7月30日、「第6回 WBSC U-12 ワールドカップ」(8月7日まで/台湾・台南市)のオープニングラウンドが行われ、初戦に臨んだ侍ジャパンU-12代表は、アメリカに6対21で敗れた。
ドミニカ共和国の入国遅れの関係で初戦が延期となった日本。一方、アメリカは前日にチェコを相手に24対0と圧勝しており、その差が如実に出た試合となった。
開幕投手を任された柏木春瑛(小平リトル)は、打ち取ったかに思われた打球が多かったものの、硬さのあった味方の失策などもあって、いきなり3点を失う。井端弘和監督は試合後、「上手く試合に入れれば勝てた試合。1試合やったアメリカに対して、緊張で普段の動きができませんでした」と悔しそうに振り返った。
2回と3回は、柏木が持ち前の気持ちの強さを見せる。得意のスライダーが冴えわたり、味方守備陣も華麗に併殺を奪うなどして流れを引き寄せる。すると3回裏、柏木が相手投手のスライダーを見事に拾い上げる2ラン本塁打で1点差に迫った。
しかし4回、柏木にアメリカ打線が対応し始め、この日絶好調だったアメリカ1番打者のJ.SAKENに2点タイムリーを浴びた。さらに柏木の後を継いだ小林亮博(東京中野リトル)の暴投などもあって勢いを止められず、この回は合計4点を失った。
それでも諦めない日本はその裏、主将である増井秀隼(瀬戸リトルシニア)のセンター前安打を皮切りに猛攻を仕掛ける。武田琉生(福岡中央リトル)の内野安打が相手失策も誘発すると、小林の犠牲フライで1点を返す。さらにその後、石川莉大(熊谷リトルシニア)、土屋惇登(東京城南ボーイズ)、柏木の3者連続タイムリーで4点を奪って再び1点差に迫った。だが同点には追いつけず反撃はここまでだった。
5回裏には先頭の周東希虎(東京城南ボーイズ)が安打で出塁するも増井の良い当たりは相手遊撃手の正面を突いて併殺。武田は四球で出塁するも盗塁失敗に終わった。
すると6回表にアメリカの強力打線が爆発。ミスも重なって一挙に14得点を奪われ、最終スコアとしては大敗となった。
この大敗を受けて、夕食後には選手たちのみのミーティングも行い改善点を話し合うとともに、全スタッフと全選手でもミーティングが行われ、次戦31日の韓国戦(日本時間15時半開始予定)に備えた。この悔しさを糧に、各カテゴリーでしのぎを削る日韓戦で、どのような戦いを見せるのか注目だ。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「最終回を前に1点差まで迫り、こちらのペースかと思ったところで、あれだけ点数を取られてしまい子どもたちに申し訳なかったです。このチームの特徴なのか、練習試合でも劣勢から追い上げることはできているので、あとは超えられるようにしないといけません。日本らしからぬエラーや見えないミスがたくさんありましたが、良いプレーも随所にあったので2戦目に期待したいです。落ち着いて試合に入り、先制点を取って有利に試合を運びたいです」
柏木春瑛(小平リトル)
「(ホームランについて)3失点した後の1回裏の打席でショートフライに倒れてしまい情けなかった。第2打席はチームに貢献できるようにと思いきってバットを振ったら入ったので嬉しいです。(投球を振り返って)初回に走者を出して焦ってしまいました。縦の変化球が打たれていなかったので多く投げたのですが、それがだんだんと合わされてしまいました。次は冷静に投げたいですし違う球種も使うなど工夫していきたいです」
増井秀隼(瀬戸リトルシニア)
「初戦の緊張もあって、自分もみんなも持ち味のプレーを出せず凡ミスやエラーがたくさん出てしまいました。声も出ていなくて惨敗してしまいました。監督・コーチにも言われたように、精神面で落ちてしまったところがあるので、初回から最後の回まで、どんな状況でもみんなで盛り上げて戦いたいです」
第6回 WBSC U-12 ワールドカップ
大会期間
2022年7月29日~8月7日
オープニングラウンド
7月30日(土)15:30 日本 6 - 21 アメリカ
7月31日(日)15:30 韓国 3 - 1 日本
8月1日(月)11:30 日本 15 - 0 チェコ
8月3日(水)15:30 ドミニカ共和国 5 - 2 日本
プレイスメントラウンド
8月4日(木)11:30 パナマ 0 - 5 日本
8月5日(金)15:30 日本 14 - 0 南アフリカ
8月6日(土)11:30 日本 - イタリア
決勝・3位決定戦
8月7日(日)
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、ベネズエラ、パナマ、イタリア、南アフリカ
グループB
日本、韓国、アメリカ、ドミニカ共和国、チェコ