「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)に出場している侍ジャパンU-18代表は9月2日、アメリカとのオープニングラウンドを0対4で敗れ、通算成績を1勝1敗とした。
2回表に先発・川端健斗(秀岳館)が2ランを浴びると、一死一塁の場面で雷雨となり90分の中断。ゲーム再開後は立ち直ったが、5回表、先頭打者を振り逃げで出塁を許すと、犠打で一死二塁。続く三番打者は空振り三振に斬ったが、捕手の中村奨成(広陵)は捕球できず、一塁転送の間に、二塁走者の生還を許した。本塁ベースカバーを怠る痛恨のミスだった。6回表は二死走者なしから内野安打と走塁妨害が重なり、二塁進塁を許すと、次打者の左前適時打で決定的な4失点目。先発・川端は5回途中で15奪三振、2番手・田浦文丸(秀岳館)は打者8人から5奪三振、3番手で1インニングを投げた磯村峻平(中京大中京)も3奪三振。27個のアウトのうち、23個を三振で奪ったが、勝利に結びつけることはできなかった。
打線は1回裏、一番・藤原恭大(大阪桐蔭)が左前打で出塁し、一死一、二塁の好機を作るも四番・清宮幸太郎(早実3年)が二ゴロ併殺打。中断明けの2回以降は代わった2番手の左腕投手を攻略できず、安打は5回裏の小園海斗(報徳学園)の左前打のみ。9回は153キロ右腕のストッパーに手も足も出ず、計2安打で完封負けを喫した。
試合の流れを分けたとするならば、2回表の2ランである。一死三塁。川端は相手の七番打者に対して、ストレート2球を空振りで簡単に追い込んでいた。問題は次の1球だ。
「1球、ボール球にしても良かった……。自分の表現が甘かった」と、悔やむのはサインを出した捕手の中村である。ウエストするボールのはずだったが、徹底できず、外角高めの真っすぐを右中間へ運ばれる先制2ランとなってしまった。この配球には、小枝守監督も「そこは注意しました。中途半端。投げ切れ!!なのか、ボールならボールとすべきだった。たられば、ですが……」と振り返った。
中村は初回、二塁盗塁を阻止する強肩を見せたが、先述の通り、5回表には川端のフルカウントからの空振り三振の真っすぐを「やったことはありません」という、まさかの捕球ミスにより、失点を許してしまった。
「焦り……。取り損ねてしまった」。試合会場のポート・アーサー・スタジアムの照明は明るいとは言えず、見えづらかったのは事実。だが、中村は「言い訳になるので、言いたくない。自分の技術不足です」と責任を口にした。
6回表には交代となり「監督から直接、言われてはいませんが『外から勉強しろ!!』というメッセージととらえて見ていました。同じミスを2回しないように、明日からは失点0でやっていく」。守りの要である中村、明日のキューバ戦では必ず、取り返してみせる。
監督・選手コメント
小枝守監督
「守り勝つつもりでしたが、守り負けてしまった。そこが課題。軸となる守りに綻びが出るとこうなる。攻撃陣との歯車が合わなかった。野球はそんなに甘くない。27個のアウトのうち23奪三振と、投手は責められない。アメリカの投手は制球力に加え球威もあり、チーム力を上げてきている。攻撃陣をどうするか?2年生2人で計2安打では……。ミーティングで探り合い、立て直していきたい」
清宮幸太郎主将
「完敗でした。日本の投手とはタイプが異なり、対左打者の外、対右の内角のコントロールが良かった。打線が機能しなかった。(自身の打席は)自分でストライクゾーンを崩してしまっている。外中心の配球だとは分かっていましたが、見極めができなかった。映像でしっかり振り返りたい。自分たちの弱さ、何が足りないのか、世界トップレベルがどれくらいの力な何かを知る機会となった。世界一を目指すには、ここを照準にしないといけない。この負けをムダにせず、しっかり切り替えて、次につなげていきたい」
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2017年9月1日~9月11日
オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
開催地
カナダ サンダー・ベイ
参加国
グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア
グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ