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侍ジャパン女子代表候補の強化合宿がスタート 混合チームとの初実戦で各選手がアピール

2022年10月19日

 10月19日、「第3回 BFA 女子野球アジアカップ」(開催地・期間未定)への出場に向けた、侍ジャパン女子代表候補合宿の2日目が行われた。前日18日に、代表候補26選手(体調不良により1名不参加)が開催地である広島県三次市に集合。第1日目はミーティングが主だったが、2日目の今回は攻守の練習を午前にこなした後、午後からは、女子硬式野球の企業チーム「はつかいちサンブレイズ」を中心とした混合チームとの練習試合を実施した。

 侍ジャパン女子代表は、2017年に第1回大会が開催されたアジアカップを連覇中。3連覇がかかる第3回大会に向けてのチーム強化だけでなく、メンバー選考を兼ねているのが、今回の合宿だ。招集された27名に対して、想定されているアジアカップのロースターは20名。その絞り込みの重要な材料となる。

 合宿の舞台は、女子野球で市町村をプロモーションし、地域活性化を目指す「女子野球タウン」に認定されている広島県三次市にある、みよし運動公園野球場。合宿2日目は、同球場の愛称「三次きんさいスタジアム」に盛り込まれた「来てください」を意味する広島方言の「きんさい」さながらに、三次市からの大歓迎でスタートした。

 広島の名門・広陵高校で、自身も白球を追った福岡誠志市長の歓迎の言葉に始まり、外野スタンドに現れた地元の園児たちからは「頑張って~!」とエールを送られた。
 声援を送った園児に、多くの選手が手を振り返すなど、和やかな雰囲気の中、午前中は投内連係、シートノックなどの守備練習、フリー打撃で汗を流した。

 昼食休憩を挟み、午後からは三次市と同じく広島県内の女子野球タウンである廿日市市を拠点に活動する「はつかいちサンブレイズ」に、日本代表候補の一部選手を交えた混合チームとの練習試合が行われた。

 混合チームの先発は、代表経験を持つ磯崎由加里。代表候補チームは、その磯崎から失策と安打で一死二、三塁のチャンスを作り、川端友紀(九州ハニーズ)が「長打がいらない場面だったので、野球の間を抜くような強い打球を」と放った中前打で先制した。

 5回には、相手のバッテリーミスで追加点を奪うと、一死二、三塁から中江映利加(阪神タイガースWomen)が敢行したスクイズで、三走だけでなく、二走の三浦伊織(阪神タイガースWomen)も生還。中島梨紗監督が、前日のミーティングで説いた小技を効果的に絡めた攻撃で相手を翻ろうした。
 さらに6回にも、守備から途中出場の小島也弥(九州ハニーズ)の左中間二塁打などで2点を追加。守っては、先発の小野寺佳奈(エイジェック)から、最終イニングを任された田中露朝(ZENKO BEAMS)まで、計5投手で無失点リレーを完成させた。

 今回の実戦では、混合チーム側でも、代表候補の投手が登板した。混合の5番手として登板した柏崎咲和(大阪体育大)は、「自分の持っている力を全部出そう」の意気込みを胸に、緩いカーブで真っすぐを速く見せるコンビネーションを披露。無失点投球を見せた招集選手最年少の18歳は、「侍ジャパンの皆さんに投げるということだったので、すごく緊張しました。けど、その緊張感も楽しもうと思って投げました」と顔をほころばせた。

 試合後は、追加でバント練習を実施。中島監督が「少ないチャンスを如何にものにするかがカギになってくると思う」と語る、国際大会での戦い方を再確認した。

 2日目を終え、印象に残った選手を問われた指揮官は「川端、三浦、投手で言えば里(綾実/埼玉西武ライオンズ・レディース)。勝負、大事なポイントを知っている」と回答。ベテランへの信頼感だけでなく、「まだぎこちなさがある。どんどんアピールしていってほしい」と語る若手選手の発奮への期待が滲む一言だった。

 20日は、合宿最終日である3日目が、同じくみよし運動公園野球場で行われる。

監督・選手コメント

中島梨紗監督

「初めての実戦だったので、色んなことを試しながら戦いました。その中で課題が出てきたので、それもいいところだと思います。課題は送りバントを決めるなど、走塁ミスをなくすこと。連打で点を取れると思っていないので、少ないチャンスを如何にものにするかがカギになってくると思うので、細かい部分を詰めていきたいと思います。各チームで主力の選手が集まっていて、自分たちのチームではチャンスで打ちにいく場面が多いと思うのですが、ここでは全員がバントもできるように、と前日のミーティングで話していた中での実戦でした。明日も課題をひとつひとつクリアしていきたいと思います」

川端友紀(九州ハニーズ)

「(先制適時打は)前回の選考合宿で、ファーストストライクから積極的にいこうという話があったので、甘いファーストストライクを狙っていました。(合宿地の三次市は)初めて球場を見た時からキレイだなとワクワクしましたし、この環境で練習できることに喜びを感じています。(最終的な代表選出に向けて)個々の争いはありますが、チームファーストでやろうという意識が浸透していて、いい雰囲気で練習、実戦ができています」

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