8月16日、第19回 アジア競技大会(野球競技は10月1日から7日/中国・杭州)に出場する侍ジャパン社会人代表の国内強化合宿2日目が、鹿児島県鹿児島市の平和リース球場で行われた。
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2日目の練習は16時より練習試合を控えていることもあり、1班が8時から約45分、2班が1班終了後から約45分と時間差で行われた。それぞれが選手やスタッフとコミュニケーションを密に取りながら、野手は捕球・送球、ティー打撃、フリー打撃などで汗を流し、投手はブルペンでの投球練習やトレーニングなどで調整に励んだ。
昼食後の13時からは場所を鴨池ドームに移し、野球教室が開催された。講師は石井章夫監督、内川義久ヘッドコーチ、北村祥治(トヨタ自動車)、中村迅(NTT東日本)、猪原隆雅(ミキハウス)、南木寿也(JR北海道硬式野球クラブ)、木南了(日本通運)、森田駿哉(Honda鈴鹿)の8名とそのほかスタッフが務めた。
約85名の野球少年・少女たちが選手たちと練習できることに心躍らせながら、キャッチボール、守備練習、打撃練習などを行った。1時間30分と限られた時間の中でも選手たちへ積極的に質問に行くなど、憧れの選手たちとの夢のようで貴重な時間を過ごした。そんな子供たちに石井監督は「自分の才能に気付いてほしい」と無限の可能性について言及。南木は「純粋に野球を楽しんでいる姿に、僕たちもパワーをもらえたのでアジア大会で金メダルを獲れるようにもっと頑張っていきます」と意気込んだ。
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
16時からはHonda熊本との練習試合が行われた。このチームで初めての実戦は、17安打17得点と打線が大暴れした侍ジャパン社会人代表が17対2で大勝した。
3回裏、鈴木聖歩(JR東日本東北)のスライディングキャッチが飛び出し、守備から流れを作ると、4回表に佐藤竜彦(Honda)が逆方向のライトへ先制ホームラン。石井監督から「バットを短く持ってみたらどうだ」と提案されたといい「良い感覚で打てました」と笑顔を見せた。
この本塁打を皮切りに打線は繋がりを見せ、この回打者一巡で一挙7得点。続く5回も打者一巡し5点を追加。その後も毎回得点を重ねて17点を奪った。
投げては先発の堀誠(NTT東日本)が、打者の手元で伸びる140キロ中盤の直球と多彩な変化球を自在に操り相手打者を翻弄。3回を3安打無失点に抑える好投を見せた。続いて登板した加藤三範(ENEOS)は犠牲フライで1点を失うも、その後は粘りのピッチングで3回を6安打1失点。7回から登板した渕上佳輝(トヨタ自動車)は最終回に連打を浴び1点を失うも、最後はレフトフライに打ち取って試合を締めた。
試合後、守ってはスライディングキャッチ、打っては3安打の活躍を見せた鈴木は「今日は自分のスイングをすることだけを意識して臨んで結果に繋がったので、良い収穫になったなと感じます」と手応え十分だ。また、石井監督は「攻撃面をテーマにして戦っているので、(選手たちは)自分の打席を大事にして集中力を高く持って攻撃をすることができていました。それが結果としてもついてきて良かったなと思います」と満足気だった。
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
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
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アジア競技大会金メダルに向けて幸先の良い初実戦を終えた侍ジャパン社会人代表。17日は午前中から練習を始め、11時から西部ガスと練習試合を行う予定となっている。
監督・選手コメント
石井章夫監督
「今回のビッグイニングには、長打、本塁打という部分がありました。国際大会では本塁打が試合を動かしますから、そういった意味では佐藤の一発をきっかけにみんなが攻撃態勢になってくれたので良かったです。投手には、かわすというよりも攻め込んでいこうと伝えていました。その中で打者に対して勝負に行っていたので、失点はありましたが良かったと思います」
堀誠(NTT東日本)
「今日は甲元訓コーチから“先発の入りを体感してくれるだけでいいから”という話をされていたので、そんなに気負わず試合に入ることができました。(アジア競技大会に向けては)前回大会、韓国やチャイニーズ・タイペイのレベルの高さを感じたので、同じミスをせず、次はしっかりと同じ土俵で戦えるように頑張っていきたいです」
第19回 アジア競技大会
大会期間
2023年10月1日~10月7日
セカンドステージ(グループA)
10月1日(日)13:00 フィリピン 0 - 6 日本
10月2日(月)19:30 日本 18 - 0 ラオス
10月3日(火)19:30 日本 0 - 1 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
10月5日(木)13:00 韓国 2 - 0 日本
10月6日(金)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
3位決定戦
10月7日(土)13:00 中国 3 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
開催地
中国(杭州)
出場する国と地域
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、中国、フィリピン、
香港、タイ、シンガポール、ラオス