11月27日、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで「第11回 BFA U12アジア野球選手権」のスーパーラウンドが始まり、侍ジャパンU-12代表は韓国と対戦。オープニングラウンド同グループから進出した中国との勝敗は持ち越すため1勝0敗からのスタートで、勝てば決勝進出が大きく近づく一戦だったが、0対2で敗れた。
グループリーグを首位で通過したチーム同士の一戦は、時折降る雨や断続的に吹く強風の中、ともに好投手を45球以下(※)でつぎ込む投手戦となった。
※大会規定の投球制限により1日46球以上を投げると、中2日の休養が必要となり29日の最終日に登板できない
侍ジャパンの先発は左腕の福田周吾(IBCレイカーズ)。「強いチーム相手で緊張はありましたし圧も強かったですが、自分らしい投球ができました」と振り返ったように110キロ台中盤から後半のストレートと、代表選出後に習得したというカーブを使った緩急の効いた投球で韓国打線を抑えていく。また、2回2死三塁の場面では、相手が狙ったホームスチールに対して「すごくビクビク動いていくので何かしてくると思っていました」と冷静に対処。ホームプレートから足を外して本塁へ送球すると、守備陣も冷静に挟殺で三塁走者をアウトにしてピンチを脱出。福田は3回2安打無失点でマウンドを降りた。
一方で打線は、韓国先発チャン・ジスの175cmの長身から投げ下ろす120キロ前後の速球と縦に落ちる変化球のコンビネーションの前に苦戦。1回と3回にはそれぞれ牽制死や盗塁死もあり流れを掴めず。3回は2死走者無しから満塁のチャンスを作るが、代わった2番手のパク・ソンホンに3番の古畑太誠(深川ジャイアンツ)がキャッチャーフライに抑えられ先制はならず。
4回からは石﨑悠士郎(本郷北学童野球クラブ)が登板し韓国打線を抑えていくが、5回の攻撃では石﨑が無死から四球で出塁したものの牽制死に倒れ、後続が連続三振に抑えられ無得点。その裏に石﨑は2死を取るも、2死からマウンドに上がった一寸木健翔(西湘シーホース)が「甘いところに入ってしまい決めきれませんでした」と悔やんだように、相手打線に失投をとらえられ連打で先制を許す。さらに三塁手・立岩駿(古高松ブルースターズ)の失策もあり2点目を追加された。
反撃したい侍ジャパンではあったが、最終6回の攻撃も三者凡退に抑えられ試合終了。毎回の9三振を喫するなど3安打に抑え込まれ投手戦に敗れた。
これで韓国はオープニングラウンドでチャイニーズ・タイペイも破っているため2勝0敗。28日の中国戦(現在0勝2敗)で仮に敗れても、1敗で並ぶ可能性のある侍ジャパンとチャイニーズ・タイペイには勝利しているためスーパーラウンド1位通過での決勝進出を決めた。
一方、侍ジャパンはスーパーラウンド最終戦で、28日14時から坊っちゃんスタジアムで同じく1勝1敗のチャイニーズ・タイペイと対戦。決勝進出残り1枠をかけた決戦に臨むこととなった。
監督・選手コメント
仁志敏久督
「お互いに打てないことは想定内でしたが、2アウトからの連打は想定外でした。1つ上のレベルのチームと戦えて初めて気づけたこともあると思うので、それを明日できたらと思います。試合に入る緊張感は大会に入って初めてしっかりできたかなと思います。(夜のミーティングでは)試合の振り返りをして、ミスがなぜ起きたのかを分からないといけないですし、何を注意すべきか、本人たちに考えてもらえればと思います」
石﨑悠士郎(本郷北学童野球クラブ)
「投手陣は良かったのですが、打線が援護できませんでした。点が入らない焦りもあって走塁の判断ミスをしてしまいました。決勝で韓国にリベンジできるように、まずは明日に向けて頑張りたいです」
古畑太誠(深川ジャイアンツ)
「自分がチャンスで打っていれば勝てた試合だったので悔しいです。今日のことを反省して、明日打つために準備をしていきたいです」