4月5日、今秋開催予定の第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップに向けたU18日本代表候補選手強化合宿の2日目が行われた。
この日はワールドカップと同じ7イニング制での紅白戦が午前と午後で2試合行われた。投手はコンディション不良者と公式戦との重複のため途中参加となった坂井陽翔(滝川二)を除く12投手が登板。前日にブルペンを視察した馬淵史郎監督が「予想以上に良いですね。素晴らしいの一言」と称賛したように多くの投手が持ち味を発揮した。
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まず午前中の紅白戦では武田陸玖(山形中央)と髙橋煌稀(仙台育英)が先発。前日に投打で馬淵監督からその素質を称賛された武田は、いきなり真鍋慧(広陵)にライト前安打を打たれるなど2回3安打という内容だったが、牽制でアウトを2つ奪うなど野球センスを見せて無失点に抑えた。一方、髙橋煌稀は力強いストレートを軸に各打者を抑えていき3回を無安打無四球に抑え実力を遺憾無く発揮した。
午後の紅白戦では、ともにドラフト上位候補に挙がる東松快征(享栄)と前田悠伍(大阪桐蔭)の両左腕が先発のマウンドに上がった。そこで東松は178センチ89キロのどっしりとした体格から150キロに迫る力強いストレートを軸に押していき、3回に2失点こそしたものの3三振を奪った。一方、前田はしなやかなフォームからキレの良いストレートと変化球を投げ込み3回1安打無失点4奪三振と、レベルの高い競演となった。
打線も負けてはいない。高中一樹(聖光学院)が東松から左中間へ二塁打を放つなど6打数4安打。またセンバツ甲子園優勝に貢献した髙橋海翔(山梨学院)も5打数4安打と存在感を見せ、守備でも自校では一塁手だが三塁手として力強い送球を見せた。
さらに左の大型スラッガーとしても期待される佐倉侠史朗(九州国際大付)が広角に3安打を放つ器用さも見せ、多田羅浩大(智弁和歌山)が随所で俊足ぶりを見せるなど、実りの多い紅白戦となった。
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馬淵監督は紅白戦を終え「2イニングか3イニングでは調子の良い投手はなかなか打てませんね」と振り返り、大会本番でも昨年ワールドカップ同様に短いイニングで繋いでいく意向を示した。この紅白戦の結果だけでは選考に影響しないことを強調した上で、印象に残った投手を問われると髙橋煌稀や前田の完成度の高さや東松の球威の強さを挙げた。
野手陣については足の速い選手が多く天然芝で行われる大会では有利に働くことを期待。打撃では木製バットのみならず「まだ本当に速い球は打てていないですね」と、速球への対応力向上を求めていくという。
3日目となる4月6日は午前中に練習を行い、合宿を打ち上げる予定となっている。
選手コメント
東松快征(享栄)
「今まで頑張って自信を持てるように取り組んできたストレートをアピールでき自信になりました。(登板後は前田と会話を交わし)甲子園で勝っている投手なので、変化球を投げる時のリリースや腕の振りなどの助言をしてもらいました。ライバルでもありますが吸収できることは吸収して高め合っていきたいです」
髙橋海翔(山梨学院)
「木製バットは甲子園後に2日くらい練習で使っただけです。全然飛ばないですね。(それでも4安打できた要因について)良い投手はなかなか打てないので狙い球をしっかり絞って打ちました。(代表入りやワールドカップについて)誰もが出られる大会ではないので選ばれたいです」