3食バランスよくとることが野球選手にとっては重要ですが、それに加えて、「補食」という考え方があります。特に、第二次性徴期にある選手は、1日に必要とされる栄養素がとても多く、朝昼夜の3回の食事だけでは、とりきれないことがあります。そんなとき、必要となる栄養を補うためにとるのが補食です。
補食は、とるタイミングによって適した食べ物が変わります。例えば、練習・試合前にとるのであれば、ハードなトレーニングを乗り切るために、身体のエネルギーとなる炭水化物(糖質)を多く含むものをとるとよいでしょう。おにぎりや、あんパンなどが最適な食事のひとつです。また、練習・試合後にとるのであれば、練習・試合による疲労の回復を促すために、炭水化物(糖質)と、たんぱく質が組み合わさったものを選びましょう。果物(100%果汁ジュースでも)や、ヨーグルト・チーズなどの、乳製品が適しています。このタイミング以外でも、不足しがちなカルシウムなどのミネラルや、ビタミンを補うために、乳製品やフルーツを補食としてとることをおすすめします。
また、「栄養補助食品」と呼ばれるサプリメントも様々な種類が出ています。練習後にすばやく栄養補給したいときや、遠征先などでとりづらい栄養素があるときに活用するのがよいでしょう。
うまく活用することで、文字通り、理想的な食生活を“補う”ことができます。トップ選手の中でも、この補食という考え方は浸透しており、練習・試合後にすぐプロテインなどを摂取し、たんぱく質を補給したりしています。
食が細くてなかなか量を食べることができない選手も、補食でそれをカバーすることができますので、ひとつの考え方として参考にしてみてください。
補食としてとるのにおすすめの食べ物
①おにぎり
炭水化物(糖質)が豊富で、かつ腹持ちもよく、補食に最適です。運動前は消化をよくするための具材が少ないもの、運動後は鮭やツナなどたんぱく質が摂れる具材が入っているものを選びましょう。
②乳製品
たんぱく質のほか、不足しやすいカルシウムをとることもできます。
③サンドイッチ
ハムサンドやテリヤキチキンサンドなど、肉類が含まれているものは、たんぱく質も補うことができます。
④あんパン
多くの炭水化物(糖質)を補給することができます。あんは脂質も少ないので、練習・試合前の補食には最適です。
⑤オレンジジュースなど100%果汁、バナナ
簡単に炭水化物を摂る事ができます。
侍ジャパン栄養担当
大前 恵、青山 晴子(株式会社 明治)