9月12日(日本時間13日)、アメリカ・フロリダ州で開催されている「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」のオープニングラウンドの第4戦が行われた。開幕3連勝と勢いに乗る侍ジャパンU-18代表は、前回大会(2019年)で敗れたオーストラリアと対戦したが、序盤から大量点を挙げて10対0の5回コールド勝ちを果たした。
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先発のマウンドに上がったのは、イタリアとの開幕戦で3回無失点に抑えた生盛亜勇太(興南)。初回に2安打を打たれるもののキレ味鋭いスライダーで空振り三振を奪いピンチを脱した。
すると打線はこの日も1番・浅野翔吾(高松商)が攻撃の起点となる。レフト前安打で出塁すると、続く黒田義信(九州国際大付)がバントに成功。ここで浅野が「三塁ベースが空いていたので」と、隙を突いて一気に三塁を狙うと、相手一塁手が悪送球をして1点の先制に成功する。
これで走者はいなくなったが松尾汐恩(大阪桐蔭)がライト前安打を打って、さらなる起点となる。この後2四球で満塁のチャンスを作ると押し出しと相手投手の暴投でさらに2点を追加し、初回から3点を奪った。
2回は生盛が2三振を含む三者凡退でリズムを作ると、連続四死球や相手失策で1点を奪う。さらにその後も松尾、内海優太(広陵)、渡部海(智辯和歌山)と3連打が飛び出し、伊藤櫂人(大阪桐蔭)の打球も相手失策を誘って追加点。さらに打者が一巡し、赤堀颯(聖光学院)と浅野が連続タイムリーを放って、この回一挙7得点で10対0とした。
この大量援護を受けて3回からは吉村優聖歩(明徳義塾)が今大会初登板。トルネード投法からサイドスローで投じる変則左腕が、2三振を奪うなど三者凡退で相手に流れを渡さず。4回と5回は川原嗣貴(大阪桐蔭)が力で押して無失点に抑え、5回10点差がついたため大会規定によりコールドゲームとなった。
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開幕4連勝の侍ジャパンU-18代表はこれでオープニングラウンド各組6カ国中3カ国が進むスーパーラウンド進出を決めた。次戦は13日(日本時間14日8時開始予定)に前回大会(2019年)優勝のチャイニーズ・タイペイと戦う。オープニングラウンド同組の対戦結果はスーパーラウンドに持ち越されるため、初優勝を目指す上でも最初の山場となる。
監督・選手コメント
馬淵史郎監督
「初回にラッキーな得点もあって楽な展開になりました。投手がしっかり仕事をしてくれました。打線も連打やタイムリーが出たのでモヤモヤとしたものが吹っ切れたと思います。吉村も調整が遅れていましたが、ようやく投げられる状態になったので、シート打撃のつもりで投げるよう送り出しました。チャイニーズ・タイペイは現有戦力でどこまでやれるか。今後の試金石になるような試合になればと思います」
松尾汐恩(大阪桐蔭)
「アメリカに来てからずっと良い状態でいられています。投手が投げるコースに関係なく逆方向に打ち返すということをテーマにしているので意識しています。木製バットなら逆方向への意識がより大切になってくると思います。良い投手が揃っているので、どう盛り立てていくかを大事にして、守備からリズムを作っていきたいです」
吉村優聖歩(明徳義塾)
「緊張は無かったのですが初球から思いきり行こうとマウンドに上がりました。点差が10点あったので楽に投げられました。久々に実戦で投げましたが、しっかり投げられると分かったので、起用に応える結果をこれから残していきたいです」
第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2022年9月9日~9月19日
オープニングラウンド
2022年9月10日(土)4:00 イタリア 0 - 6 日本
2022年9月11日(日)8:00 メキシコ 1 - 4 日本
2022年9月12日(月)8:00 日本 5 - 4 パナマ
2022年9月13日(火)8:00 日本 10 - 0 オーストラリア
2022年9月14日(水)8:00 日本 2 - 9 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
2022年9月16日(金)5:00 韓国 8 - 0 日本
2022年9月17日(土)5:00 日本 1 - 0 オランダ
2022年9月18日(日)22:30 アメリカ 4 - 3 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
3位決定戦
2022年9月19日(月)4:00 韓国 2 - 6 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、韓国、オランダ、カナダ、ブラジル、南アフリカ
グループB
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、オーストラリア、パナマ、イタリア