11月10日、「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(2023年11月16~19日/東京ドーム)に向けた「侍ジャパン宮崎秋季キャンプ2023」で初の実戦となる練習試合の巨人戦が13時から宮崎市清武総合運動公園で行われた。
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試合は0対1と敗れたが、収穫の多い試合となった。
打線で目立ったのは「1番・左翼手」で起用された藤原恭大(ロッテ)だ。井端弘和監督が「振れていましたし、2ストライクに追い込まれた後の打撃も良かったです」と称えたように、チーム最多の3安打(タイブレーク練習を含む)を放った。
この結果には藤原も「アピールしていかないといけないのでヒットが出て良かったです」と振り返り、「練習から良いものが出せています」と手応えを語った。一方で、左翼守備については、チームでは中堅手としての起用が多いため「難しく、思うような動きができませんでした」と反省。打撃についても「初見の相手でもボールを見過ぎずにファーストストライクから打っていこうと思います」と積極性を大事に、さらなる向上を誓った。
二遊間では、キャンプ2日目に井端監督から個別指導を受けた小園海斗(広島)と門脇誠(巨人)が持ち味を発揮。初回には、巨人が仕掛けたヒットエンドランの打球で、二塁手の小園がゴロを流れるように処理すると、門脇も捕球から素早く送球し併殺を完成させた。さらに7回には試合途中から二塁手に回っていた門脇が好捕。守備でチームを盛り立てると、打撃でもともに1安打を放った。また、万波中正(日本ハム)が滞空時間の長い当たりや鋭い当たりの安打を放ち、守備では俊足を飛ばしファウルフライを好捕するなど高い身体能力を見せた。
投手陣も先発の赤星優志(巨人)が3回に3安打を打たれ先制を許したものの「初回からテンポ良く、球種もすべて投げられました」とある程度の手応えを語り、失点の場面については「初球からどんどん振ってくる相手に対して、ストレートがシュート回転してしまいました」と修正ポイントを挙げた。
2番手以降の投手陣は隅田知一郎(西武)が2イニング、早川隆久(楽天)が3イニング、横山陸人(ロッテ)が1イニングを無失点に抑えた(点差にかかわらず9回裏まで実施)。
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9イニングを終えた後には、大会でも採用される延長タイブレーク(無死一、二塁から再開)を想定した練習も行われ、表の攻撃では藤原の安打でチャンスを広げると、岡林勇希(中日)が2点タイムリーを放った。裏の守備で吉村貢司郎(ヤクルト)がレフトへの2点タイムリーを打たれ同点とされたものの、サヨナラは許さず、こちらは引き分けで終わった。
この日から日本シリーズを制した阪神の4選手も練習に合流。この日の試合出場は無かったが、キャンプ6日目となる11日は彼らも含めた連携練習などを行う予定となっている。
監督・コーチコメント
井端弘和監督
「精度を上げていかなくてはいけない投手もいますが全体的には良かったと思います。四球も1つだけでしたし、自分のボールを投げられていました。点は取れていませんが、打撃内容はみんな良かったですね。今日は攻撃のサインを出していないので次の練習試合(12日13時から広島戦)ではサインを出していこうと思います」
吉見一起投手コーチ
「どの投手も実戦から離れていたので、今日の結果や内容はそれほど気にしていません。ただ、(今日の巨人も、大会で対戦するチームも)ブンブン振ってくるので、カウント負けしないようにという話はしました。その辺りだけかなと思いますね。吉村は第2先発を考えていますが、コントロールが良いので、今日はタイブレークで行ってもらいました。(牽制のサインプレーは)今日はいくつかミスありましたが、数をこなしていくしかないので、次の試合でもどんどん試していって欲しいです」