今年8月下旬から9月上旬に韓国で開催される第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップに向けた3日間にわたる国際大会対策研修合宿。その2日目が行われた。
「やりたいことはできました」と永田裕治監督が振り返ったように野球日和の天候にも恵まれ、木製バットと大会使用球でフリー打撃やシートノック、紅白戦などを行なった。
紅白戦は各投手が2イニングないし3イニングを投げ、走者無しや走者有り(無死一塁、無死一・二塁)の状況から始める変則的な形で行われた。また、投手が外野の守備に就いたり、内野手が各ポジションをイニングごとにローテーションするなど、あらゆる状況の想定がなされた。
その中で、多数詰めかけた日米プロ球団スカウトと報道陣の度肝を抜いたのが佐々木朗希(大船渡)だ。2試合目の先発としてマウンドに上がると立ち上がりから豪速球を連発。2人目の打者の3球目には、ついに163キロ(NPB球団スカウト測定)を叩き出した。以降も勢いはまったく衰えず、スライダーやチェンジアップといった変化球も制球良く織り交ぜて、6者連続三振を奪って2イニングを完璧に抑えた。これには対戦した打者が「見たことのないスピード、キレでした」と目を丸くし、スカウト陣からも「群を抜いている存在。スケールが大きい」「まだ未完成の中でこのスピード。どこまで成長するんだろうか」と驚嘆の声が次々と漏れた。
この他にも日本の武器となりそうな投手たちは軒並み好投。前回のW杯で活躍した田浦文丸(当時秀岳館、現ソフトバンク)を彷彿とさせるような、小柄ながらキレの良い球を投じる左腕・林優樹(近江)が3イニングで無安打無四球投球を見せるなど各自が持ち味を発揮した。
また木製バットを使用した打者陣に対しては永田監督が「フリー打撃では厳しいものがありましたが、実戦形式では対応できていたかなと思います」と評価。長打こそ少なかったものの鋭い打撃を見せる選手も複数見受けられた。
この合宿期間中には、各選手同士の交流はもちろんのこと、永田監督と各選手の面談も行なっている。「すごく質問をしてきてくれる選手もいます」と永田監督が明かすように、参加している選手たちはこれまで以上に国内での立ち位置や国際大会への意識が明確になってきているようだ。
選手コメント
佐々木朗希(大船渡)
「みな身体能力が高く、走攻守すべてにおいてレベルが高いので、自分も頑張らなければという気持ちです。今日は緊張して力んでしまい、あまり球が指にかかりませんでした。160キロを春に超すことは目標にしてきたので嬉しいですが、スピードがすべてではないので制球や変化球も含めもっと学んでいきたいです」
林優樹(近江)
「緊張しましたが持ち味であるテンポの良い投球をすることができました。田浦さんはお手本とする投手のひとりです。明日投げる機会があるかは分かりませんが全力で取り組んでいきます」
第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2019年8月30日~9月8日
オープニングラウンド
2019年8月30日(金)12:00 日本 4 - 2 スペイン
2019年8月31日(土)12:00 南アフリカ 0 - 19 日本
2019年9月1日(日)18:00 日本 16 - 7 アメリカ
2019年9月2日(月)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
2019年9月3日(火)19:30 日本 5 - 1 パナマ
スーパーラウンド
2019年9月5日(木)18:00 日本 5 - 1 カナダ
2019年9月6日(金)18:00 韓国 5 - 4 日本
2019年9月7日(土)12:30 日本 1 - 4 オーストラリア
決勝・3位決定戦
2019年9月8日
開催地
韓国(機張郡)
出場する国と地域
グループA
韓国、オーストラリア、オランダ、カナダ、ニカラグア、中国
グループB
日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、パナマ、南アフリカ、スペイン