10月4日、第20回 アジア競技大会(2026年9月/愛知・名古屋)へ向けたチーム作りのための侍ジャパン社会人代表候補選手の強化合宿が東京都八王子市のセガサミー野球場で始まった。
4日間の日程(4日目は各種データ測定)で行われる今合宿には、全日本野球協会(BFJ)プロスペクトリスト(BFJ公式サイトに公開中)に加え、第5回 WBSC U-23ワールドカップ(中国/紹興)及び、24年度に行われたJABA公式大会(第95回都市対抗野球大会など)の情報を基にリストアップされた全国の社会人チーム所属の約100名から選抜された計39名(投手15名、捕手4名、内野手11名、外野手9名)が参加した。
選手たちは14時過ぎにグラウンドに到着した。昨年10月から社会人代表監督を務める川口朋保監督は冒頭、「現時点で社会人のトップクラスの選手たちに集まってもらった。2026年のアジア競技大会で代表になるという認識を合わせたい。そのためにしっかりとコミュニケーションを取ることをメインにやってもらいたい」と和やかに語るとともに、「代表選手に求めるものは、常にベストを尽くして、ベストを超えようとチャレンジし続けること。今の結果に満足せず、自分を成長させられる選手であることを理解して欲しい」と力強く訴えた。
その上で始まった練習は、監督のリクエスト通り、選手たちがウォーミングアップを入念に行いながら、その中で次々と言葉を交わし、笑顔がこぼれた。その後、小雨がぱらつく天候となったが、野手陣はティーバッティングからフリーバッティング、そしてロングティーを実施。同時に様々なデータを測定した。一方の投手陣は、キャッチボールの後、数人がブルペンで投げ込みを行い、気合の入ったボールを次々と投げ込んだ。
ひと通りのメニューを終えた後、最後は内野手陣がノックを受けて初日の練習が約2時間半で終了した。自らも選手たちと積極的に言葉を交わしながら動きを見守った川口監督は「この合宿の趣旨をみんなが理解してくれて、年齢層にばらつきがある中でも選手同士がしっかりコミュニケーションを取りながら練習してもらえたのは非常に良かった。誰が、というよりも全員が良かったかと思います」と笑み。チームとして、より一体感が生まれた雰囲気の中で練習を終えた。
今合宿は、2日目にエイジェックと、3日目にはセガサミーと練習試合が組まれている。そして最初のマウンドには加藤三範(ENEOS)が上がる予定。昨年12月の「第30回BFAアジア選手権」での優勝にも貢献した左腕は、「結果は気にしなくていいと言われましたけど、やっぱりこのメンバーで最初に投げる立場として、しっかりと抑えたいですね」と意気込んだ。
監督・選手コメント
川口朋保監督
「参加した選手たちが、侍ジャパンのユニホームを着て試合に出たいという思いが初日からすごく伝わってきて、非常に生き生きとした表情を見せてくれた。選手それぞれが、これだけのメンバーの中に自分が入って、一緒に練習できる喜びや楽しさを感じてもらいたいですし、そう思いながらやってくれているというのを感じました。(明日の試合は)天候が心配ですが、とにかく結果どうこうではなくて、チャレンジしていく姿、プレーを見せてもらいたいです」
矢野幸耶(三菱重工East)
「(今合宿での最年長30歳となるが)去年の冬のアジア選手権でも最年長でしたし、今回は同じチームからピッチャーですが同学年の本間(大暉)も参加していますから。もちろんパワーでは若い選手に置いていかれると思いますが、自分の強みである俊敏性を見せながら元気よくプレーして、守備面でもアピールしたいですね。全力プレーというところが社会人野球の持ち味だと思うので、明日からの試合などでそこを見てもらいたいです」
向山基生(NTT東日本)
「(合宿初日を終えて)僕もちょっと年齢が上の方になってきましたし、初めてのメンバーもいて、すごく刺激受けている部分があります。黙っていると絡みづらいと思うので、自分から積極的に話しかけて行くことを心がけました。社会人野球の価値を上げるためにも、国際大会で勝つことが大事だと思ので、そのためにこの合宿からいい選手のいいところを自分も吸収していきたい。いろいろと話を聞いて、いろんなことを学んで帰りたいなと思います」
加藤三範(ENEOS)
「明日、先発と言われてので、今日は普段からやっている先発するための調整をやりました。でもやっぱり普段にはない刺激をもらえますね。刺激をもらいながら、周りのピッチャーからいろんなことを吸収して、自分の成長に繋げていければと思っています。(明日は)結果は気にしなくていいと言われましたけど、やっぱりこのメンバーで最初に投げる立場として、しっかりと抑えたいです」