11月13日、「第2回 WBSC プレミア12」のスーパーラウンド第3戦が行われ、侍ジャパンは19時から東京ドームでメキシコと対戦。これまで今大会唯一となる全勝で快進撃を続ける相手だったが、序盤に奪った得点を活かして3対1と逃げ切り、2位にまでに与えられる決勝進出に王手をかけた。
前日のアメリカ戦に3対4で敗れて今大会初黒星を喫した侍ジャパン。全勝のメキシコとの対戦は負けられない一戦となったが、序盤に主導権を握った。
先発のマウンドに上がった今永昇太(DeNA)は三者凡退であっさりと1回表を終わらせると、この日2番に起用された坂本勇人(巨人)が左寄りのシフトの間を抜くレフト前安打で出塁。さらに盗塁にも成功して二塁へ。このチャンスに4番の鈴木誠也(広島)がセンター前に運んで先制に成功する。さらに外崎修汰(西武)と近藤健介(日本ハム)も連打で続き、2点目も奪った。
また2回にも2つの四球から生まれたチャンスで、坂本が「昨日なかなかチャンスで打てず迷惑をかけていたので、どんな形でも返そうと打席に入りました」と、レフト前にタイムリーを放って3点目を奪った。
この援護を受けた今永は「會澤さんが良いところを引き出してくれて、全ての球種を上手く使うことが出来ました」と振り返ったように、捕手の會澤翼(広島)とのコンビネーションも冴えて、テンポ良くメキシコ打線を抑え込んでいく。
4回にこの日唯一の被安打となるソロ本塁打こそ浴びたが「あれで一球の意図を考え直す良い機会となりました」とすぐに切り替えた。6回には三者連続三振を奪うなど6回1安打1失点8奪三振で期待に応え、「會澤さんのリードに応えることが出来て良かったです」と殊勝に語った。
3回以降は得点を奪うことはできなかったが、7回は甲斐野央(ソフトバンク)、8回は山本由伸(オリックス)、9回は山﨑康晃(DeNA)が無安打に抑える投手リレーでメキシコ打線に反撃させる隙さえ作らずに、そのまま逃げ切った。
2016年秋と今春に強化試合を行い双方とも1勝1敗と互角の戦いを演じ、今大会首位を走っていたメキシコに初黒星をつける大きな1勝となり、スーパーラウンドの戦績を3勝1敗とした。
侍ジャパンの次戦はスーパーラウンド最終戦となる16日の韓国戦(19時から東京ドーム)。勝利すれば2位以上に与えられる17日の決勝への切符が掴める大事な一戦を、良い形で迎えられることとなった。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「選手たちがこの試合の大事さを分かった上で、昨日から切り替えて試合をしてくれました。今永投手の素晴らしい投球もありましたし、先制点を取れたことで日本らしい戦いをすることができました。このチームで試合ができるのも、あと2試合。悔いのないよう全員で結束して戦いたいです」
今永昇太(DeNA)
「ロッカーも良い雰囲気でしたので、切り替えて楽しくマウンドに上がることができました。怪我で離脱した秋山翔吾さんも観に来ていたので気合いを入れて投げました。調子の良かったカーブを會澤さんが見極めてくれて、特に上手く使うことができました。(残り2試合に向けて)いつ登板を言われてもいいようにしっかりと準備をしておきます」
フアン・カストロ監督
「もちろん勝ちたかった。全勝で勢いはあったが序盤に負ったダメージを挽回できなかったです。先発のラミレスは素晴らしい投手ですが、日本の打者に上手く対応されてしまいました」
第2回 WBSC プレミア12
大会期間
2019年11月2日~11月17日
オープニングラウンド
11月5日(火)19:00 日本 8 - 4 ベネズエラ
11月6日(水)19:00 日本 4 - 0 プエルトリコ
11月7日(木)19:30 チャイニーズ・タイペイ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
11月11日(月)19:00 日本 3 - 2 オーストラリア
11月12日(火)19:00 日本 3 - 4 アメリカ
11月13日(水)19:00 日本 3 - 1 メキシコ
11月16日(土)19:00 日本 10 - 8 韓国
※開始時刻は日本時間
決勝
11月17日(日)19:00 日本 5 - 3 韓国
※開始時刻は日本時間
開催地
日本、台湾、韓国、メキシコ
出場する国と地域
グループA
メキシコ、アメリカ、オランダ、ドミニカ共和国
グループB
チャイニーズ・タイペイ、日本、ベネズエラ、プエルトリコ
グループC
韓国、キューバ、オーストラリア、カナダ