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状況を設定したシート打撃で各選手の特徴をチェック 積極的な意見交換も行われる

2024年12月1日

 12月1日、来夏に日本で開催予定の「第45回 日米大学野球選手権大会」に向けた侍ジャパン大学代表の候補選手強化合宿2日目が愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムが行われた。

 この日の主将役を務めた繁永晟(中央大)の「おはようございます!」というひときわ大きな挨拶で始まった2日目は、ウォーミングアップやシートノックの後にシート打撃を実施。基本的に野手は4打席、投手は打者3人×2セット(1死一、三塁カウント0-0から/2死二塁カウント2ストライクから)と各選手均等にアピールの機会が与えられた。

 投手陣の好投が目立ったが、その中でも昨年に続いてこの合宿に参加した佐藤幻瑛(仙台大)は、やや肌寒さもある気候の中で最速152キロを計測。スプリットなどの変化球も冴え、打者6人に対して1人の走者も出塁を許さない好投を見せた。佐藤は「体の状態がメチャクチャ良いわけではありませんでしたし、球速はもう少し出せたのかなと思います」と決して満足はしていないが、「球に指はかかっていたので、多少重いボールが投げられたかなと思います」と振り返った。選手同士での会話も大事にしており「伊藤樹さん(早稲田大)や堀越啓太さん(東北福祉大)からインナーマッスルの鍛え方や、体の使い方を一緒にトレーニングする中で学びました。明日も成長に繋がる時間にしたいです」と殊勝に語った。

 その他にも、當山渚(國學院大)が緩急を生かした投球で無安打に抑え、春秋連続の全国制覇に貢献した中西聖輝(青山学院大)や東都大学リーグ1部復帰に貢献した島田舜也(東洋大)、首都大学リーグで防御率0.40の成績を残した篠原颯斗(日本体育大)が、1安打こそ許しながらも力強いストレートとキレの良い変化球で存在感を示した。
 野手では、渡部海(青山学院大)が第1打席で「前の打者が死球だったので、あえて踏み込んで打ちました」と力強い打球の二塁打を放ち、1死一、三塁の場面では一塁走者が積極的に盗塁を仕掛ける中、複数回刺すなど攻守で躍動を見せた。また、大型外野手の平川蓮(仙台大)がマルチ安打に加え、俊足でもアピールし高い身体能力を遺憾無く発揮した。

 シート打撃後には1時間の自主練習の時間が設けられ、選手たちは堀井監督ら首脳陣や選考委員を務める各校の監督、選手間同士でも積極的に技術論やトレーニング論を交わした。堀井哲也監督が「自主練習も狙い通り、野球が上手くなるための会話をしてくれていました」と振り返ったように、とても有意義な時間となった。

 合宿最終日となる12月2日も、坊っちゃんスタジアムで朝からフリー打撃などの練習を行う予定となっている。そこでも打球速度を測るなど多角的に一人ひとりの特徴を首脳陣も選手も知る貴重な時間になりそうだ。

監督・選手コメント

堀井哲也監督

「(選考委員の)各チームの監督の経験に裏打ちされた評価もそうですし、トラックマンで集計した数値から投手の特徴を出して、対アメリカを考えた時にどんな球が必要かの検証を進めています。それを持ち帰ってこの冬にどう取り組んでいくかが大切だと思いますので、その明確化を明日もしていきたいです」

渡部海(青山学院大)

「吸収できるものは吸収しようと思っています。実戦や国際大会に必要な練習ができました。特に2ストライクからの打撃は、国際大会ではストライクゾーンも広くなるでしょうし、対応力が必要になってくるなと感じました。捕手もたくさん良い選手がいるので良い情報交換を引き続きしていきたいです」

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