2022年9月3日、「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(9月9日からアメリカ・フロリダ州で開催)に出場する侍ジャパンU-18代表の国内合宿の7日目が行われた。この日は主力選手揃いの早稲田大と対戦し、0対5で敗れた。
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格上相手に投打で課題
この日は1番・浅野翔吾(高松商)、4番・内海優太(広陵)は不動だが、2番3番は赤堀颯と安田淳平の聖光学院コンビを並べた新打順で、東京六大学リーグ戦と変わらぬメンバーが揃う早稲田大に挑んだ。
1回表、浅野の凡退後、赤堀が相手失策で出塁するが盗塁を刺され、安田も凡退して3人で攻撃を終えた。
8月31日の壮行試合に続き先発のマウンドに上がった香西一希(九州国際大付)は、この日も立ち上がりが良くなく2四球を出すが、中堅手・安田の好捕などもあって無失点に抑える。2回も安打を許すが、内海がファーストゴロを冷静に処理して併殺を完成させ無失点で切り抜けた。
力強い投球を見せたのは3回から2番手としてマウンドに上がった宮原明弥(海星)だ。「強い相手なので自分のボールをしっかり投げようと思いました」と振り返ったように、力強いストレートとキレ味鋭い縦のスライダーやカットボール、ブレーキの効いたカーブで三者凡退に抑えた。馬淵史郎監督から「ボールが重たくて剛球というイメージですね。苦しいカウントでも変化球でストライクが取れる」と、先発に期待されている右腕が2回無失点に抑えた壮行試合に続き、1回無安打無失点と結果を残した。
だが4回から登板した森本哲星(市船橋)、6回から登板した川原嗣貴(大阪桐蔭)は四球からピンチを作って失点し計5失点。馬淵監督は6イニングで6四球が出たことに対して「厳しいところを攻めすぎている。もっとアバウトでもいい」と課題を挙げた。
打線は3回に2死から浅野と赤堀が連打を放つが安田が凡退するなど、7イニング中6イニングで走者を出すも早稲田大の主力投手陣に粘られ得点を挙げることはできず。無死一、二塁から始まる延長タイブレークの練習では海老根優大(大阪桐蔭)が2点タイムリーを放つが、その裏に生盛亜勇太(興南)が逆転3ランを浴びるなど、大学生の実力に力負けした。
打線について馬淵監督は「木製バットに慣れていませんね。それで練習してきたと言っても実戦では別。ワールドカップでもそう簡単には打てないと思いますが、得点圏に走者を溜めて低い打球を打つ意識を持つことが大事になります」と、格上と戦ったからこそ出た課題を今後に生かしていく必要性を説いた。
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変則左腕に期待
疲労の回復がおもわしくない古川翼選手(仙台育英)に代わって、追加招集された吉村優聖歩選手(明徳義塾)もこの日合流。登板こそ無かったが元気な姿を見せた。明徳義塾で指揮を執る馬淵監督は「教え子だから言うわけじゃなく、試合を作れると思います」と、トルネード投法の変則左腕に期待を寄せた。
国内最後の実戦を終えたU-18代表は明日9月4日に練習を行い、国内合宿を打ち上げ。5日に決戦の地・アメリカへ飛び立つ予定となっている。
選手コメント
宮原明弥(海星)
「持ち味はピンチになってもしっかり投げられることだと思うので、大会でも自分の投球をしてチームに流れを持ってきたいです。大学のトップレベルの選手でも、自分の投球をすれば通用するということが分かったので自信を持って投げたいです」
松尾汐恩(大阪桐蔭)
「(1安打と本塁打性の外野フライを打ち)木製バットに少しずつ手応えを感じているので、状態を上げてこられています。捕手としてはいろんなタイプの投手と組んで、今のうちに失敗して次に生かすことが大事だと思っています。日本の強みであるチーム力を上げて世界に挑みたいです」
山田陽翔(近江) 主将
「壮行試合の反省を生かせていない試合でした。ミスしたところをしっかり詰めていきたいです。馬淵監督の仰っている“1点を守り抜く野球”をするためにも自分が最後の1イニングをしっかり抑えていきたいです。チームの雰囲気がすごく良いので、劣勢になった時に束になって戦っていきたいです」
第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2022年9月9日~9月19日
オープニングラウンド
2022年9月10日(土)4:00 イタリア 0 - 6 日本
2022年9月11日(日)8:00 メキシコ 1 - 4 日本
2022年9月12日(月)8:00 日本 5 - 4 パナマ
2022年9月13日(火)8:00 日本 10 - 0 オーストラリア
2022年9月14日(水)8:00 日本 2 - 9 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
2022年9月16日(金)5:00 韓国 8 - 0 日本
2022年9月17日(土)5:00 日本 1 - 0 オランダ
2022年9月18日(日)22:30 アメリカ 4 - 3 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
3位決定戦
2022年9月19日(月)4:00 韓国 2 - 6 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、韓国、オランダ、カナダ、ブラジル、南アフリカ
グループB
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、オーストラリア、パナマ、イタリア