今年7月28日(金)~8月6日(日)の日程で台湾・台南市で開催される「第4回 WBSC U-12ワールドカップ」。6月28日に代表選手18名が決まった侍ジャパンU-12代表は7月9日、強化合宿最終日を前日と同じく神奈川県・横浜市の日本体育大学野球部グラウンドで行った。
8時30分にグラウンドへ到着した代表メンバー18名はすぐにウォーミングアップを開始。ストレッチを挟んで、指示に合わせてダッシュをしたり戻ったりする動きや、外野手の背走に近い動作など、より実際のプレーを見越したトレーニングで汗を流した。
その後は「選手の力量を見極めるのが目的」(仁志敏久監督)と今回合宿の観点から前日と同じメニューを実施。その中で、大きな時間を割いたのが不慣れな選手も多い投手のけん制と野手のリードの練習である。
けん制練習では江尻慎太郎コーチが「グラブをしっかりと静止させてボークに気をつけること」と「打者にワンボールを与えるつもりで、とにかく早くクイックで投げること」の2点をポイントに指導。感覚を養っていった。また、リード練習は仁志監督が自ら手本を見せ、投手のクセの見破り方についてポイントを授けた後「日本は他国よりも盗塁が上手い。それだけに国際大会で勝つためには走塁が重要になってくるので、今日、学んだことをしっかりと身につけておいてほしい」と指揮官は選手たちに宿題を与えた。
合宿最後のメニューは打撃練習。ここでは仁志監督がバットの持ち方から角度、姿勢に至るまで細かくアドバイスを与えたバント練習が目を引いた。侍ジャパンの真新しいビジターユニフォームを着用した背番号「30」はその狙いについて「今回のメンバーは、どの選手も自分のチームでは4番を打つようなバッターばかりなので、バントがあまり上手ではないです。でも、国際大会ではバントが必要になってくる場面もたくさん出てくるでしょうから練習をさせたいです」と話した。
また、この日は前日に続きメニューの合間には熱中症を防ぐための給水時間がこまめに取られていたが、その休憩中に仁志監督はドリンクが入っていたダンボールで即席フラットグローブを作成。さらに仁志監督が自らフラットグローブをはめ、ボールをやわらかくキャッチする方法を実演すると、侍ジャパンU-12代表の18名は目を輝かせながらその様子に見入っていた。
こうして昼過ぎに侍ジャパンU-12代表の強化合宿は充実のうちに終了。仁志監督は今回合宿の成果について以下のように総括した。
「この選手はこういう打ち方をするとか、ある程度の印象を持つことができました。次の直前合宿では各選手のポジションや使い方を考えて、スムーズにスタートさせることができると思います」
また、7月28日に台湾・台南市で開幕する「第4回 WBSC U-12ワールドカップ」に向けては「前回の大会を経験し、勝ち抜くのは想像以上に難しいと感じていますが、優勝を目標にして臨みたいです。そして、すべての選手にチャンスを与えることで、忘れられないような良い経験をしてもらいたいです。それが野球だけでなく、人間的な成長にも繋がると思いますから」と、「教育が占めるウェイトが大きい」U-12世代で不可欠となる「選手育成」と「優勝」という両輪を同時に成就させることを誓っている。
なお、侍ジャパンU-12代表は7月22日(土)から4日間、東京都内で直前合宿を開催後、台湾で「第4回 WBSC U-12ワールドカップ」初戴冠への最終調整に備える。
第4回 WBSC U-12 ワールドカップ
大会期間
2017年7月28日〜8月6日
オープニングラウンド
7月28日(金)11:00 チェコ 0 - 13 日本
7月29日(土)15:00 日本 5 - 6 メキシコ
7月30日(日)19:30 チャイニーズ・タイペイ 中止 日本
7月31日(月)15:00 日本 中止 南アフリカ
8月2日(水)11:00 日本 31 - 0 南アフリカ
8月2日(水)19:30 チャイニーズ・タイペイ 5 - 7 日本
8月3日(木)10:00 日本 15 - 0ブラジル
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
8月3日(木)15:00 日本 10 - 0 ニカラグア
8月4日(金)11:30 日本 3 - 6 アメリカ
8月5日(土)15:00 日本 6 - 5 韓国
3位決定戦
8月6日(日)15:00 日本 0 - 1 メキシコ
開催地
台湾 台南市
参加国
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、チェコ、ブラジル、南アフリカ
グループB
アメリカ、韓国、オーストラリア、パナマ、ニカラグア、ドイツ