9月7日、「第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(9月10日まで)のスーパーラウンドが台湾の天母野球場で始まり、侍ジャパンU-18代表は韓国と対戦。昨年のワールドカップでも1勝1敗と互角の戦いを繰り広げている相手に快勝し、スーパーラウンドの初戦を白星で飾った。
エース・前田悠伍(大阪桐蔭)がこの日も試合の流れを作った。アメリカ戦で5回3分の2を投げて4安打無失点無四球8奪三振という素晴らしい投球内容を見せたが、この日も序盤から快調に飛ばした。2回まで1人の走者も出さずに抑えると、その裏に打線が応える。
森田大翔(履正社)の振り逃げと丸田湊斗(慶應義塾)の内野安打でチャンスを作ると、7番の知花慎之助(沖縄尚学)が左翼手の頭を超える三塁打を放って2点の先制に成功した。
援護をもらった前田は「どんどん打ってくる相手なので打たせて取る投球をしました」と振り返ったように、アメリカ戦とは異なるスタイルで相手の凡打を量産させ、4回1安打無失点、この日も無四球という高い制球力で期待に応えた。
その後はなかなか得点が奪えず、6回に2番手の森煌誠(徳島商)が3安打を打たれ1点を失うが、その裏に大きな一発が生まれる。
今大会途中から先発に定着している山田脩也(仙台育英)が「2打席続けて三振して体が開いていたので岩井隆コーチから言われた“センター返し”を意識していました」と振り抜いた打球は、レフトフェンスを越えるソロ本塁打に。点差を再び3点に広げた。さらにここから打線が繋がり、知花のこの日2本目のタイムリーと尾形樹人(仙台育英)のタイムリーで3点を追加しダメ押し。
最後は6回のピンチから登板していた武田陸玖(山形中央)が四球と安打で走者を出すが後続を冷静に抑え、7対1で試合終了。
オープニングラウンドでのアメリカ戦による1勝とオランダ戦による1敗を持ち越しているため、これで侍ジャパンU-18代表はスーパーラウンドの戦績を2勝1敗とした。
スーパーラウンド第2戦は、グループA3位のプエルトリコと対戦。侍ジャパンU-18代表を破ったオランダをスーパーラウンド初戦で倒している難敵を相手に勝利し、決勝進出を近づけたいところだ。
監督・選手コメント
馬淵史郎監督
「前田はもう1イニングくらい投げてくれたら最高でしたが、球数制限もあったので思いきって代えました(47球で降板したため中1日の休養で登板可能に)。理想的な勝ち方ができましたね。投手が抑えて、相手のミスを見逃さずに得点できましたから。トーナメントのつもりで、一戦必勝で戦っていきます」
前田悠伍(大阪桐蔭)
「マウンド上で相手がどんどん打ってくると感じたのでストレートで押したり、インコースを突いたりしてフライを打たせました。三振だと球数も増えますし打たせて取る投球を心がけました」
知花慎之助(沖縄尚学)
「長打は考えず短打で繋いでいこうと打席に入りました。国際試合で相手の情報が少ないので1打席目から対応していけるようにしています。球が速いので打つポイントを前にするように心がけています」
山田脩也(仙台育英)
「(木製バットへの対応は)金属バットは当てただけでもヒットになりますが、木製バットは飛ばないので甘い球が来たらしっかり振り抜くことを心がけています。(侍ジャパンU-12代表を経験し)毎日試合がある中でコンディションを整えることや球質の違いなど、経験をしっかり生かせています」
第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2023年8月31日~9月10日
オープニングラウンド
9月1日(金)19:30 日本 10 - 0 スペイン
9月2日(土)19:30 日本 7 - 0 パナマ
9月3日(日)17:35 アメリカ 3 - 4 日本
9月4日(月)21:00 ベネズエラ 0 - 10 日本
9月5日(火)19:30 日本 0 - 1 オランダ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)15:30 日本 7 - 1 韓国
9月8日(金)11:30 日本 10 - 0 プエルトリコ
9月9日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ 5 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
決勝
9月10日(日)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾
出場する国と地域
グループA
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オーストラリア、プエルトリコ、チェコ
グループB
日本、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、スペイン