11月17日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のオープニングラウンドが行われ、大会4戦目となった侍ジャパンはキューバと台北市立天母野球場で対戦。雨が降りしきる悪天候の中で7対6と競り勝ち、1試合を残してスーパーラウンド進出を決めた。
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
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試合の前半は侍ジャパンのペースで進んだが後半は苦戦した。第2先発の隅田知一郎(西武)が15日、北山亘基(日本ハム)が16日の試合で複数イニングを投げ、抑えの大勢(巨人)も15日、16日と連投していた影響もあって、中継ぎの投手起用に制約があった。さらに悪天候でボールのコントロールが難しい中、最終回を任された藤平尚真(楽天)が冷静かつ気迫あふれる投球でチームをスーパーラウンドに導いた。
先制したのは侍ジャパン。2回、前日から先発起用されている佐野恵太(DeNA)がセンター前タイムリーを放って先制。3回には森下翔太(阪神)の犠牲フライで1点を追加した。
4回は先発の早川隆久(楽天)が元ロッテのロエル・サントスの三塁打と、元日本ハムのヤディル・ドレイクのレフト前安打で1点を返される。だが、その裏に今大会初先発・佐藤都志也(ロッテ)の犠牲フライで再び2点差に。さらに5回には牧秀悟(DeNA)のライト前タイムリーと佐野の犠牲フライでリードを4点に広げた。
このまま侍ジャパンのペースで進むかと思われたが、流れが大きく変わったのは6回だ。早川が先頭のサントスを四球で歩かせると、ドレイクの二塁打でサントスが俊足を飛ばして生還し3点差。空振り三振で1死は取るものの、その後に四球を出して早川は降板。代わった横山陸人(ロッテ)も流れを止められず、2本のタイムリーを浴びて1点差に詰め寄られた。
6回裏、負けるとオープニングラウンド敗退が決まるキューバは、14日の韓国戦に先発したものの、体調不良の影響もあって2回6失点で敗戦投手となっていたソフトバンクのリバン・モイネロを投入。それでもモイネロの制球難もあり栗原陵矢(ソフトバンク)が押し出し四球を選んで2点差に広げた。
しかし、7回表に鈴木昭汰(ロッテ)が四球とドレイクの安打でピンチを招くと、代わった清水達也(中日)が、元ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ(ソフトバンク)のボテボテのピッチャーゴロを一塁へ悪送球してしまい同点を許した。
それでも清水が踏ん張る。前述のように投手を注ぎ込めない状況の中で、その後のピンチと8回を無失点に抑えると、その裏に栗原が粘った末に犠牲フライを放ち、代走の五十幡亮汰(日本ハム)が俊足を飛ばして勝ち越しのホームを踏んだ。
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
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
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だがキューバは諦めない。最終回からマウンドに上がった藤平に対して、デスパイネと、日本ハムのアリエル・マルティネスの連打、死球で1死満塁と攻め立てた。
それでも藤平は冷静だった。死球でこの日はフォークの制球が定まらないとみるや、ストレートを連投。MLB通算747試合に出場しているヨアン・モンカダをストレートのみで見逃し三振に抑えると、続くアンディ・コスメにもストレート勝負で追い込む。そして最後は「サインが来た時に一発で決めると思っていました」というフォークを見事なコースに投げ込み空振り三振。藤平は目いっぱいのガッツポーズで、秘めていた気迫を発露した。
これで侍ジャパンは4連勝でスーパーラウンド進出が決定。3勝1敗の2位で追うチャイニーズ・タイペイに勝利しているため首位通過も決まった(チャイニーズ・タイペイも2位で並ぶ可能性のある韓国に勝っているためスーパーラウンド進出が決定)。
オープニングラウンド最終戦は、日本時間18日19時からドミニカ共和国と台北市立天母野球場で対戦する。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「第2先発も投げられる状況ではなく、投げられる投手が限られている中で、投手がよく頑張ってくれました。これからもあるけど、落とすわけにはいかない。そんな試合で難しかったですね。今日はこの投手たちで逃げ切るしかないと思っていました。これだけ負けられない連戦をしているので、明日は疲労も考慮しながら起用していきたいと思います」
藤平尚真(楽天)
「1点差の厳しい場面だったのでゼロに抑えればいい、絶対に点を与えないと思って投げました。シーズン中もこういう場面は何回もありましたし、緊張しても良くないですし、バックが良い選手ばかりなので仲間を信じて投げました。雨や風は、相手も一緒なので絶対に言い訳できないと投げました。ボールが抜けたり、ひっかけたりしていましたが、あの場面でフォークを一発で決めることができて良かったです」
ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12
試合日程
オープニングラウンド(グループB)
2024年11月13日(水)19:00 日本 9 - 3 オーストラリア
2024年11月15日(金)19:00 日本 6 - 3 韓国
2024年11月16日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 3 日本
2024年11月17日(日)19:00 日本 7 - 6 キューバ
2024年11月18日(月)19:00 ドミニカ共和国 3 - 11 日本
スーパーラウンド
2024年11月21日(木)19:00 日本 9 - 1 アメリカ
2024年11月22日(金)19:00 日本 9 - 6 ベネズエラ
2024年11月23日(土)19:00 日本 9 - 6 チャイニーズ・タイペイ
決勝
2024年11月24日(日)19:00 日本 0 - 4 チャイニーズ・タイペイ
開催球場
オープニングラウンド(グループB)
バンテリンドーム ナゴヤ、台北ドーム、天母スタジアム
スーパーラウンド・決勝・3位決定戦
東京ドーム
出場チーム
グループA
メキシコ、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、プエルトリコ
グループB
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、ドミニカ共和国、オーストラリア