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初招集組に明暗分かれ日本通運に敗戦 石井章夫監督は「攻める姿勢」の重要性を説く

2022年6月27日

 6月27日、野球日本代表「侍ジャパン」社会人代表の代表候補合宿の2日目が行われた。今回は招集メンバーを2組3日間ずつに振り分け、東京開催は2日目を迎えた。この日は社会人野球の強豪・日本通運との練習試合を実施。代表活動として3年ぶりの実戦となったが5対6で敗れた。
※合宿通して新型コロナウイルス感染拡大予防のため一般非公開。

 先発のマウンドに上がったのは小島康明(きらやか銀行)。2019年のBFAアジア選手権にも出場した経験豊富な右腕は、キレのあるボールを生かした投球で3回を無失点に抑える貫禄の投球で試合を作った。
 打線は3回、木南了(日本通運)の安打から作ったチャンスで、初招集(※)の百目鬼浩太(信越硬式野球クラブ)がタイムリーを放って先制に成功。さらに3回には同じく初招集の平山快(JFE東日本)が右中間を破るタイムリーを放って追加点を挙げた。
※2019年のアジアウィンターリーグに参加したJABA選抜は除く

 さらに5回には、この3日間の合宿で主将を務める下川知弥(NTT東日本)のタイムリーと押し出しで2点を追加。6回には長澤壮徒(NTT東日本)がソロ本塁打を放った。投げても4回から登板した初招集の鈴木大貴(TDK)が3イニングを無失点に抑えるなど、中盤までは社会人代表が主導権を握った。

 風向きが変わったのは7回。この回からマウンドに上がった初招集の三宮舜(明治安田生命)が連打と四球で無死満塁のピンチを招くと、木下朗に満塁本塁打を浴びて1点差に迫られる。
 さらに8回からマウンドに上がった初招集の小孫竜二(鷺宮製作所)が先頭の北川利生にいきなり同点本塁打を被弾。その後はこの日最速となる152キロを計測したストレートやスライダーで三振を奪うなどするも、9回に再び先頭打者に長打を打たれ、添田真海に勝ち越しタイムリーを許した。
 打線も7回以降は得点を奪えず、久々の実戦を勝利で飾ることはできなかった。

 初招集の選手に明暗が分かれる形になったが、石井章夫監督は収穫とした。タイムリーを打った野手2人については「守備が良い百目鬼くんですが、チャンスで積極的に打ってくれましたし、平山くんも力のある打者ですね」と評価。投手陣については、アジア大会でライバルとなる韓国や台湾の振りの強い選手を想定した中で、攻め込む姿勢の大切さを説いた(詳細はコメントにて)。

 明日28日は東京開催最終日となるが石井監督は「個別に課題を出しているので、それを克服してもらうのがテーマ。明日もレベルアップをするための大事な時間にしていきたいです」と語った。

監督・選手コメント

石井章夫監督

「個別の課題があるので、それを意識しながら見ていました。みんなできていたと思います。鈴木くんは150キロを超えるボールもありますし、打たれようが何しようが攻め込んでいければ良い投手。小孫くんも打たれて分かることがある。かわす投手ではありませんのでストレートでねじ込んで欲しい。彼も攻め込んでいければ良いと期待しています。長澤くんはウィンターリーグで良い活躍をしていましたしブレない打者です」

百目鬼浩太(信越硬式野球クラブ)

「2019年のウィンターリーグは分からないことがたくさんでしたが、こうしてまた呼んでもらえて嬉しいです。その時に課題となった強いストレートに振り負けないことに取り組み成長できています。唯一のクラブチーム所属なのでそれでもできることを結果で証明していきたいです」

鈴木大貴(TDK)

「自分の思った球を投げることができました。ストレートとスライダーが持ち味。初のジャパンですし、市選抜すらありません。緊張しました。周りのレベルが高いので少しでも多くのものを掴んで秋田に帰ろうと思います」

小孫竜二(鷺宮製作所)

「先頭打者へのホームランや長打がもったいなかったです。中途半端に真ん中辺りに球が集まってしまいました。投手も野手もすごい人たちばかりなので刺激になっています。できる限り多くのことをこの合宿で吸収したいです」

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