侍ジャパントップチームの稲葉篤紀監督のキャンプ視察2日目となる2月3日、西武と広島の視察を行った。
まずは広島がキャンプを実施している日南市の天福球場を10時過ぎに訪れた。選手達がウォーミングアップをしているグラウンドに稲葉監督が足を踏み入れると、スタンドを真っ赤に染めたカープファンが「稲葉ジャンプ」でお出迎え。稲葉監督は「感動しました。それだけ期待していただいていると、うれしく思いました」と笑顔で話した。
その後、緒方監督と挨拶。「昨年11月に薮田選手、西川選手、2人とも頑張ってくれて、そのお礼と、今回菊池選手をよろしくお願いします、と話しました」
アップを終えた田中広輔、丸、菊池ら広島の選手たちは続々と稲葉監督と挨拶を交わす。
菊池とは「よろしく頼むよと言ったら、僕で大丈夫ですかと言うので、いやいや、期待しているよ。頑張ろう」と檄を飛ばし、その菊池については「経験もあるし、どんどん先頭に立ってやってもらいたい。守備力が非常に高いし、WBCではライトにホームランを打ったように打撃もある。つなぎ役として機能してほしいですね。打順については2番が有力になってくるでしょうね」と評した。
広島に対する印象を問われ、「若くて楽しみな選手が多い。捕手の坂倉選手はバッティングもいいですし、2020年はどうか分からないが、野球界を背負っていく選手になるのではないかと思います。若い投手も育っているし、今後も楽しみです」と総括し、天福球場を後にした。
西武のキャンプ地、南郷スタジアムには13時に到着。すでに打撃練習が行われていたグラウンドに入り、辻監督とバッティングゲージ後方で会話。秋山、森、山川らの打撃練習を視察した。
稲葉監督は西武の印象を「主に打撃を見させてもらいましたが、非常にいい選手がたくさんいるなと。打撃練習を見ていても豪華な顔ぶれだなという印象です」と話し、目に留まった選手として山川の名前を挙げ次のように評している。「私の掲げるスピード&パワーという面で、西武の4番を昨シーズン途中から打って、ああいう長打力のある選手は大事。守りも非常に器用。(打撃練習では)初球からホームランを打っていた。初球から捉えられる準備に驚いた。3日目なのにあれだけ飛ばしていて、順調に来ているな、この冬しっかりやってきたな、と。今年にかける思いが伝わってきました」
3月3日にナゴヤドーム、4日に京セラドーム大阪でオーストラリア代表と初めてトップチームを率いて戦う稲葉監督。トップチームへ招集する選手について「今、本当のトップチームを集めたいという思いの中、この時期しか若い選手は試せないので、2020年東京オリンピックをしっかり見据えて若い選手を含め様々な可能性を含めて、しっかり選考していきたいと思います」と語った。
そして目指す野球は「機動力野球、走れる野球をやりながら、クリーンアップはパワー、しっかり長打を打てる。若い選手を含めて土台となるチームを作っていきたいと思います」とした。
稲葉監督はオリンピックを見据え、この強化試合は若手の抜擢も視野に入れながらチームの土台をつくる重要な試合と位置付けている。2月中旬に発表されるメンバーにはサプライズが含まれているかもしれない。