8月18日、第19回 アジア競技大会(野球競技は10月1日から7日/中国・杭州)に出場する侍ジャパン社会人代表の国内強化合宿4日目が、鹿児島県鹿児島市の平和リース球場で行われた。
最終日となったこの日は、まずホテルでミーティングを実施し映像を用いてアジア競技大会に向けた課題追及が行われた。その後、9時半過ぎから練習を開始。「攻撃の部分について大きなテーマがあります」と石井章夫監督が語るように、野手は、ティー打撃、トス打撃、フリー打撃など、打撃中心に自身の課題解決に向け取り組んだ。投手陣は、最年長の佐竹功年(トヨタ自動車)ら実戦に登板していない選手がブルペンで投球し、実戦に登板した選手は石井監督と意見交換しながら調整に励むなど、それぞれがアジア競技大会に向け調子を上げていくための充実した2時間を過ごした。
この日の練習でも、石井監督、内川義久ヘッドコーチらスタッフが打撃投手を自ら引き受け、選手の課題に二人三脚で向き合う姿が印象的だった。また、練習中は常に積極的なコミュニケーションが図られ、打撃の際のスタンスやバットの握る位置について意見を交わすなど、各選手が新しいことを学ぼうとする姿勢が4日間通じて多く見受けられた。長年侍ジャパン社会人代表でプレーしている北村祥治(トヨタ自動車)は「何かを学ぼうとする姿勢や、少しでも自分のスキルアップをしてやろうという向上心が代表選手は強いなと感じます」としたうえで、今年の選ばれているメンバーに関しては「より一層貪欲です」と感心した表情を見せた。
この日で国内合宿は打ち上げ、各選手は一旦自チームに戻る。そして、今後のスケジュールは、9月25日から27日まで国内直前合宿を行い、10月の「第19回アジア競技大会」が行われる中国・杭州へ乗り込む。
4年に1度行われるアジア競技大会。前回大会では韓国に敗れ銀メダルに終わるなど、1994年の第12回大会以来、金メダルから遠ざかっているが、石井監督は「充実した鹿児島合宿になったと思います。(大会では)150キロを超えるピッチャーを打たなければいけないので、その点についてはまだ課題として残っているかなと思いますが、この1カ月で成長してくれることを信じたいです」と選手に期待を寄せた。頂だけを見据え、今合宿で出た課題に向き合いレベルアップを模索し続けた先で、侍ジャパン社会人代表はどんな景色に出逢うのだろうか。期待は膨らむばかりだ。
選手コメント
佐竹功年(トヨタ自動車)
「試合を2試合してみて、各々が良し悪しはあったと思いますが、持ち味を出せたと思いますし、1番は普段組まないキャッチャーと組んでゲームができたということが良かったです。フィジカル、メンタル、技術の中だと、僕はフィジカルのところで伸びしろがあると思っているので、鍛えなおしていきたいです。(大会に向けては)僕自身3回目のアジア大会で、金メダル獲りたいですし、そこしか見ていないです」
南木寿也(JR北海道硬式野球クラブ)
「打撃の状態はだんだん上がってきていて、あとはアピールしていくしかないので、チャレンジする気持ちで頑張っていきたいと思います。(自身のテーマについては)常に強気で行くというのはテーマにしていて、まだまだ出せていないのでしっかりゲームに入り込んで、強気な、ポジティブな自分を見せられるようにしていきたいです。(大会に向けては)これから自チームに戻って、もう一度自分を見つめなおしてもっともっとレベルアップして、1カ月後中国でアジア一になれるように頑張っていきたいと思います」
北村祥治(トヨタ自動車)
「昨日選手会を開かせていただいて、いろんな選手と話すことができたのが1番良かったです。プレー自体はグラウンドで見ればある程度は分かるんですが、その人の考えていることや、やりたいことは分からないので、そういったことを話せたというのは良かったです。みんな大人なので、そういったコミュニケーションを取ることが、チームの方向性を揃えていくという1番のポイントです。それは直前合宿でも意識していきたいです。(大会に向けては)自分自身としてはしっかりレフト方向に強い打球を打てる技術をつけて、中国に乗り込みたいと思います」
第19回 アジア競技大会
大会期間
2023年10月1日~10月7日
セカンドステージ(グループA)
10月1日(日)13:00 フィリピン 0 - 6 日本
10月2日(月)19:30 日本 18 - 0 ラオス
10月3日(火)19:30 日本 0 - 1 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
10月5日(木)13:00 韓国 2 - 0 日本
10月6日(金)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
3位決定戦
10月7日(土)13:00 中国 3 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
開催地
中国(杭州)
出場する国と地域
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、中国、フィリピン、
香港、タイ、シンガポール、ラオス