今年12月7日~13日の日程で中国・広東省で開催される「第9回 BFA U-12アジア選手権」に参加する侍ジャパンU-12代表。その代表選手15名を選考するための選手選考合宿初日が、10月15日に東京都内のグラウンドで開かれた。
「試合を見るだけでは打席数も守備機会も少ないので、こうした機会を作ってもらいました。小学生にテストをして、ふるいにかけるのはどうかと思う部分もあるが、やはり高いレベルでプレーしている選手にとっては、こうした競争もあってしかるべき」と話す侍ジャパンU-12代表・仁志敏久監督の発案により、U-12世代でははじめて開催された選手選考合宿。
2日間にわたり行われる今回の東京会場では今年7月に実施した「全日本合同トライアウト・デジタルチャレンジ」の一般応募者、公益財団法人全日本軟式野球連盟(JSBB)各都道府県支部からの推薦選手。および仁志監督が視察した「高松宮賜杯第36回全日本学童軟式野球大会(マクドナルド・トーナメント)」を踏まえて一次選考を通過した53選手のうち28選手が参加している。
初日は「ケガがないように、がんばってください」という仁志監督の言葉からスタート。軽いウォーミングアップとキャッチボールの後、指揮官が選考合宿参加生に課した最初のハードルはフィジカルテストである。
「野球に必要な動きを数値化できないかと考えてきたメニューを試してもらいました。数字は嘘を付かないので、このテストによって各選手の弱点が分かり、強化するべきポイントが見えてくると思います」と仁志監督。メニューは以下の4種類である。
1.ノーステップとワンステップでボールを投げ、その球速を計測
2.重たいメディシンボールを両手で持って、体のひねりを利用しながら左右の両側から放り投げ、最後に後ろ向きで投げて、その距離を計る。
3.30mダッシュ
4.ベースランニング
5.内野手適正テスト
*地面に置いた4つの目印を決められた順番で触っていき、そのタイムを競う。低い体勢を維持したまま、走ったりサイドステップすることで、各選手の俊敏性を観察する。
6.外野手適正テスト
*大きな飛球に対するシチュエーションを想定し、後ろを向きながら背走し、途中で体の向きを変えてダッシュ。そのタイムを計測。
選考合宿参加生たちはメディシンボールメニューに戸惑い、小学生レベルではやや複雑な動きや要求される守備適正テストでは悪戦苦闘。それでも参加選手は概して積極的な姿勢で1つ1つのテストを取り組んでいった。
フィジカルテストを終えると、続いてボールを使ったテスト。守備テストでは内野守備では三遊間からの一塁送球と、一二塁間からのセカンド送球を。さらにバックホーム返球も取り入れた外野ノック、1人3球ずつのピッチング練習もチェックした。
また、バッティングは全選手がゲージ2か所を使っての打撃練習を実施。自らバッティングピッチャーも務めた仁志監督は「将来性も踏まえて選考をするので、どれだけ打球が飛んだのかは見ていません。それよりも打った時の姿やフォームを重視して、体が小さくてもしっかりとしたスイングができている選手を評価しています」と、ここで選考基準の一端も明かしてくれた。
かくして選手選考合宿1日目は約4時間を要して終了。「自分が小学生の頃に比べてレベルが高い」と感想を話した仁志監督は、「今回、U-12に選ばれたメンバーには、U-15はもちろん全ての世代で日本代表のユニフォームを着てもらいたいと考えているので、ここから将来のプロ野球選手が生まれるように、私自身も言葉や行動に責任をもって指導にあたりたい」と選考合宿参加生たちに未来の侍ジャパン候補生としての期待を寄せている。
16日(日)は東京会場での選考合宿最終日。さらに25選手が参加予定の10月22日(土)・23日(日)の大阪会場選考合宿を経て、「第9回BFAU-12アジア選手権・侍ジャパンU-12代表」の15名が決まることになる。
第9回 BFA U12アジア選手権
大会期間
2016年12月9日(金)~12月13日(火)
グループB
12月9日(金)11:40 日本 15 - 0 フィリピン
12月10日(土)11:00 日本 11 - 1 韓国
12月11日(日)11:00 パキスタン 1 - 8 日本
セミファイナル
12月12日(月)15:00 日本 9 - 0 中国
ファイナル
12月13日(火)15:00 日本 4 - 1 韓国
※開始時刻は日本時間(中国・広東省:時差-1時間)
開催地
中国(広東省)
参加国
グループA
チャイニーズ・タイペイ、インドネシア、香港、中国
グループB
日本、パキスタン、フィリピン、韓国