9月5日、「第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(9月10日まで)のオープニングラウンド最終戦となる第5戦が台湾の天母野球場で行われ、侍ジャパンU-18代表はオランダと対戦し0対1の完封負け。今大会初黒星を喫した。
スーパーラウンド進出は前日に決めたが、オープニングラウンド同組との対戦成績は持ち越されるため、既に進出を決めているオランダとの対戦は「実質スーパーラウンド初戦」とも捉えられたが、オランダの投手陣に抑え込まれた。
オランダの先発ヘイス・ファンデンブリンクは、既にカンザスシティ・ロイヤルズとの契約を結んでいる身長201センチの大型左腕で、ストレートは140キロ前後ながら見慣れない角度やムービングボール、チェンジアップに侍ジャパンU-18代表は苦戦し凡打の山を築く。
すると3回、前のイニングまで1人の走者も許していなかった髙橋煌稀(仙台育英)が先頭打者に安打を打たれると、その後内野安打もあり、1死一、二塁のピンチを招く。ここで相手1番打者のミクウィル・ウィレムの当たりはレフト前に落ち、二塁走者は一気に本塁へ。左翼手の橋本航河(仙台育英)が必死の好返球を見せ、タイミングはアウトのようにも見えた。しかし判定はセーフで、ビデオ判定でもそれは覆らず相手に先制を許した。
打線もファンデンブリンクを打ち崩せず、4回はオークランド・アスレチックスと契約予定の右腕ナタン・アレンズの前に三者凡退に終わった。
この試合唯一となるチャンスが生まれたのは5回だ。アレンズから中山優月(智辯学園)が四球で出塁すると、知花慎之助(沖縄尚学)のバスターエンドランで二塁へ。ここで今大会、この試合前まで打率.091だった丸田湊斗(慶応)が打席へ。試合前に馬淵史郎監督からマンツーマンで指導を受けた成果もあってか、ライト前にチーム初安打を放つ。しかし、この当たりで本塁を狙った中山が、相手右翼手のセイス・ヘルムスの好返球で本塁タッチアウト。
結局安打はこの丸田の1本のみで、7回はジャスト・ファンデンアウウェーレンに三者凡退に抑えられて試合終了。
これで侍ジャパンU-18代表は、オープニングラウンドB組を4勝1敗の2位で終えた。1日の休養日を経て7日からはスーパーラウンドを戦う。ともにスーパーラウンドに進出するアメリカ戦の1勝とオランダ戦の1敗を持ち越した状態から開始され、グループAから進出してくるチャイニーズ・タイペイ、プエルトリコ、韓国(対戦順未定※)と戦い、2位以上に与えられる決勝戦進出を目指す。
※グループAは5日時点で日程が未消化のため順位未確定。6日の試合後に確定する順位により試合順が決定される。
監督・選手コメント
馬淵史郎監督
「実力の差ですね。相手の内野守備が素晴らしかったです。投手も打てそうに見えるんですが球が動く投手でしたね。塁に出ればなんとかなると思っていたのですが、相手右翼手の肩も素晴らしかったです。髙橋はよく1点に抑えたと思います。スーパーラウンドの6カ国の実力はどこも変わらないので必死の戦いになるでしょう。明日切り替えるしかありません」
丸田湊斗(慶應義塾)
「信じて使ってもらっていましたし、知花がチャンスを持って来てくれたので、なんとか打たなければという思いでした。ここで満足しては意味が無いので、迷惑をかけてきた分、スーパーラウンドで活躍したいです」
髙橋煌稀
「3回は変化球が高く浮いたところを持っていかれてしまいました。もっと低めに投げるべきでした。ここからキャッチボールや中遠投を増やしてコンディションを上げていきたいです」
第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2023年8月31日~9月10日
オープニングラウンド
9月1日(金)19:30 日本 10 - 0 スペイン
9月2日(土)19:30 日本 7 - 0 パナマ
9月3日(日)17:35 アメリカ 3 - 4 日本
9月4日(月)21:00 ベネズエラ 0 - 10 日本
9月5日(火)19:30 日本 0 - 1 オランダ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)15:30 日本 7 - 1 韓国
9月8日(金)11:30 日本 10 - 0 プエルトリコ
9月9日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ 5 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
決勝
9月10日(日)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾
出場する国と地域
グループA
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オーストラリア、プエルトリコ、チェコ
グループB
日本、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、スペイン