8月7日(日)、15歳以下の野球世界一を決める「第3回 WBSC U-15ベースボールワールドカップ2016 inいわき」の決勝戦が行われ、初優勝を狙った侍ジャパンU-15代表は、前回優勝のキューバに4-9で敗れ、悲願の世界一獲得はならなかった。
キューバ強力打線が爆発
7月30日のオープニングラウンド第2戦では、4−0で侍ジャパンU-15代表が破っていたが、この日のキューバ打者陣はまるで別人のようだった。
2回、これまでキューバとベネズエラを無失点に抑えてきた及川雅貴投手(匝瑳リトルシニア)に対し、猛攻を仕掛ける。先頭のフラニー・コボス内野手のセンター前安打と四球でチャンスを作ると、バッテリーの隙を突きダブルススチールを成功させる。そしてここからダニエル・カスティージョ内野手の先制打など3本のタイムリーと犠牲フライで5点を奪い、及川をノックアウトした。
さらに4回にも今大会で好リリーフを続けてきた不後祐将投手(神戸須磨クラブ)から、ロイデル・チャペジ内野手のタイムリー二塁打などで3点、8回にも再びコボスがタイムリーを放ちダメ押し点を奪った。
キューバは投げてもエース格だったオシエル・ロドリゲス投手やコボス(投手時以外は主に二塁手で出場)を投球数制限で欠きながらも、先発のリヴァン・チャビアノ投手とオブレゴン・ロドリゲス投手が侍ジャパンU-15代表の追撃を振り切った。
これでキューバは2014年の第2回大会(メキシコ開催)に続く優勝を果たし、ゲーティ・ダミアン監督は「とても嬉しい。待ち望んだ瞬間です」と喜びを語り、「大会序盤は気候などになかなか合わなかったが、そこから選手たちがしっかり修正してくれました」と選手たちを称えた。
中盤以降に意地を見せ持ち味を発揮
試合前半に大量8点のリードを奪われた侍ジャパンU-15代表だったが、6回に嘉手苅将太内野手(姫路アイアンズ)の安打を皮切りに、内野ゴロの間に1点を返すと、その後粘りを見せた。7回には近藤大樹内野手(嘉麻ボーイズ)と嘉手苅のタイムリー、8回には宮城大弥投手(宜野湾ポニーズ)の三塁打と田口夢人内野手(栃木下野リトルシニア)のタイムリーで計4点を奪い、意地を見せた。また今大会何度チームを勢いづかせてきた好守備を、この日も田口と近藤の二遊間を中心に見せ、いわきグリーンスタジアムに集まった多くの観客を沸かせた。
前回大会はスーパーラウンドに進めず、7位(下位ラウンド最上位)に終わっただけに、今回の準優勝は地元開催のプレッシャーをはねのけ大躍進といえる結果となった。このかけがえのない経験を得た選手たちに、今後のさらなる飛躍を期待したい。
コメント
侍ジャパンU-15代表・鹿取義隆監督
「悔しいです。キューバの打者はセンターを中心に打ち返す素晴らしい打撃をしていました。選手たちみんなでまとまって、日々成長してくれました。その頑張りで準優勝することができたので、選手たちを褒めてあげたいです」
侍ジャパンU-15代表・野口海音捕手・主将(松原ボーイズ)
「このメンバーで、初めて集まった時から目指していた世界一を逃してしまい悔しいです。相手の勢いに押され、押し返すことができませんでした。今日負けたことを無駄にせず、今日まで戦ってきた仲間との時間を今後の人生に生かしていきたいです」
侍ジャパンU-15代表・及川雅貴投手(匝瑳リトルシニア)
「(涙は)世界一になれなかった悔しさに加え、最高の仲間ともう戦えない寂しさの両方があります。チームメートのおかげでここまで来ることができました。この悔しさと経験を生かし、高校でもっと良い投手になりたいです」
第3回WBSC U-15ベースボールワールドカップ2016 in いわき
大会期間
オープニングラウンド
7月29日(金) オーストラリア 0 - 13 日本
7月30日(土) 日本 4 - 0 キューバ
7月31日(日) 日本 15 - 4 韓国
8月 1日(月) チェコ 0 - 15 日本
8月 2日(火) 日本 10 - 6 コロンビア
スーパーラウンド
8月4日(木) 日本 8 - 0 ベネズエラ
8月5日(金) 日本 2 - 5 アメリカ
8月6日(土) 日本 2 - 1 パナマ
決勝
8月7日(日)14:30 日本 4 - 9 キューバ
会場
いわきグリーンスタジアム
南部スタジアム
平野球場
関連情報
「大会応援大使」に中畑清氏が就任U-15代表監督に鹿取義隆氏が就任
応援キャラクターに「フラ・たまみ」が決定
侍ジャパンU-15代表記者会見 大会への意気込みを語る