6月20日、神奈川県平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで野球日本代表「侍ジャパン」大学代表の選考合宿3日目が行われた。最終日となったこの日は、午前中に5イニングの紅白戦が行われ、午後には代表選手を発表。選ばれた24選手は7月8日から15日にオランダで開催される「第30回 ハーレムベースボールウィーク」に出場する。
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午前中に行われた紅白戦で光ったのは、菊地吏玖(専修大)。自己最速を更新する152キロの力強いストレートにスライダーや縦に落ちる変化球なども駆使し、2回無安打1四球3奪三振と完璧に近い投球を披露しアピールに成功した。また最終回の5回の表・裏を続けて投げた橋本達弥(慶應義塾大)も内野手の失策以外1人の走者も出さず、打たせて取る投球で無安打と好投した。
午後には代表選手発表記者会見が行われ、大久保哲也監督が24選手の名前を読み上げた後、記者からの質疑応答に対応。選考のポイントや構想を語った。
選考のポイントとなったのは、投手ではこれまでの国際大会で有効だった縦の変化球をはじめとした変化球の精度や制球力、球威を基準に9投手が選出された。野手では守備力やミート力の高い選手が中心に選出され、長打力が持ち味の選手も数名、選出された。捕手は6人が争う激戦区だったが、スローイングやフットワークなどを基準に3選手が選ばれた。
投打二刀流が注目される矢澤宏太(日本体育大)については、投手での起用を中心としながらも、投手として出場しない場合は野手での出場も大久保監督は示唆した。
昨年12月の候補選手強化合宿(愛媛県松山市)から最も成長した選手については「全体的に制球力が非常に高くなり、スライダーの制球力も高くなっていました」と曽谷龍平(白鷗大)の名を挙げた。
大会に向けては「目指すはもちろん優勝です。強敵相手ではありますが是が非でも勝って、久々の国際大会で(侍ジャパン全体を)勢いづけたいです」と力強く語った。
代表24選手は7月1日に集結。1日から5日までバッティングパレス相石スタジアムひらつかで直前合宿を実施し、2日にはENEOS、3日には東芝とオープン戦を行う予定となっている。
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選手コメント
菊地吏玖(専修大)
「四球を出してしまいましたが草部くん(草部真秀/亜細亜大)が盗塁を刺してくれましたし良くリードしてくれました。スライダーでしっかりカウントが取れて、伸びのあるストレートで空振りやファウルを取ることができました。(東都大学野球)2部リーグのチームにいても日の丸背負ってやれるんだぞというところを見せていきたいです」
蛭間拓哉(早稲田大)
「冬の合宿に続いてレベルの高い選手たちと練習してすごく刺激をもらえました。打撃で長打をもう少しアピールしたかったですね。日本代表は野球をやっている以上は憧れですし、高校の時(U-18代表)に続いて選ばれたいという気持ちで取り組んできました」
進藤勇也(上武大)
「代表合宿は初めてだったので緊張もあり納得のいく打撃ができませんでした。守備ではスローイング、キャッチング、リードでは持ち味を発揮できました。(初めて組む投手も多かったが)朝の時点で発表されるのでアップの時からコミュニケーションを取るようにしました。代表でも持ち味を発揮して全力でプレーします」