俊足、強肩の外野陣 ダイナミックなプレーに注目
外野手登録の選手は3人のみの選出だが、捕手登録の近藤健介(北海道日本ハム)の外野手起用を稲葉篤紀監督が明言しており、さらに同じく内野手登録ながら外崎修汰(埼玉西武)、松本剛(北海道日本ハム)も所属球団で今季は外野手としてレギュラーに定着していることもあり、代表チームでも適性が試されそうだ。
東北楽天のオコエ瑠偉は2年目の今季、春季キャンプ開始早々に右手薬指の靭帯損傷で手術を受けて開幕を二軍で迎えた。約5カ月に及ぶリハビリと再調整を経て、8月に一軍昇格すると、打撃面で進境を示し、クライマックス・シリーズ(CS)でもスタメン出場を果たすなど、2018年のレギュラー奪取の足掛かりをつかんだと言えるだろう。50メートルを5秒9で駆け抜ける俊足が大きな武器で、この脚力が広い守備範囲を可能にする。強化合宿での出来とほかの選手との兼ね合いもあるが、侍ジャパンでもセンターをうかがう。高校時代には3年夏(2015年)に日本国内で開かれたWBSC U-18ワールドカップにも、侍ジャパン高校日本代表のメンバーとして出場。予選のアメリカ戦でけん制球の失策の間に二塁から一気に本塁を陥れたり、カナダ戦ではピッチャー強襲の内野安打を二塁打にするプレーを見せるなど、日の丸を背負って躍動。チームは準優勝に終わったが、33打数12安打7打点4盗塁、打率.364を記録し、たびたびの好守で最優秀守備選手にも選出されるなど、国際大会にはめっぽう強い。
そのオコエのライバルとなりそうなのが横浜DeNAの桑原将志だ。今季はセンターのレギュラー定着2年目で全試合出場を果たした。元々は内野手で、プロ入り後の2014年シーズンから登録変更。オコエをしのぐ50メートル5秒8の脚力の持ち主で、遠投100メートル超と、プロでは小柄な体格だが、それを補って余りある身体能力を誇っている。打っても横浜DeNA不動のリードオフマンで、開幕直後こそ不振に悩んだが、我慢強く起用を続けるラミレス監督の起用の応え、徐々に復調。7月にはリーグ月間トップの打率.389と爆発。出塁率でも.439で初の月間MVPを獲得するなど、チームの2年連続のCS出場に大きく貢献した。ポストシーズンでもその勢いは衰えず、日本シリーズも経験。日の丸を背負うのはアマチュア時代を通じて初めてだが、侍ジャパンのトップバッターを虎視眈々と狙う。
日本一メンバー堂々名を連ねた福岡ソフトバンクの上林誠知は、これまでも大きく期待されながらも結果を残すことができずにいたが、開幕スタメンを奪取した今季はレギュラーシーズンを通じて一軍で戦い抜き、自身初の規定打席にも到達した。稲葉監督の現役時代のフォームを何度もVTRでチェックしたという左のスラッガーは、やはり指揮官をほうふつさせる打撃フォームから、初の2ケタとなる13本塁打もマーク。チームメートで侍ジャパンの常連である松田宣浩もその打撃には太鼓判を押す。守っても遠投100メートル超の強肩の持ち主で、補殺は今季リーグ最多の10を数えた。日の丸を背負うのは仙台育英高3年時に出場した、第26回18U野球ワールドカップ以来だが、トップチーム定着に意欲を見せている。
外野手登録の3者ともに俊足、強肩の持ち主で、所属チームではセンターもしくはライトが主戦場。近藤、外崎、松本を含め、稲葉監督は果たして誰を外野の軸として起用するのか。注目してほしい。
ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017
大会期間
2017年11月16日~11月19日
予選
11月16日(木)19:00 日本 8 - 7 韓国
11月17日(金)19:00 韓国 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
11月18日(土)18:30 チャイニーズ・タイペイ 2 - 8 日本
決勝
11月19日(日)18:00 日本 7 - 0 韓国
開催球場
東京ドーム
出場チーム
チャイニーズ・タイペイ代表、韓国代表、日本代表
侍ジャパン選手紹介
2017年11月6日 先発投手編
2017年11月7日 中継ぎ・抑え投手編
2017年11月8日 捕手編
2017年11月9日 内野手編
2017年11月10日 外野手編