9月2日、「第5回WBSC U-15ワールドカップ」(9月5日まで/メキシコ・エルモシージョ)のスーパーラウンドが行われ、侍ジャパンU-15代表はチャイニーズ・タイペイと対戦し4対6で今大会初の敗戦となった。
先発を託された坂本慎太郎(取手リトルシニア)は先頭打者に安打を打たれるが併殺で切り抜けると、その裏の日本は2死から四球と安打でチャンスを作るも後続が倒れ、ともにランナーを出しながらも無得点の立ち上がりでスタートした。
均衡を破ったのは日本。3回、藤田一波(取手リトルシニア)の安打と2つの敵失で満塁のチャンスを作ると、2死から矢野塁(高松庵治ヤングストーンズ)が追い込まれながらもショートへ内野安打を放ち、2者が生還し日本が2点を先制する。
先発の坂本は2回、3回と走者を背負うも落ち着いた投球を見せ無失点で切り抜け、得点をもらった直後の4回は三者凡退に抑えるなど4回3安打5奪三振の好投。力のあるストレートに加え緩い変化球も巧みに操り、常にストライク先行で優位に進めていった。
ところが5回から救援した柏崎陽斗(宇都宮ポニーベースボールクラブ)がチャイニーズ・タイペイ打線につかまる。1死から四球と連打で満塁のピンチを招くと、レフト前へ運ばれ同点に。さらに守備の乱れもあり二、三塁となり、続く打者の当たりがセンターへ抜け、この回4失点で試合をひっくり返されてしまう。
その裏の日本は四球と連打で1死満塁のチャンスを作り、土屋璃空(春日部ボーイズ)のタイムリーで1点を返したものの後続が打ち取られ同点には追いつけず。逆転へ向け流れを作りたい日本だったが、直後の6回には1死一、二塁から救援した高橋輝羽(東練馬リトルシニア)も安打と失策で追加点を許すなど、チャイニーズ・タイペイ打線の勢いを止められずさらにリードを広げられる。7回は先頭打者の打ち取った当たりが際どい判定の内野安打となるが、後続をきっちり抑えて最終回の攻撃へ託した。
3点を追いかける最終7回、先頭の金本貫汰(関メディベースボール学院ヤング)がチェンジアップを捉えライトオーバーの三塁打で出塁すると、土屋の犠牲フライで1点を返しこれで2点差に。しかし続く辻琉沙(滋賀野洲ボーイズ)も安打でつなぐが反撃はここまで。
この試合で与えた3四死球と2失策がすべて失点に結びつくなど要所でミスが出た一戦。チャイニーズ・タイペイと同じく10安打を放つも及ばず、4対6で敗れた。
初優勝に向け決勝進出を目指す日本はこの敗戦でスーパーラウンド2勝1敗となり、チャイニーズ・タイペイ、アメリカと並んで2位に。次戦は、3日11時半(日本時間)から、スーパーラウンド首位で5戦全勝中のキューバと対戦する。
監督・選手コメント
鹿取義隆監督
「(今大会初黒星は)先制して逆転されたパターンも初めてですが、1イニングで四球とエラーが出てしまうとこうなります。特にタイムリーエラーは今までもらっていましたが、今回は出してしまった。もう一度基本に帰らないといけないです」
坂本慎太郎(取手リトルシニア)
「初回は緩急が良くなかったのですが、2回、3回になって直球やカーブのコントロールがついていったのが一番良かったところです。初戦に投げたときにベストピッチングができていて、それを継続してできていたのは良かったですが、もう1イニング投げたいというのは心の中であったので、その部分では悔しいです」
土屋璃空(春日部ボーイズ)
「(坂本)慎太郎はカーブも直球もすべてが代表級なので、慎太郎が首を振ったら違うサインを出して、頷いたときには自信をもって腕を振らせるように心がけました。先制して4回が終わりグラウンド整備が入ったときに少し気が緩んで、"ダメ押し点が取れていないからいくぞ"という雰囲気が落ちそのまま(後半に)入ってしまった。2番手の柏崎の特徴、良さを引き出せなかった捕手の僕が敗因だと思います」
第5回 WBSC U-15 ワールドカップ
大会期間
2022年8月26日~9月4日
オープニングラウンド
8月28日(日)11:30 日本 4 - 0 パナマ
8月29日(月)11:30 日本 10 - 0 フランス
8月31日(水)11:30 コロンビア 4 - 7 日本
スーパーラウンド
9月1日(木)11:30 日本 12 - 6 アメリカ
9月2日(金)11:30 日本 4 - 6 チャイニーズ・タイペイ
9月3日(土)11:30 日本 0 - 7 キューバ
9月4日(日)7:00 日本 9 - 1 プエルトリコ
3位決定戦
9月5日(月)3:00 チャイニーズ・タイペイ 7 - 0 日本
開催地
メキシコ(エルモシージョ)
出場する国と地域
グループA
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、チェコ
グループB
パナマ、日本、コロンビア、フランス
グループC
アメリカ、南アフリカ、ベネズエラ、プエルトリコ、グアム