6月19日、侍ジャパン大学代表選考合宿の最終日が神奈川県平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで行われた。この日も天候に恵まれ6イニング制の紅白戦が実施され合宿は打ち上げ。その後に行われた選考会議を経て「第44回 日米大学野球選手権大会」(日本時間7月8日から13日)に出場する代表26人が発表された。
午前中に行われた紅白戦では、最後のアピールをしようと持ち味を発揮する選手たちが多く見られた。投手では岩井俊介(名城大)が2イニングを投げて内野安打2本こそ打たれたものの、伸びのあるストレートとキレの良い変化球で3三振を奪った。
野手では辻本倫太郎(仙台大)と飯山志夢(立正大)が二者連続本塁打。特に辻本は前日の3安打に続く活躍で「昨年に比べてパワーアップできています」と手応えを明かした。
そして、練習が終わると選考会議が行われ、代表選手26名が決定。記者会見が行われ大久保哲也監督が選考の意図などを語った。
まず、選考に重視した点を問われると、投手では制球力と縦の変化球を軸に球威なども鑑みて常廣羽也斗(青山学院大)、村田賢一(明治大)、細野晴希(東洋大)ら11投手を選出。捕手は「まずは守備。その次に打撃を考慮して選びました」と進藤勇也(上武大)、宮崎恭輔(慶應義塾大)、有馬諒(関西大)を選出。投手と捕手は全員が4年生となった。内・外野手はミート力や外角への対応力に加えて機動力を考慮し12選手を選出。主将に任命された中島大輔(青山学院大)をはじめ、青山学院大勢が26名中5名も選出され、今春の大学日本一を果たした勢いと実力の高さがあらためて証明された。
過去43回の日米大学野球選手権大会で日本は19回優勝しているが、アメリカ開催で優勝を果たしたのは斎藤佑樹(元日本ハム※第3戦で勝利投手)や村松伸哉(現帝京平成大コーチ※最高殊勲選手)の両1年生を擁した2007年の第36回大会のみ。
MLB予備軍とも言える相手にアウェーで勝ち越すことはそれだけ高い壁ではあるが、大久保監督は「なんとか2回目の優勝をしたい」と意気込み、鍵については野手の選出条件にもなった外角への対応や機動力を挙げた。
この後、代表26選手は6月29日から7月3日までバッティングパレス相石スタジアムひらつかで直前合宿を実施。練習や、7月1日のENEOS戦(12時試合開始予定)、2日の東芝戦(11時試合開始)といった社会人強豪との練習試合を行う中で、チーム力を高めていく。
選手コメント
辻本倫太郎(仙台大)
「(パワーアップの要因について)体を絞って筋肉量を増やしたのでキレや瞬発力が上がりました。足も速くしようと取り組んできたので50m走の測定も去年より0.4秒速くなることができました。大学米国代表には昨年のハーレムベースボールウィークでも対戦し1勝1敗でしたが、1敗は3位決定戦で悔しい思いをしたので、その気持ちをぶつけたいです」
天井一輝(亜細亜大)
「代表合宿は初めてで、最初は通用するかどうか緊張しましたが、同じリーグの選手と様々な話もできて楽しめました。(前日の紅白戦ではチームトップタイの3安打)持ち味は足と守備で打撃は苦手なのですが、積極的に甘い球を打ちにいった結果です。直前合宿でも持ち味を生かしてアピールしていきます」
武内夏暉(國學院大)
「今日はストレートと(縦の変化球である)ツーシームをメインに投げて、それは良く投げられました。ただ宗山選手にタイムリーを打たれた1球は失投です。今回の合宿では投手それぞれの調整法を聞けて勉強になりました。日米大学野球選手権大会ではチームが勝つための投球、打撃にもリズムが与えられるような投球をしたいです」
坂本達也(富士大)
「持ち味である守備と肩でアピールできました。(代表選出はならなかったものの)いろんなことを学ぶことができましたし、良い投手からも打つことができたので、自チームのレベルアップに役立てていきたいです」
飯山志夢(立正大)
「自分としてのアピールはできましたが、盗塁失敗や2三振は課題です。(代表選出はならなかったものの)レベルの高い投手とばかり対戦できたので、今回の打席での意識の持ち方などは今後に生かしていきたいです」