2月25日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で『カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎』が行われ、侍ジャパンはソフトバンクと対戦。チケットは完売で26,212人の観客が集まった中で行われた2023年の初陣は佐々木朗希(ロッテ)や岡本和真(巨人)の活躍によって、8対4で勝利を飾った。
先発を任された佐々木は、初球でいきなり161キロのストレートを投じるが牧原大成に二塁内野安打とされた。それでも牧原が試みた盗塁を甲斐拓也(ソフトバンク)が素早い送球で刺した。すると佐々木は「甲斐さんに助けられて立て直すことができました」と、その後は最速162キロを計測するなど3三振を奪い2回1安打無失点で抑えた。
さらに3回からマウンドに上がった2番手の今永昇太(DeNA)も二者連続三振で快調な立ち上がりを見せるなど2回で1人の走者も出さず。これで打線に良い流れがもたらされた。
4回裏、侍ジャパンはこの回から登板した椎野新に対して、先頭の山川穂高(西武)が四球を選ぶと、村上宗隆(ヤクルト)は三振に倒れたものの、近藤健介(ソフトバンク)がセンター前安打で繋ぎ、甲斐が四球を選んで満塁に。ここで打席に立った岡本は「素直にバットが出ました」と右中間を破る二塁打を放ち二者が生還。さらに相手失策もあって一気に3点が入り岡本は三塁まで進んだ。続く周東佑京(ソフトバンク)の内野ゴロの間に岡本が好スタートを切って生還し、さらに1点を加えた。
5回表、3番手として登板した伊藤大海(日本ハム)は投じた球全てがストライクという出色の出来で見逃し三振2個を含む三者凡退に抑えた。
その裏には四球から作ったチャンスで、近藤と岡本がこの回途中に登板した尾形崇斗からライト前にタイムリーを放って追加点。岡本はこの日3打点の大活躍だった。
課題が出たのは6回表。この回からマウンドに上がった宮城大弥(オリックス)は先頭打者に四球を与えると、この回から三塁手に入った周東、遊撃手に入った中野拓夢(阪神)が続けて失策をして1点を返されると、その後も宮城は2本のタイムリーを浴びるなど、この回4失点。宮城は7回表にもピンチを招くが、ここは宇田川優希(オリックス)が登板し力強いストレートで空振り三振に抑えてピンチを脱した。
7回裏には2死から周東が二塁打で出塁すると相手の失策や中野のタイムリーで4点差に広げた。8回はイニングをまたいだ宇田川が併殺を奪うなど3人で抑えると、9回は宮崎県出身の戸郷翔征(巨人)が走者を2人出しながらも締めて試合終了。
さらに試合後に『カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 東京プール』(3月9日に東京ドームで開幕)を想定して延長タイブレーク(無死二塁から開始)を1イニング実施。髙橋宏斗(中日)はタイムリーで1点を失うも、最後は空振り三振を奪うなどこの1点だけに留めた。
そして、その裏に侍ジャパンはサポートメンバーの松原聖弥(巨人)が犠打を決めると中野が再びタイムリーを放って追いついた。
課題が出ながらも勝ち切り、タイブレークでは粘り強く同点に追いついた侍ジャパン。26日は山本由伸(オリックス)が先発しソフトバンクと戦う(14時開始/チケット完売)。また、試合前の練習ではダルビッシュ有(パドレス)がライブBP(実戦形式の投球練習)に登板することが予定されている。
監督・選手コメント
栗山英樹監督
「試合をやるといろんなものが見えてきますね。選手たちの状態やサインを出した時の反応など、どうやったら選手が動きやすいかを考えていました。投手陣はみんなボールが良いですね。心配いらないなと思いました。(6回の守備について)上手くいかないこともあるし、いきなり出て固くなることもある。何も無くスーッと終わるよりよっぽど良かったですね。その中で勝ち切ることや取り返すことが大事なので。タイブレークもいろんな考え方がありましたし、(髙橋)宏斗も素晴らしいボールを投げていました。1日1日課題を潰して全力でやっていきます」
佐々木朗希(ロッテ)
「良い形でスタートできるようにと投げました。ストレートの走りは良かったかなと思います。この形を継続していきたいです。変化球も去年の強化試合の時より投げられていました。ブルペンではあまり良くなかったのですが試合では良かったです。スライダーは1つ間違うと一番危ない球種なので丁寧に投げていきたいです。空振りとカウントをしっかり取れるようにしていきたいです」
岡本和真(巨人)
「初の実戦で緊張もありましたがチャンスで回ってきたので最低限なんとかしようと打席に立ちました。変化球でしたけど、この時期にしては良い当たりで打てました。本番まで実戦が多くないので1打席1打席を大切にしていきたいです。(本塁に生還した走塁について)今日はあれが一番良かったです。とても大きな1点だと思いますし打者に打点も付きますから」
今永昇太(DeNA)
「大会中も今回のような起用法が考えられるので、肩や自分の気持ちの作り方に気をつけました。自分のパフォーマンスが発揮できるような準備ができたと思います」
伊藤大海(日本ハム)
「良い緊張感の中投げる事ができました。調整ではなく、試合のゾーンに入って投げられました。思ったよりボールも操れましたし、甲斐さんがテンポ良く引き出してくれました」
宇田川優希(オリックス)
「回の途中からの登板でしたが自分のピッチングができて良かったです。緊張はすごくしましたが、マウンドに立ったらいつも通り冷静に投げることができました」
戸郷翔征(巨人)
「久しぶりの中継ぎだったので調整が難しかったですが、しっかり投げることができて、良かったです。地元宮崎での試合ということで、グラウンドに出た時の拍手と歓声が、とても嬉しかったです」
中野拓夢(阪神)
「(7回のタイムリーについて)エラーをしてしまった後だったので、取り返そうという気持ちで打席に立ちました。追加点が取れて良かったです」
2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™
試合日程
カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 強化試合
2023年3月6日(月) 18:00 阪神タイガース 1 - 8 日本
2023年3月7日(火) 19:00 日本 9 - 1 オリックス・バファローズ
カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 1次ラウンド 東京プール
2023年3月9日(木) 19:00 日本 8 - 1 中国
2023年3月10日(金) 19:00 日本 13 - 4 韓国
2023年3月11日(土) 19:00 日本 10 - 2 チェコ共和国
2023年3月12日(日) 19:00 オーストラリア 1 - 7 日本
カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 準々決勝ラウンド 東京プール
2023年3月16日(木) 19:00 日本 9 - 3 イタリア
準決勝
2023年3月21日(火) 8:00 日本 6 - 5 メキシコ
決勝
2023年3月22日(水) 8:00 日本 3 - 2 アメリカ
開催球場
台中インターコンチネンタル野球場、東京ドーム、チェイス・フィールド、ローンデポ・パーク
強化試合:京セラドーム大阪、ひなたサンマリンスタジアム宮崎、アイビースタジアム
出場チーム
プールA
チャイニーズ・タイペイ、オランダ、キューバ、イタリア、パナマ
プールB
日本、韓国、オーストラリア、中国、チェコ共和国
プールC
アメリカ、メキシコ、コロンビア、カナダ、イギリス
プールD
プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国、イスラエル、ニカラグア
カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎
試合日程
2023年2月25日(土) 13:30 侍ジャパン 8 - 4 福岡ソフトバンクホークス
2023年2月26日(日) 14:00 福岡ソフトバンクホークス 2 - 4 侍ジャパン
開催球場
ひなたサンマリンスタジアム宮崎
出場チーム
侍ジャパン、福岡ソフトバンクホークス