7月25日、「第7回 WBSC U-12 ワールドカップ」(7月28日から台湾・台南市)に出場する侍ジャパンU-12代表の直前合宿3日目が千葉県のNTT東日本船橋グラウンドで行われた。







直前合宿最終日となったこの日は前日に続いて10イニング制の練習試合を実施した。対戦相手は昨夏のジャイアンツカップ(全日本中学野球選手権大会)準優勝の強豪・京葉ボーイズの1年生チーム。前日の練習試合後に井端弘和監督から「ワールドカップの初戦や決勝戦のように戦おう」と、選手たちは檄を飛ばされていただけに試合は序盤から動いた。
1回表、先頭の舩山大翔(東名古屋ボーイズ)がセンター前安打で出塁すると、すかさず盗塁を決める。2番の富田歩(大和ボーイズ)もセンター前安打を放ってチャンスを広げた。ここで前日に先制タイムリーを放った鈴木瑛人(秋川リトルリーグ)がセンターへの犠牲フライを放って、この日も先制に成功した。その後も得点にこそ繋がらなかったが前日に無安打だった4番の駒勇佑(湖南ビッグボーイズ)に左中間を破る二塁打が飛び出すなど幸先の良い出だしとなった。
1回裏に2点を奪われ逆転を許すも、2回表には舩山がライトの規定エリアを越える2ラン本塁打を放ってすぐさま逆転に成功。舩山は「詰まってしまいましたが、意外と飛びました」と笑顔。この日3安打を放つなど好調で、井端弘和監督も「打線に勢いを与えてくれている」と評価。舩山は大会に向けて「自分のスイングをこれからも心がけていきたいです」と抱負を語った。
打線は4回にもチャンスを生かす。富田の死球、鈴木瑛人のセンター前安打でチャンスを作ると駒の犠牲フライ、和田健吾のタイムリーでこの回も2点を挙げた。この日3安打の和田は、前日には投手として力強いストレートと変化球の緩急を生かした投球で好投しており、この日は一塁守備で華麗に併殺を決めるなど攻守で中心的存在になっていくことが期待される。
しかし5回以降は無得点と打線が走者を出しながらもチャンスを逃すと、5回裏に失策で1点を失い、7回には逆転弾も浴び4点を失うなど終盤にかけて打ち込まれ5対11で敗れた。また、10回に行われた延長タイブレーク(無死一、二塁)を想定した練習では、表の攻撃で無得点に終わると、裏の相手攻撃でサヨナラ打を浴びた。







試合後は昼食を挟み、指名選手は特打、他の選手はバント練習を行い、直前合宿を打ち上げた。3日間の合宿を終え、井端監督は「選手18人の起用法のイメージが分かって良かったと思います」と話し、「今日は試合の入りが良かったですね」と序盤の戦いについては選手たちを称えた。
一方で6回・7回と安打と盗塁で作った無死二塁のチャンスを生かせなかったことは反省材料とし「バントのサインは極力出したくはありませんが、走者を進める攻撃をして追加点を挙げることを考えていかないといけません」と課題を挙げた。
投手陣については「四球もありましたが、打者としっかり勝負できていましたし、どうやったら抑えられる、打たれるというのを自覚して、登板初回に打たれた投手が2イニング目はしっかり抑えていました」と修正力と対応力に対して一定の評価をした。
猛暑の中ではあったが3日間通して晴天に恵まれ充実の練習を行うことができた。28日正午(日本時間)から行われるメキシコとの開幕戦に向けて、26日に台湾・台南市に移動。27日に公式練習を行い、チーム状態を上げていく予定となっている。
選手コメント
水野蒼介(武蔵府中リトルシニア)
「(この日唯一の無失点)2イニングと決まった中で自分の投球ができました。走者を出してしまいましたが、結果としてゼロに抑えることができましたし、良い調整ができました。(大会に向けて)打たせて取る投球で、無失点で抑えていきたいです。アメリカとも対戦したいですし、代表に選ばれたからには優勝して金メダルを持って帰ってきたいです」
富田歩(大和ボーイズ)
「(好守が光るが)しっかりアウトを取ることを意識しています。内野はどこでもできます。(打撃でも2安打)今日初安打が出てホッとしました。(大会に向けて)打撃では低いライナーを打つことを意識して、守備では失策無くプレーしたいです。チームワークが良く、明るいチームだと思うので世界一を獲りたいです」
第7回 WBSC U-12 ワールドカップ
大会期間
2023年7月28日~8月6日
オープニングラウンド
7月28日(金)12:00 日本 (雨天延期) メキシコ
7月29日(土)19:30 チャイニーズ・タイペイ 3 - 2 日本
7月30日(日)19:30 日本 16 - 0 ドイツ
7月31日(月)15:30 ベネズエラ 7 - 1 日本
8月1日(火)12:00 日本 15 - 0 オーストラリア
8月2日(水)12:00 日本 12 - 6 メキシコ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
8月3日(木)12:00 日本 7 - 4 韓国
8月4日(金)12:00 アメリカ 0 - 7 日本
8月5日(土)12:00 ドミニカ共和国 1 - 13 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
3位決定戦
8月6日(日)15:30 日本 8 - 9 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
日本、メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、ドミニカ共和国、パナマ、チェコ、ニュージーランド