7月18日、「第31回 ハーレムベースボールウィーク」(オランダ・ハーレムで7月19日まで)の準決勝が行われ、侍ジャパン大学代表はU-23代表で構成されたチャイニーズ・タイペイと対戦。8対0と投打で圧倒し決勝進出を決めた。
7月9日まで行われた「第43回 プラハベースボールウィーク」を含め、今回の遠征で4回目の対戦となったが、過去3試合はいずれも僅差で勝利(3対2、5対3、2対0)。力の差が大きくない相手に対し、先発の髙木快大(中京大)がリズムを作る。
初回こそ四球で走者を出すが「3番打者を一番警戒していたので大きかったです」と振り返ったように3番の曾昱磬と4番の黃柏叡から連続三振を奪って切り抜けると、2回と3回は三者凡退に抑える。
すると打線が3回裏に応える。繁永晟(中央大)の高く上がった飛球に対し、相手中堅手は太陽と打球が重なったのか捕球できず。「チーム(中央大)でも徹底していることなので」と全力疾走を怠っていなかった繁永は、二塁まで進んだ(記録は二塁打)。続く山縣秀(早稲田大)がきっちり犠打で送ると、打順は1番にかえって飯山志夢(立正大)が左中間を破るタイムリーを放ち先制に成功。前回のチャイニーズ・タイペイ戦では4打席連続三振と悔しい結果に終わっていたが、雪辱の一打となった。
続く4回には、1死から柳舘憲吾(國學院大)のライト前安打と松下歩叶(法政大)の右中間を破る二塁打、吉納翼(早稲田大)の四球で満塁とすると、繁永の打球は三塁手の前で大きく跳ね、2者が生還。さらに飯山のセンター前安打、西川史礁(青山学院大)のセンターオーバーの三塁打が飛び出し、この回5点を加えた。
さらに5回は、先頭の小島大河(明治大)がセンター前安打を放つと、柳舘が右中間へタイムリー、さらにその後も続いたチャンスで繁永がライト前へタイムリーを放ち8対0。試合前半で大きなリードを奪った。
この援護をもらった髙木は、「楽に投げられました」と振り返るように圧巻の投球を見せる。7回のバント安打1本以外はチャイニーズ・タイペイ打線に手も足も出させず、1安打11奪三振1四球で完封勝利。準決勝での先発という堀井哲也監督の抜てきに見事に応え、決勝進出に導いた。
ついに今年の最大目標としていたハーレムベースボールウィークの優勝まで、あと1勝に迫った侍ジャパン大学代表。堀井監督が「明日が最後なので、力を出し尽くしたい」と意気込むように、今回の遠征の集大成として日本時間20日2時半から、NJCAA(全米短期大学体育協会)の選抜選手で構成されたアメリカと決勝を戦う。
監督・選手コメント
堀井哲也監督
「今日は髙木に尽きます。イタリア戦で良かったので、その試合は3イニングで降ろして今日の準決勝に備えました。彼はストレート、カーブ、スプリットとどれも良いのですが、終盤は特にストレートが良かったですね。(連戦続く中での完封)球数も少なく最後まで投げてくれて助かりました。(打線も12安打8得点)これまでのチャイニーズ・タイペイ戦だけ繋がっていなかったので、4回の5点は大きかったですね。(決勝戦の鍵)まずは投手がどれだけ粘れるか。あとは飯山・西川・渡部の1・2・3番がチームの顔なので期待しています。一瞬の隙が勝負を左右する。しっかり気を引き締めて臨みます」
髙木快大(中京大)
「大事な試合で勝てたことが一番です。自分の良さであるストライク先行で行こうと投げました。昨日の試合前に先発を言われて緊張しましたが、今までやってきたことに自信を持って臨みました。今日はカーブが良くなかったのですが、ストレートが良かったですね。スプリットでも三振が奪えました。明日は投げるか分かりませんが、しっかり応援して全勝で優勝したいです」
繁永晟(中央大)
「3試合ぶりのスタメンだったので思いきりの良さを忘れないようにと打席に立ちました。1本目のタイムリーは追い込まれていたので開き直って上から叩きました。2本目は有利なカウントだったので、ストレートを張って、コースに逆らわず打てました。明日も試合に出られたら思いきったプレーをしたいです」
飯山志夢(立正大)
「ハーレムに入ってから調子が悪くて悔しい思いがあり、取り返してやろうという思いで準備してきました。ボールを見すぎていて、前回の対戦でインコースに手が出なかったので、反応で回れるように打撃練習から取り組んできました。手強いイメージのある相手に大差で勝つことができて良かったです。明日もしっかり準備してたくさんヒットを打ちたいです」
第31回 ハーレムベースボールウィーク
大会期間
2024年7月12日~7月19日
オープニングラウンド
2024年7月12日(金)22:30 チャイニーズ・タイペイ(雨天順延)日本
2024年7月13日(土)23:15 アメリカ 5 - 9 日本
2024年7月15日(月)2:30 日本 5 - 4 スペイン
2024年7月15日(月)18:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
2024年7月16日(火)22:30 イタリア 2 - 8 日本
2024年7月18日(木)2:30 日本 5 - 1 オランダ
※開始時刻は日本時間(オランダ:時差-7時間)
準決勝
2024年7月18日(木)22:30 日本 8 - 0 チャイニーズ・タイペイ
2024年7月19日(金)2:30 オランダ 1 - 2 アメリカ
※開始時刻は日本時間(オランダ:時差-7時間)
決勝
2024年7月20日(土)2:30 日本 10 - 4 アメリカ
※開始時刻は日本時間(オランダ:時差-7時間)
開催地
オランダ(ハーレム)
出場する国と地域
日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、オランダ、イタリア、スペイン
第43回 プラハベースボールウィーク
大会期間
2024年7月6日~7月9日
グループA
2024年7月6日(土)21:30 ドイツ 3 - 7 日本
2024年7月7日(日)21:30 日本 3 - 2 チャイニーズ・タイペイ
2024年7月9日(火)2:00 日本 9 - 3 チェコ
※開始時刻は日本時間(チェコ:時差-7時間)
決勝
2024年7月10日(水)2:00 日本 5 - 3 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(チェコ:時差-7時間)
開催地
チェコ(プラハ)
出場する国と地域
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、チェコ、ドイツ
グループB
オーストリア、ギリシャ、ハンガリー、スロバキア、リトアニア