侍ジャパントップチームの稲葉篤紀監督が、宮崎のキャンプ視察最終日となる2月4日、オリックスの視察を行った。
今日の宮崎市の最高気温が6度という予報のなか、肌寒い清武総合運動公園SOKKENスタジアムに9時50分頃に到着。各選手がウォーミングアップをするなか福良監督と挨拶し、そのまま約20分話し込んだ。ウォーミングアップを終えた各選手と挨拶し、グラウンドでのキャッチボール、投内連携まで視察すると、ブルペンへ移動する。
ブルペンでは西勇輝、近藤大亮、黒木優太らが行う投球練習をキャッチャー後方から視察。ここでも福良監督と話し込む姿があった。SOKKENスタジアムを後にする予定時間と重なるようにドラフト1位の田嶋大樹の投球練習が始まると、稲葉監督の視線は自然と田嶋に向かう。結局、予定滞在時間を15分オーバーさせて田嶋の投球をじっくりと視察していた。
視察を終え、報道陣から福良監督と話した内容を問われた稲葉監督は「昨年11月の試合に近藤投手と若月選手を出していただいたお礼と、今回また代表候補選手がいるので、そのお願いをしました」と語り、話の中で名前が挙がった選手については「山岡選手は11月に名前が挙がっていて、怪我で呼べなかったところがあるので、怪我の具合を聞きました。吉田正尚選手は手術して2軍スタートですが、今後見ていきたい選手なので話をさせていただきました」と明かした。
吉田については「やはりバッティングが魅力。あれだけのフルスイングでボールを飛ばすのは、柳田選手がいるけれども、左打者ではなかなかいない。年齢も若いので非常に楽しみですね」と評し、代表で一度は見てみたいかとの質問に対して「 代表は当然勝たなければいけないが、選手にとっても代表経験は生かされると思います。そういう意味で日の丸を背負ってトッププレーヤーと一緒にやることは、参考になる選手がたくさんいるので、早い段階で代表に呼んでトッププレーヤーから学んで成長につなげていくことも大事。ただ、怪我なのでどうなるか分かりませんが、代表になれるような選手ではあると思うので、これからも見ていきたいと思います。」と期待を寄せていた。
ブルペンで視察した各投手については「黒木投手は立ち投げでしたが、じっくりと一番力強い球を投げていて、福良監督ともそういう話をさせてもらいました。彼独特の足をつくかつかないかの間は打者のタイミングをずらせると思いますし、初めて対戦する投手としては非常に打ちづらいのでは、という印象を受けました。近藤投手も元気に投げていたので、けがなくやってくれたらいいですね。西投手はオリックスを背負って立つ投手。しっかり下半身を使って投げていたので、順調に来ている感じはしました」との印象を語った。
さらにドラフト1位の田嶋について「非常に力強い球を投げていたし、高さを間違えず、低めにしっかり投げていた印象を受けました。アジアは特にいい左打者が多いので左投手は大事になってくる。そういった意味でも今後非常に楽しみな投手が出てきたと思います。国際大会は負けられない試合なので、社会人野球での経験を踏まえ、プロの世界に慣れていけば、(東京オリンピックに向けての)代表というチャンスは十分にあると思います」と大きな期待を寄せていた。
連日、若手に注目しながら視察を続ける稲葉監督。明日以降は沖縄に場所を移し、各球団の状態をその目で見て回る。次にどんな若手の名前が挙がるのか注目したいところだ。