「第8回WBSC女子野球ワールドカップ(8月22~31日、米国フロリダ)」で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表は2日、HARD OFF ECOスタジアム新潟で強化合宿4日目に臨んだ。
午後5時から行った開志学園高との強化試合は4-0で勝利し、本番前の対外試合を6戦全勝で締めた。
ラストゲームは、若手主体のオーダーを組んだ。「ベテランと中堅を除いた中でどう戦うか見たかった」と橘田恵監督。主力にアクシデントがあった場合を想定し、出口彩香主将(ハナマウイ)、三浦伊織外野手(京都フローラ)、中田友実外野手(愛知ディオーネ)を先発から外した。
平均年齢19.9歳の先発メンバーは幸先良いスタートを切った。1回裏2死一、二塁で田端凜々花捕手(折尾愛真)が左前へ先制打。だが、2回以降は守ってはミスでピンチを背負い、打線もつながらず、なかなか主導権を握ることができない。
4回裏終了時、とうとう指揮官からゲキが飛んだ。「日の丸を背負っているからにはベテランも若手も関係ないよ」。人に頼るのではなく、自分自身がチームを引っ張って劣勢を打開するんだという強い覚悟を持ってほしいと訴えた。
その言葉が効いた。5回表無死一塁のピンチを三ゴロ併殺打で切り抜けると、流れがガラリと変わる。その裏、先頭の北山未来外野手(履正社RECTOVENUS)が二塁内野安打で出塁し、すかさず二盗を成功させる。続く田中美羽内野手(アサヒトラスト)が三塁線へ絶妙なバント安打を決めて好機を広げると、阿部希内野手(ハナマウイ)のスクイズで待望の追加点を奪った。さらに、川端友紀内野手(埼玉アストライア)の左翼線適時二塁打などで2点を追加した。
「あそこで3点を取れたことは評価したいです。ただ、若手にはベテランから声かけを学んでほしい。今までいかに引っ張ってもらっていたか感じたはずですから」と指揮官は若い選手たちのさらなる自覚と成長を求めた。
本番前最後の対外試合となったこの日は、守備位置の新オプションもテストした。唯一の左腕投手である水流麻夏(レイア)を「8番・一塁」で起用し、阿部を三塁から初めて二塁に回した。自チームで二塁を守る阿部は、5-4-3の併殺を含め4度の守備機会を無難にこなした。
投手用グラブで一塁を守った水流も、ショートバウンド送球をきれいにすくい上げた。「ファーストは3月か4月の練習で1回守っただけなので緊張しましたが、いつも通り自分の役割を果たそうと考えました」と7度の守備機会をミスなくこなした。自チームでは外野手として出場していることもあり、打席では犠打を決め、安打も1本放った。
橘田監督は水流の起用について「投手としてはピンポイントなので、ファーストも外野でもいってもらいます」と明かす。水流もこれまでほとんど経験のない一塁を練習するつもり。「アメリカにはファーストミットも持っていきます」と準備を進める。
水流のほか、投手では坂原愛海(京都両洋高)も外野手としてテスト済み。捕手では緒方佑華捕手(履正社RECTOVENUS)に一塁、田端に外野を経験させた。内野手は6人全員が複数ポジションを守ることができる。橘田監督は「20人で行くので、オプションが増えると安心できますね」とうなずく。対戦相手や調子によって自在なオーダーを組むことが可能になる。
選手たちの意識は高い。ダブルヘッダーが2日続いて疲労がピークのため、この日の午前中はオフになった。それでも5人の選手が特打を志願。緒方、田中美、北山、小島也弥内野手(IPU環太平洋大)、吉井温愛内野手(履正社RECTOVENUS)が木戸克彦ヘッドコーチらの指導を受けた。1時間必死にバットを振り込み、開志学園高との強化試合で結果につなげた。
新潟最終日の3日は、渡米前最後の全体練習になる。やり残しがないように念入りに総仕上げを行う。
第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会期間
2018年8月22日~8月31日
オープニングラウンド
8月22日(水)23:00 日本 8 - 0 ドミニカ共和国
8月23日(木)23:00 香港 0 - 23 日本
8月25日(土)7:00 日本 2 - 1 カナダ
8月26日(日)7:00 キューバ 1 - 4 日本
8月27日(月)7:00 日本 5 - 1 オーストラリア
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
8月29日(水)7:00 日本 3 - 0 アメリカ
8月30日(木)2:00 日本 2 - 1 チャイニーズ・タイペイ
8月30日(木)22:00 日本 10 - 0 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
決勝
2018年9月1日(土)7:00 日本 6 - 0 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、ベネズエラ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オランダ、プエルトリコ
グループB
日本、カナダ、オーストラリア、キューバ、香港、ドミニカ共和国