に全員が反応してお礼を述べ、「グラウンドもいい状態を作ってくれるなど、すごく協力をして頂いたおかげで、いい内容になった」(善波会長)坊っちゃんスタジアム3日間の侍ジャパン大学代表候補強化合宿は大団円を迎えている。
そして今年は日米大学野球選手権、金メダルを獲得したユニバーシアードの侍ジャパン大学代表メンバーも経験したまとめ役の渡邊は「レベルの高いメンバーがいる中、左打者としての左投手に対する打ち方などの話も聴けて勉強になったし、広いグラウンドを使わせてもらって野球をやりやすい環境を作ってくれた」と、個人の収穫と愛媛県野球関係者に感謝の言葉を述べた上で、2018年への「侍ジャパン大学代表」のテーマをこう述べた。
「ユニバーシアードでは優勝できましたが、日米大学野球では勝てるゲームを落として負け越してしまったので、2018年の日米大学野球はどんな形であっても勝ち切りたいと思っていいます。そのためにまずは同じ意識・方向性を持つ気持ちから作っていきたい。僕も侍ジャパン大学代表に入ることが前提にはなりますが、2017年に経験したことからいろいろと気付いたことをアドバイスしたいと思っています」
そのベースを松山市での3日間で着実に積み上げられた侍ジャパン大学代表は、2018年1月の全日本大学野球連盟監督会において監督・コーチ陣を決定。6月までの期間で、今合宿参加の50名と、2017年日米大学野球・ユニバーシアード参加メンバー。そして来年4月入学の1年生たちも含めた全国26連盟の選手たちの中から、外国人選手にも対応できるベストの日米大学野球メンバーを選出していく。