11月17日(金)、「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」の2日目が東京ドームで行われた。開幕戦で稲葉篤紀監督率いる侍ジャパンに延長10回の末に敗れた韓国だったが、この日は1対0でチャイニーズ・タイペイに競り勝ち、決勝進出を確実なものとした。
「父を超える素質」と評されるサラブレッド
優勝に向けて後がない韓国はサイドハンド右腕の林起映投手(起亜タイガース)が先発のマウンドに上がった。左打者7人が並ぶチャイニーズ・タイペイ打線だったが、宣銅烈監督(元中日ドラゴンズ投手)は「とても良いチェンジアップがあるので、むしろ左打者に対して有効だと思っていました」と話すように、シンカー気味のチェンジアップが左打者の外角低めに有効に決まった。当初は「5、6回の予定だった」という宣銅烈監督だったが、7回109球を投げて2安打無失点という期待以上の好投でチャイニーズ・タイペイ打線を寄せ付けなかった。
一方、打線はチャイニーズ・タイペイの先発左腕・陳冠宇投手(千葉ロッテマリーンズ)の前になかなか得点を奪えずにいたが、李政厚外野手(ネクセン・ヒーローズ)が試合を決めた。
6回に二死一塁から陳冠宇の甘く入ったカーブを弾き返すとライトフェンスに直撃するタイムリー三塁打となり、これが決勝点となった。
李政厚はかつて中日ドラゴンズでも活躍し、今大会はコーチとして帯同する李鍾範氏の長男。高卒1年目ながら今年の国内リーグで新人最多安打記録を更新する179安打(リーグ3位タイ)を残した。現役時代に父・鍾範氏とプレーした宣銅烈監督は「ミート力が素晴らしい。父を上回る素質がある選手」と高く評価しており、5番起用に結果で応える形となった
一方、敗れたチャイニーズ・タイペイの洪一中監督は1対0というスコアに「不安のあった投手陣がよく踏ん張り、自信のあった打者陣が抑え込まれてしまいました」と想定外の展開に肩を落とした。
決勝進出に向けて負けられない18日の侍ジャパンとの一戦に向けては「実力の高い相手なので、気持ちを奮い立たせて戦いたいです」と前を向いた。
監督・選手コメント
韓国・林起映投手(起亜タイガース)
「韓承沢捕手が良くリードしてくれて、バックも良く守ってくれました。今日は何としてでも勝たないといけないと思いマウンドに上がりました」
チャイニーズ・タイペイ・陳冠宇投手(千葉ロッテマリーンズ)
「コンディションは万全で臨むことができました。早くからこの日の登板を言われていたのでプレッシャーもありませんでした。一つひとつの球を丁寧に投げることができました」
ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017
大会期間
2017年11月16日~11月19日
予選
11月16日(木)19:00 日本 8 - 7 韓国
11月17日(金)19:00 韓国 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
11月18日(土)18:30 チャイニーズ・タイペイ 2 - 8 日本
決勝
11月19日(日)18:00 日本 7 - 0 韓国
開催球場
東京ドーム
出場チーム
チャイニーズ・タイペイ代表、韓国代表、日本代表
侍ジャパン選手紹介
2017年11月6日 先発投手編
2017年11月7日 中継ぎ・抑え投手編
2017年11月8日 捕手編
2017年11月9日 内野手編
2017年11月10日 外野手編