9月6日、「第13回 BFA U18アジア選手権」(8日まで台湾)のスーパーラウンドが始まり、2大会ぶり6回目の優勝を目指す侍ジャパンU-18代表は台北市立天母棒球場でチャイニーズ・タイペイと対戦。白熱した投手戦を1対0で制して、決勝進出に王手をかけた。
今秋ドラフト上位候補に挙がる大型左腕・藤田琉生(東海大相模)と海外志望を持つ最速152キロ右腕・陳睦衡という両チームの有望株による投げ合い。陳睦衡は3回裏に無死二塁、藤田は4回表に1死満塁のピンチを招くが、ともに力強いストレートにキレの良い変化球を織り交ぜる投球で、4回まで無失点に抑える投手戦が展開された。
5回表には藤田が2死一、二塁のピンチを招いたところで、坂井遼(関東第一)にマウンドを譲るが、坂井が統一ライオンズ4位指名の全紹凱をセカンドゴロに抑えてピンチを脱した。
一方で打線は、プロ球団のスカウト陣から「(現時点での完成度なら)昨年の孫易磊(日本ハム)より上かもしれない」との声が複数挙がるほどの、陳睦衡の両サイドを突く150キロ前後のストレートとチェンジアップを中心とした投球に、4回まで1安打も放つことができず。5回も林鉑濬の前に三者凡退に抑えられ、試合は0対0のまま、終盤に持ち込まれた。
試合が動いたのは6回裏だ。小倉全由監督が「逆方向に良いヒットを打っていましたし、バントもできると思ったので」と大会初先発に送り出した山畑真南斗(明徳義塾)がストレートをレフト前に弾き返しチーム初安打。さらに境亮陽(大阪桐蔭)のバントが林鉑濬の悪送球を誘い、無死一、三塁とチャンスを広げた。
ここで濱本遥大(広陵)がセーフティースクイズを決めて、山畑が生還。貴重な先制点を奪った。
その後のチャンスでは追加点を挙げることができなかったものの、その裏を坂井が三者凡退に抑えて試合終了。わずか1安打ながら少ないチャンスをモノにし、チャイニーズ・タイペイを2安打完封リレーに抑えて白星を掴み取った。
オープニングラウンド同組からスーパーラウンドに進出したフィリピンとの試合の1勝を持ち込んでいるため、成績を2勝0敗とした侍ジャパンU-18代表。2位以上に与えられる決勝進出に王手をかけた状態で、7日は新北市立新荘野球場で日本時間19時半から1勝1敗の韓国と戦う。
監督・選手コメント
小倉全由監督
「投手がよく投げてくれました。山畑もよく打ちましたし、濱本も自信を持って“セーフティースクイズできます”と言っていたので初球から行いました。我慢の野球を最後までやり切ってくれました。お互いに良い投手で守りのミスも出ましたが、選手たちが諦めずに最後まで戦った結果です」
藤田琉生(東海大相模)
「チームに流れを持ってこようと思って投げました。(4回表のピンチは)それまでみんなが助けてくれていたので絶対にゼロで抑えようと思いました。3年間取り組んできた粘りの投球ができました」
坂井遼(関東第一)
「絶対に抑えようという気持ちでした。(5回表の登板時は)2死一、二塁だったので、そこまでのピンチではないと思ってマウンドに上がりました。自分なりの投球で抑えたので自信を持って投げて、次もゼロで抑えたいです」
山畑真南斗(明徳義塾)
「すごく緊張しましたがチームメイトが声をかけてくれました。(チーム初安打について)その前の守備で悪送球をしてしまったので、なんとしても塁に出たいと思って打席に立ちました。生還できた時は、先制点だったのですごく嬉しかったです。相手も強いですが、日本の野球は通用すると思うので、全員で勝ちにこだわって戦っていきたいです」
濱本遥大(広陵)
「投手が良いので打つのは難しいと思いましたし、このチャンスを絶対にモノにしたいと思いました。打つことよりも可能性の高い方を選びました。勝てたことが一番。バントは広陵でたくさん練習をしてきたので、その成果が出ました」
第13回 BFA U18アジア選手権
大会期間
2024年9月2日~9月8日
オープニングラウンド(グループB)
2024年9月2日(月)14:30 日本 19 - 0 香港
2024年9月3日(火)14:30 スリランカ 1 - 20 日本
2024年9月4日(水)19:30 日本 13 - 0 フィリピン
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
2024年9月6日(金)19:30 日本 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
2024年9月7日(土)19:30 日本 0 - 1 韓国
3位決定戦・決勝
2024年9月8日(日)19:30 日本 1 - 6 チャイニーズ・タイペイ
開催地
台湾(台北、桃園)
出場する国と地域
グループA
韓国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、タイ
グループB
日本、フィリピン、香港、スリランカ