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試合レポート

スーパーラウンド最終戦、韓国に4対6で敗戦し決勝進出を逃す

2017年9月10日

「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)に出場している侍ジャパンU-18代表は9月9日、韓国とのスーパーラウンド最終戦を戦い、4対6で敗れた。通算成績(グループBのオープニングラウンドからの持ち越しは1勝1敗)は2勝3敗となり、決勝進出を逃した。これで、日本はスーパーラウンド4位。明日は銅メダルをかけて地元・カナダ(同3位)と対戦する。

 ファイナル進出への「絶対条件」は、この韓国戦で勝つことであった。先発は前日まで7試合中5試合に救援してきた左腕・田浦文丸(秀岳館)だった。当初は川端健斗(秀岳館)を予定していたが、3番手で救援した前日のカナダ戦で右ふくらはぎに打球を受けた。

「当たった瞬間に血腫ができた。病院には行かなかったが、超回復」(小枝守監督)。しかし「様子を見ないといけなかった」と、先発起用には踏み出せなかったという。「消去法で、振ってくるチームということで田浦になった。疲れていない投手はいないし、野手も10日で9試合。スペアがいないに等しい。無理を承知で使った」。ここまで気力で投げていた田浦だったがやはり、厳しいコンディションだったようだ。

 1回裏、先頭に安打を許すと、二番の投前へのバントを田浦が二塁へ悪送球し、二、三塁と傷口を広げる。三番を空振り三振で一死を奪うも、四番の二ゴロの間に先制点を許す。続く五、六番にも連続適時打を浴びて、計3点を先制される。いきなりのビハインドを背負った日本だが、食い下がる。2回表に敵失、暴投を絡めて2点をかえすと、二死二塁から九番・西巻賢二(仙台育英)が左前へしぶとく落とし、同点に追いつく。しかし、頼みの田浦の調子が上向いてこない。2回裏、四球、三振を挟んで左前打の後、2連続四球で押し出し。勝ち越しを許した場面で田浦は降板する。川端が2番手として救援したが、高めに入ったカーブを左前に運ばれ、計2失点。追い上げムードだっただけに、残念なイニングであった。田浦を引っ張った理由として小枝監督は「(持ち直してくれると)欲を言えばそうなる」と、サウスポーに託したが、すでに体力の限界を超えていた。

 川端は4回裏に1失点を喫するも、最後まで投げ切る意地の投球。追う日本は、6回表に古賀悠斗(福岡大大濠)の犠飛で1点をかえすのがやっと。韓国の3投手のリレーに5安打、13奪三振に抑え込まれた。

 小枝監督が「軸」として期待した三番・安田尚憲(履正社)、四番・清宮幸太郎(早実)が無安打では打つ手がなかった。小枝監督は試合後、移動バスに乗り込む前に、厳しい表情を見せた。
「打てるボールを何球、見逃したか…打ち損じも…。動いてくるボールは難しい」
夏の甲子園大会を終え、休む間もなく、ワールドカップを迎えた。今後もこうしたハードスケジュールをクリアした上で大会で力を出し切らないと、悲願の世界一には届かない。これまでも、国際大会のたびに指摘されてきたことではあるが、小枝監督は言う。
「投手はよく投げてくれている。あと一つ攻撃陣……。そこのところが、歯がゆい。木製バットの対応。金属のスタイルを早く変えないと、なかなか難しい」
カナダでの激戦を通して、改めて、U-18世代が抱える課題が浮き彫りとなった。

監督・選手コメント

小枝守監督

「選手たちはよくやってくれた。どうしても詰め切れなかった。悔しいし、残念。まだ、1試合残っている。気を取り直していきたい。(3位決定戦に向けては)機動力と軸の絡み、しっかりできるようなゲームにしたい」

清宮幸太郎主将

「自分が出塁できなかった。申し訳ない。(韓国の投手は)もちろん良かったが、それでも日本に近いタイプ。ボールも見やすかったが自分自身、打ち損じが多かった。自分がもっと、打っていれば。持てる力を100㌫出し切れなかった。3位決定戦ですけど、勝つに越したことはない。切り替えるのは難しいがまだ、試合はある。最後は勝って終わりたい」

川端健斗投手

「(足の状態?)全然、投げられる状態だったので、大丈夫でした。テーピングは巻いていました。いつかは味方が点を取ってくれると信じ、これ以上、点をやらないでおこうと思った。今までずっと、秀岳館の2枚看板としてやってきて、田浦の分もカバーしてあげないといけないという思いで投げた」

第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ

大会概要 出場選手 放送予定

大会期間

2017年9月1日~9月11日

オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)

スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)

3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)

開催地

カナダ サンダー・ベイ

参加国

グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア

グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ

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