10月25日、ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019「日本 vs カナダ」(10月31日、11月1日)とプレミア12(日本出場のグループBは11月5日開幕)に向けた侍ジャパントップチームの宮崎合宿4日目が行われた。
この日はチーム始動後初の実戦となる日本ハム戦をサンマリンスタジアム宮崎で12時半から行い、7対0で快勝。幸先の良いスタートとなった。
野手10人(捕手1人)、投手6人しかいないため、翌日のオリックス戦とともに試合は7イニング制。打順は9番ではなく10番まで回して打席機会を均等にするなど特別ルールで行われた(指名打者選手が守備に就き、守備に就いていた選手が指名打者に回ることも可能)。
試合は初回。1、2番の秋山翔吾(西武)と菊池涼介(広島)の連打などで満塁のチャンスを作るが、1アウトから吉田正尚(オリックス)が併殺打で倒れて得点を奪うことができなかった。
試合が動いたのは4回。この回から登板した日本ハムの左腕・北浦竜次から鈴木誠也(広島)がレフト前安打で出塁すると、吉田が左中間へタイムリー二塁打を放って先制に成功。さらに外崎修汰(西武)と會澤翼(広島)にもタイムリーが飛び出して、この回3得点を挙げた。
先発のマウンドに上がった岸孝之(楽天)は「全体的にボールが高く、狙ったところにあまり行きませんでした」としながらも、4回を1安打無失点に抑えて貫禄を見せた。
2番手から登板した山本由伸(オリックス)は都城高校時代に何度も登ったマウンドに「懐かしく感じ、楽しんで投げることができました」と2回1安打無失点。大会使用球に関しては「嫌な感じもなく安心しました」と述べ、課題については「まだ空振りをあまり取れていないですし、一球一球の精度を上げて行きたいです」と語った。
投手陣が良いリズムを作ると、打線が昨年の侍ジャパンU-18代表右腕・吉田輝星をとらえる。6回は二死から外崎修汰(西武)、會澤翼(広島)、源田壮亮(西武)の三連打で2点を追加。7回は山田哲人(ヤクルト)がセンター前安打と盗塁でチャンスを演出。ここで鈴木が「(打球は)風に乗りましたが、自分のスイングができました」とレフトスタンドに飛び込む2ラン本塁打を放ってダメ押し。
7回裏は山﨑康晃(DeNA)が先頭打者に安打こそ打たれたが、後続の3人をきっちりと抑えて試合終了。試合途中から一塁手を務めた山田も打球処理を2回ともきっちりとアウトにした。安打12本で7得点、被安打3本で無失点と若手主体の相手に各自が順調な調整ぶりを見せた。
26日はオリックスと練習試合(サンマリンスタジアム宮崎で12時半試合開始予定)を行う。稲葉篤紀監督は4番を鈴木に固定しつつも打順の組み合わせをまた違ったパターンで試すことを示唆した。
今後は、宮崎合宿を26日で打ち上げ、27日に沖縄へ移動。28日から日本シリーズに出場したソフトバンクと巨人の選手たち(辞退による代替3選手含む)も合流しての練習を沖縄セルラースタジアム那覇で行い、31日と11月1日のカナダ戦に臨む。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「試合の間隔が開いている選手が多かった中、非常に意識を高く過ごしてくれました。今日は(3回の)菊池選手のエンドランだけサインを出しましたがよく当ててくれました。実戦感覚を取り戻す中で、動きが欲しかったのとサインに慣れるという狙いでサインを出しました。また、山田選手が走ったように積極的な姿勢や繋ぐ意識は継続してやっていきたいです」
鈴木誠也(広島)
「周りに良い打者が多いので、繋ぐ意識でとにかく塁に出ようと思って打席に入りました。強いストレートを振っていこうと思っていたので、それはできました。あとは、とにかく打席に立って変化球を見ていきたいです。考えすぎても消極的になるので、考えるべきところだけを考えて、あとは自然体で打席に入っていきたいです」
吉田正尚(オリックス)
「久しぶりに実戦の打席に立つことができて良かったです。球の見え方も悪くなかったので、感覚と技術を上げていければと思います。(5番は)あまりやったことはありませんが、初回に回ることが多いかどうかの差だけ。しっかりと自分のスイングをすることに変わりはありません。受け身にならずファーストスイングから振っていきたいです」
第2回 WBSC プレミア12
大会期間
2019年11月2日~11月17日
オープニングラウンド
11月5日(火)19:00 日本 8 - 4 ベネズエラ
11月6日(水)19:00 日本 4 - 0 プエルトリコ
11月7日(木)19:30 チャイニーズ・タイペイ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
11月11日(月)19:00 日本 3 - 2 オーストラリア
11月12日(火)19:00 日本 3 - 4 アメリカ
11月13日(水)19:00 日本 3 - 1 メキシコ
11月16日(土)19:00 日本 10 - 8 韓国
※開始時刻は日本時間
決勝
11月17日(日)19:00 日本 5 - 3 韓国
※開始時刻は日本時間
開催地
日本、台湾、韓国、メキシコ
出場する国と地域
グループA
メキシコ、アメリカ、オランダ、ドミニカ共和国
グループB
チャイニーズ・タイペイ、日本、ベネズエラ、プエルトリコ
グループC
韓国、キューバ、オーストラリア、カナダ