今年(2016年)の12月7日(水)から13日(火)まで中国・広東省での開催が予定されている「第9回 BFA U-12アジア選手権」に出場する侍ジャパンU-12代表。 そのメンバー15名を選出する選手選考合宿・東京会場での2日目が10月16日(日)に行われた。
この選考合宿には、7月に実施した「全日本合同トライアウトデジタルチャレンジ」の一般応募者、そして公益財団法人全日本軟式野球連盟(JSBB)各都道府県支部の推薦選手、さらに仁志敏久監督の「高円宮賜杯第36 回全日本学童軟式野球大会(マクドナルド・トーナメント)」の視察で評価された選手、これらの中から一次選考を通過した53選手のうち、10月22日(土)、23日(日)の両日に予定されている大阪での選考合宿に参加予定の25名を除いた28選手が参加。4時間半にわたって様々なテストを行った選考合宿初日に続き、2日目は午前9時から一連のメニューが始まった。
ウォーミングアップから「投げる、打つなど野球特有の動きだけでなく、総体的なフィジカル面も見たい」という仁志監督の意向を踏まえ、様々な動きをしながら体をほぐしていった選考合宿生たち。学童野球の塁間の1.5倍ほどの距離をきれいなボールの軌道で正確に投げるキャッチボールの時から選考合宿ならではの緊張感が伝わってきた。
キャッチボールを終えた後は捕手はスローイング。残りの選手は内野ノック。特に内野ノックでは守るのはふだんのポジションではなく、セカンド・サード・ショートの3つを交代で守り、1塁に送球するメニューが組まれた。
大会では15名という限られた人数の中で戦うため、複数のポジションを守れる能力は大きなアドバンテージとなる。選考合宿生たちにとって内野ノックはこの汎用性をアピールする場にもなった。
また、スピードガンによる球速測定は投手だけでなく、全選手に対して実施。これは肩の強さ、コントロールを見るためだ。仁志監督は「小学生を数字で評価するのはどうか…という思いもありますが、代表になるならそういう厳しさも乗り越えてほしい」と、ここでもシートにペンを走らせていた。
東京会場、最後の選考会メニューは、2箇所のゲージを設けたバッティング。1人あたり1打席5球を2回ずつ計20球打つ選手たちに対峙する打撃投手の1人は昨日に続き仁志監督である。
自らマウンドに立って選手たちの力量を確かめた仁志監督は、汗をぬぐいながら300球近くを投球。180人の応募があった「全日本合同トライアウトデジタルチャレンジ」をパスしたある選手(愛知・豊川イーグルスの岩原健馬君)は「仁志監督が打撃投手になってくれて嬉しかったです」と指揮官がボールに込めたメッセージを受け取り、感激の面持ちだった。
こうして12時過ぎに全てのメニューが終了し、28選手の輪の前に立った仁志監督はこういってエールを送る。
「アジア、世界と、上には上の選手がいるけれど、こうして侍ジャパンU-12代表の一次候補に選ばれたことは自信にしてほしい」。優しく、かつ上を目指す指針を与えるこの話に対し「自分よりも上のレベルの選手たちと2日間一緒に過ごして、もっと練習しないと、と思いました」選考合宿生たちの1人(静岡・黒石野球クラブの薮崎翔栄君)をはじめ、28選手は真っすぐな目をして聴き入っていた。
こうして侍ジャパンのDNAを若き侍たちに伝える要素も込められた2日間の東京会場合宿は無事終了。今後は大阪での選考会を経て、「第9回 BFA U-12アジア選手権」に出場する侍ジャパンU-12代表の15名は、10月末までに決定する予定である。
第9回 BFA U12アジア選手権
大会期間
2016年12月9日(金)~12月13日(火)
グループB
12月9日(金)11:40 日本 15 - 0 フィリピン
12月10日(土)11:00 日本 11 - 1 韓国
12月11日(日)11:00 パキスタン 1 - 8 日本
セミファイナル
12月12日(月)15:00 日本 9 - 0 中国
ファイナル
12月13日(火)15:00 日本 4 - 1 韓国
※開始時刻は日本時間(中国・広東省:時差-1時間)
開催地
中国(広東省)
参加国
グループA
チャイニーズ・タイペイ、インドネシア、香港、中国
グループB
日本、パキスタン、フィリピン、韓国