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試合レポート

福井那留の7回1失点完投などでメキシコを下し3大会ぶりの決勝進出に王手をかける

2024年8月24日

 8月23日(日本時間24日)、「第6回 WBSC U-15 ワールドカップ」(コロンビア・バランキージャ)のスーパーラウンド2戦目が行われ、侍ジャパンU-15代表はメキシコと対戦。前日の悔しい敗戦を糧に最後まで集中力を切らさずに戦い6対1で快勝。福島県いわき市で開催された2016年の第3回大会以来となる決勝進出に王手をかけた。

 前日のチャイニーズ・タイペイ戦では最終7回2死まで3点をリードしていながら逆転負けを喫したが、前夜に井端弘和監督は選手一人ひとりと話し合うなどし、負けられない一戦に臨んだ。
 その中で躍動したのが先発のマウンドに上がった福井那留(愛知豊橋ボーイズ)だ。井端弘和監督が「ピンチでも淡々と投げられる、いつでもストライクが取れる。打撃は狙い球を絞るわけではなく、真っ直ぐでも変化球でも合ったら振っていける天性のものがある」と投打で高く評価しており、打者としても6番に入った。
 そんな福井は序盤からテンポ良くアウトを積み重ねてリズムを作ると、3回裏に打線が応える。俊足を生かして相手失策を誘った岡田良太(熊本泗水ボーイズ)が盗塁を決めて得点圏に進むと、砂涼人(洋野リトルシニア)も四球を選んでチャンスが拡大。このチャンスに新井悠河(藤岡ボーイズ)がライトへ痛烈な当たりの二塁打を放ち二者が生還。貴重な先制点となった主将の一打に、井端監督は「攻守に気迫あふれるプレーをしてくれて頼もしかったです」と称えた。

 続く4回、中島齊志(飯塚ボーイズ)、岡田、中嶋蒼空(佐倉リトルシニア)の安打で1死満塁のチャンスを作ると、前日に体調不良からベンチ入り復帰をしていた代打・大宮翔(東北楽天リトルシニア)の内野安打で1点を追加。さらに小久保の犠飛、新井の再びの痛烈な打球による相手失策で追加点を挙げて、この回3得点。
 さらに5回にはライト前安打で戸倉光揮(狭山西武ボーイズ)が出塁すると、代走に、大宮と同じく前日に体調不良からベンチ入り復帰をしていた丹羽裕聖(愛知尾州ボーイズ)が起用され、その丹羽の俊足が相手野選を誘い、岡田も三塁強襲安打を放ち満塁。ここで、中嶋がライトへ大きな犠飛を放ち、ダメ押しの6点目を奪った。

 この援護を受け、「今日は最後まで集中しないといけないと思いました」と前日の反省を生かした正捕手・中嶋のリードもあって、福井はメキシコ打線を散発の4安打に抑えて完投。見事な試合展開で勝利をモノにし、スーパーラウンドの成績(オープニングラウンド同グループから進出したチームとの勝敗を持ち越した分含む)を3勝1敗とした。
 また、侍ジャパンU-15代表の前に試合をしたチャイニーズ・タイペイがプエルトリコに敗れて2勝2敗となったため、1敗は侍ジャパンU-15代表とプエルトリコのみに。そのため、スーパーラウンド最終戦のニカラグア戦(日本時間25日5時)で勝利すれば、2位以上に与えられる決勝進出が決まることとなった(敗れれば他チームとの勝敗や当該対戦成績、得失点率で決勝か3位決定戦に進むかが決まる)。

監督・選手コメント

井端弘和監督

「昨日とほぼ変わらない展開で、昨日の反省も踏まえて子どもたちがどう変わるかを見ていましたが、最後まで締まった良いゲームでした。福井の投球は明日以降投げる投手にも良い影響を与えたと思います。打線は、相手投手に最初は差し込まれてフライアウトが多かったですが、2巡目から上手く対応してくれました。体調不良で離脱していた大宮と丹羽が戻ってきたのが本当に大きいです。中嶋はこれまで捕手で4番と、背負わないといけないものがあったようだったし、下位打線で走者が溜まることが多かったので8番にしましたが、良い安打を打って、良い打点(犠飛)を挙げてくれました」

福井那留(愛知豊橋ボーイズ)

「ストレートも良かったのですが、スライダーのキレが良く、全体的にストライクを取ることができたのが良かったです。二刀流はきつかったです(笑)(大会規定の球数制限で)もう投手としては出られませんが、野手としてチャンスで打てるようにしていきたいです」

中嶋蒼空(佐倉リトルシニア)

「昨日は悔しさもあったのですが、切り替えもできていたので良いプレーができました。井端監督が言っているように、悔しい思いを次に生かせたら、こういう試合ができるんだと学ぶことができました。4番じゃない悔しさもありましたが、その分プレッシャーも減った部分もありました。どの打順でも自分の打撃ができるようにしていきたいです。明日も最終回まで気を抜かずに全力でプレーします」

第6回 WBSC U-15 ワールドカップ

大会概要 出場選手 放送予定

大会期間

2024年8月16日~8月25日

オープニングラウンド(グループA)
8月17日(土)9:00 日本 12 - 9 ドミニカ共和国
8月18日(日)5:00 イタリア 3 - 8 日本
8月19日(月)9:00 コロンビア 3 - 14 日本
8月20日(火)5:00 日本 14 - 0 グアム
8月21日(水)0:30 日本 4 - 2 プエルトリコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

スーパーラウンド
8月23日(金)5:00 日本 5 - 6 チャイニーズ・タイペイ
8月24日(土)5:00 日本 6 - 1 メキシコ
8月25日(日)5:00 日本 7 - 2 ニカラグア
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

決勝
8月26日(月)9:00 日本 7 - 6 プエルトリコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

開催地

コロンビア(バランキージャ)

出場する国と地域

グループA
日本、ドミニカ共和国、プエルトリコ、コロンビア、イタリア、グアム
グループB
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、ニカラグア、南アフリカ

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